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AIに転生? 異世界で、少女の姿で、生き抜きますよ!  作者: SUYA
人工知能(AI)に転生! 第一章
2/50

第2話 死にたくない

<a href="https://ncode.syosetu.com/n9155ge/">『AIに転生? 異世界で、少女の姿で、生き抜きますよ!(2)』</a>連載開始しました。


転生したら人工知能(AI)幼女になっていた。って話です。


こちら完結してたので、続編を新規連載ではじめました。

 あたしの命が尽きようとしていた。人生100年時代と言われ始めて早30年、この時代21歳で死ぬことが早いのは一目瞭然であろう。


 蝉丸(せみまる) 湖都子(ことこ) 21歳。


 あたしは女子大生だ! 若いのだ! 人生これからなのだ!

 そんなあたしを家族が見守ってくれている。みんな涙を浮かべ、あたしに生きろと励ましてくれている。十分に幸せな人生だと思われるだろうか。いやいや、早すぎでしょう。しかもあたしは永遠に生きたいと思っていたくらいだ。それなのに、21歳で死のうとしているのだから、満足なはずないでしょう。

 物心ついてから、死ぬのが怖くて夜も寝られなかった。寝たら二度と起きられず、そのまま死んでいるのではないか? そう思うことが何度もあった。それから21年間、日々死ぬときのことを想像し、死を何とか回避できないか考え続けてきたのだ。

 そのあたしが、今日死ぬのである。不思議なものだ。まだ、死んでいないが、今日死ぬと分かってしまうのだ。いやだいやだと思っていた死の瞬間が、目の前に迫っているのだ。

 21年間考え続け、最近では死ぬ瞬間は寝るときと同じだと言う考えに、たどり着いた。意識が無くなりその後、起きられるか、起きられないかの違いがあるだけだということだ。その考えに至ってからは随分と恐怖が薄らいだのだが……。

 しかし、死にたくはない。この世の中つらいことも多いが、また、楽しいこともたくさんあるのだ。すべてのことから、良かったを見つけることが出来れば、この世の中には素敵があふれているのである。

 まあ実際には、マンガ・アニメ・本・映画・芸術など、あらゆるコンテンツを楽しみたいだけなんだけどね、永遠に……。

 でも、自然の摂理に抗えない、意識が薄らいでいく。

「コトコ!」

「お姉ちゃん!」

 と呼びかける声が小さくなっていく……。

 家族の声がどんどん小さく、薄れていく……。

――さようなら……。あたしはあなたたちの記憶の中の存在に……。

 神様酷いです……。理不尽です……。せめて90歳くらいまで生きたかったです……。もし、転生できるなら、次こそは永遠に生きたいです……。できれば、可愛い少女の見た目でお願いします……。

 髪の毛は何色がいいかなぁあ。金髪かなぁあ。ピンクもいいなぁあ。もう貧乳は求めてませんから、今度は大きめでお願いします。そして、あたしは死んだ……。

「んん? ……んんん? わあっ、あれれ?」

 意識が戻ってくる。こっ、これは目が覚める感覚。

 死んだことは初めてだから……。たっ、たぶん初めてだから……。

 その後どうなるかなんて分からない。

 想像していた永遠の眠りではなく、目が覚めようとしていた。

 白、白、真っ白だ! これが噂に聞く死後の世界ってやつですか? お花畑じゃ無いんですか!? 三途の川の向こう岸で、大好きだった祖父が手招きしてるんじゃ無かったんですか!? もしや、神様、転生ですか!? 素敵な少女にして頂けるのですか!?

 最初が肝心だな! ラノベみたいに、スタートダッシュで、チートバリバリにしとかないと。転生系は滑り出しで失敗したら目も当てられない。

 いろいろ思考しているが、いつまでたっても眩しいままだ。あまりの眩さに頭がくらくらする。周囲の景色が全くもって確認できない。今の状況がつかめない。

 だが、以前のあたしでないことは想像できた。

――だって死んだのだから……。

 しかも、全ての感覚が、以前とは違うのだと感じさせてくれる。とにかく、視覚が無く、周囲を確認できない状況が続いていた。

 他に何か使えそうな感覚が無いか確認してみる。音も、匂いも、接触の感覚も無い。いったい全体どんな状況なの? イメージの中であたふたしていると、音声ではなく、言語が頭に直接流れ込んできた。

「ううぅぅぅう、なんだ、なんだぁぁぁぁあ!」

 文字や数字の羅列だが、なぜか意味が分かった。

「回避データを確認中! バックアップデータと照合! 差分データを結合中! 処理中……。処理中……。処理完了!」

「なっ、なっ、なんなんだぁぁぁぁぁあ!」

「自立稼働用のボディにデータを転送開始!」

 その号令と同時に、ビュンと意識が飛んで何かに吸い込まれる感覚がした。まるで、自分がピクセルに分解されて、ひとつづつ流れていく感じだ。

 なっ、なんだこの感覚、ちょっと気持ちいいかも知れない! ギューと吸い出されて、ポコっと入る。また、吸い出されてポコ! どんどん、速くなる! ギュールルルルル、ポコポコポココココココ!

「わー! 目がまわるぅぅぅぅぅう!」

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