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AIに転生? 異世界で、少女の姿で、生き抜きますよ!  作者: SUYA
人工知能(AI)に転生! 第一章
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第38話 進捗会議

 ところ変わって、エドナ重工の会長室。

「おはようソフィア」

 会長の秘書を務める彼女は透き通るような白い肌、黄金色の美しい長髪、エルフ特有の耳をしていた。

「おはようございますドク」

 ドクとはエドナ重工会長の名前だ。この会社で会長の事をドクとよぶ者は少ない。それだけの信頼関係があると言うことだろう。

 昨日の式典はいかがでしたか? いやー、クリスティのパワードスーツは見事なもんだったよ。クリスティお嬢様が、一番ドクに似ておられますね。そう言うと、ソフィアはにっこり微笑んだ。

 エドナ会長はホッホッホッ、っと満足そうに笑った。

「今日の予定なのですが、午前中は次期兵器の進捗報告会があります。午後からは新型航空機の式典への参加。オーグナー銀行頭取との夕食会となっております」

「ソフィア、次期兵器の進捗会にはブルース君も参加してもらう」

 彼女の美しい顔が曇った表情になった。空気を読んだブルースが口を挟んだ。

「その、俺が参加しても大丈夫なものなのか? 信頼してもらえているのは嬉しいが」

 彼女は更に不安そうな表情になる。

「ソフィア、ブルース君はわしの命の恩人だ。ここ数日見事にわしの命を守ってくれている。わしは人を見る目はあるつもりなんだ。わしを信じてブルース君の参加を許してくれんかね」

「仕方ありませんね。ドクがそうおっしゃるのなら。ではそろそろ時間ですので軍の方へ参りましょう」

 彼女はドアの方へ歩き出し、ブルースとすれ違った。

「ドクを裏切る様なことがあれば分かっていますよね」

 見る物を凍り付かせるようなブルーの瞳をブルースに向ける。そして、メガネの端をクイッと上げた。

 ビルの玄関を出ると、運転手がリムジンを横付けし待ち構えていた。ブルース、ドク、ソフィアの三人は車に乗り込んだ。車に乗り込むとリムジンは静かに走り出した。

 少し落ち着いたところでブルースが話し出した。

「そもそも、会長自ら行くようなものなのか?」

「重要な商談になるのでな、自ら赴くことにしている。実際のプレゼンなどはソフィアに任せてあるんじゃがな」ハハハと笑う。

「こんなこと言ってますが、ドクは我が社の全てのプロジェクトを把握して、的確なタイミングで指示を出します。優秀な方なのです」

 ソフィアはすかさずフォローを入れる。

「そろそろ、アメリア連邦国防総省本庁舎に到着しますよ」

「これはまた、見事な施設だな」

「アメリア連邦軍の中枢ですからね。中心の建物は30階まであり、それを囲むように、10階ずつ低い建物が周囲を囲むように円を描いて二重に建てられています」

 運転手がリムジンを車止めに寄せる。ブルースは会長より先にリムジンを降り周囲を警戒、安全を確認すると会長を車から下ろした。続いてソフィアが降りてきた。

「では参りましょう」と言って、道案内を始めた。

 正面のロビーを通過すると、警備員や受付嬢が控えるフロントがあり、それを囲むように2階への階段があった。2階へ上がると長い通路が続いていた。その通路の先に、元老院の館があった。館内は六角形を形どっていて、5メートルほどの高さの周囲に観覧席があった。

 その部屋の中心に、アメリア軍の大佐と副官が集合していた。

「待たせてすまなかったね」

「時間通りだ問題ない。わざわざ、ご足労いただいてすまない」

「では全員揃ったようですね。それでは時期兵器の進捗会を始めます」

 どこからともなく声が響いている。

 元老院の方々が姿を現す。観覧席にはガラスがはめ込まれており、はっきりと中の人物が見えなかった。

 エドナ重工、進捗報告お願いします。ソフィアが前に出る。

「エドナ重工では量子コントローラーの開発に成功しました」

 おおーっと、騒めく。

「これまで、AIの兵器に遅れを取っていましたが、これで対等になりました。また、人体の動きを敏感に捉える、反応パワーアシストを開発し、装備しました。これは人間の反応を敏感に感じ取り、マシンの応答速度を40パーセントアップさせるものです。そして、開発にあわせてレッドレアクリスタルの確保も進めており、今後2年から3年は大丈夫な量を備蓄しております。以上が今回の進捗となります」

「しばらくは心配なさそうじゃな」

「はいっ!」深々と礼をするソフィア。

「では、アメリア連邦軍の進捗報告をお願いします」

「長年我々はAIから遅れをとってきました。今回アメリア連邦軍が開発した新兵力はニューロリンクでの干渉と薬の投与により、一時的に感情を抑えることに成功しました。この兵の反応速度はAIを上回っております」

「人道的にどうなのだね。感情が戻らない例も発生してるそうじゃないか、志願兵や孤児とはいえ民衆の反感を買ったらどうする。トラブルなく、成果を上げる事が重要じゃ」

「しかし、100年間プロジェクトを完遂出来てないではないですか!」声を荒げる大佐。

「あちらはどうなってる。AI制御の衛星兵器、無人ちゃん8号の奪還は」

「そちらも進めております」

「そっちを先に進めなさい、あれがAIに抑えられていると思うと、怖くてかなわんわい。次回まで、まだ時間はある。よくよく考えてくれたまえ」

「では本日の進捗報告会を終了いたします」

 元老院の館を後にした大佐はぼやいていた。

 「元老院の老いぼれどもめ、いつまでこんな戦いを続けるつもりだ。彼らは戦いを終わらす気が無いのかもしれん。元老院の判断に任せていたのでは、我々の計画は頓挫してしまう。もうすでに計画は始まっているのだからな。邪魔が入らないよう、しばらく、エドナ会長には休んでもらわなければいけないな。彼女に協力してもらうしかないかもしれん。アニー、軍への指示を頼む」

「はい! わかりました」

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