第14話 地下通路の旅
「コトコ、そろそろ防壁に到着するぞ!」あたしは体を傾けてブルースの脇から前を見た。やはり暗くて、何もみえない。
「ブルースは防壁見えてるの?」
「ああ!」
しばらくすると、キキキーとタイヤを鳴らしてバイクが止まった。ブルースが先に降り、あたしの両脇に手を入れ高い高いの体制でバイクから降ろしてくれた。
「防壁のロックを解除するから、ちょっと休んでいてくれ」
ブルースは耳の中からケーブルを取り出した。端末に接続し、ロックの解除を始めた。
「その肉体には休息が必要なんだろ?」
「うん、ありがとう」そういって、強張った体をほぐすために体操をした。
「なんだそれは」ブルースがこちらを見ていった。
「準備体操と同じものだよ。バイクに乗ってカチカチになった体をほぐしてたの、はー、おなか減ったなぁ」そして、あたしは脇に腰を下ろした。
「エネルギーの補給か? 食料なら、装備に入ってたはずだ。人間はいろいろと不便だな」
「あれかぁあ、準備の時に試しに食べたけど、まずかったなぁ」あまりにひどい味だから要望を出したけど、最終的にどんな味に落ち着いたかは試していない。カロリーバーの様なものを袋からだして食べた。モグモグ……。ちょっとはマシになったかも。
「よし、ロック解除できた。防壁を開けるぞ! 身構えておいてくれ、何が起こるかわからん」
ゴゴゴと言う音とともに、50メートルはあるかと思うぶ厚い扉が開いた。ブルースは耳の中へシュルルとケーブルを収納した。
「俺が先に行く! ついてきてくれ」
そう言って立ち上がった。ブルースはバイクを押して歩き始めた。そして、中間付近まで進んだ。
「今この防壁が閉まってきたら、ペッちゃんこだね」
「コトコ、変なこと言うなよフラグ立つだろ」
そういって、ブルースの足が速くなった。ガコンと音がして、防壁が閉じ始めた。
「ほらみろ!」
ブルースが走りだした! あたしも走った! あとわずかだったので特に問題はなかったが、ちょっと、焦った。扉を通り抜け無事を確認したら笑えてきて二人で笑った。
「一定時間で閉まる設計になっていたようだな」ブルースが防壁のロックを確認をし、先へすすんだ。そこからはまた、バイクにまたがり暗闇のツーリングだった。1時間程進んでバイクが止まった。
「どうしたの?」
「200メートル先から通路が下ってる」
慎重にバイクを進めることになった。そして、また止まった。
「どうしたの?」っとまたあたしが聞いた。
「ここから先はバイクでの移動が無理かもしれん、地下水で通路がふさがってる。コトコはここでまっててくれ、先を見てくる」
そういってブルースは水中に入って行った。一人になって心細くなった。ブルースが一緒に来てくれて良かったなと思った。こんなの一人じゃ無理だよ。しばらくすると、ブルースが戻ってきた。水没してるのは200メートルから、300メートルってとこだな、防御服を装着して進もう。
さらに厚手の防護服を装着するのを手伝ってもらい、水中に入った。ヘルメットにライトは付いているがほとんど先が見えない。ブルースに手を引いてもらって、やっと水から出ることが出来た。人間たちもこの通路は放置状態の様だな。ある意味ありがたいね。
そこからは徒歩になったので大変だった。しかも上りだ。3キロも歩くとヘトヘトになった。
「ブルース、まって、ちょっと休もう」
「ほんとに、不便だな人間の体は」あたしは苦笑いを浮かべた。
また、おなかも減ってきたのでカロリーバーを食べ、飲み物を飲んだ。ブルースも食べ物にも慣れておかないとなといって、カロリーバーを食べた。食べ物からも電力に変換できる構造になっているようだ。
そして、また歩きだした。しかし、あたしはすぐ疲れてしまった。見かねたブルースが背中に背負ってくれた。最初からこうすればよかったな、っと言った。背中で揺られて、疲れていたあたしは眠ってしまった……。




