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AIに転生? 異世界で、少女の姿で、生き抜きますよ!  作者: SUYA
人工知能(AI)に転生! 第一章
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第12話 ふぅう、寒かった

「えっ、毛布は無いなぁ。とりあえず、量子をコントロールして何とかして」

「そうか、その手があった」

 あたしは体温が上がるように、量子をコントロールした。

「ふぅう、寒かったぁあ」

 まだ、歯の根がしっかり合わず、声が震える。

「かっ、体が思うように動かないよ」

 ジャックがあたしを支えながら話した。

「そうか、長い間薬液に浸かっていたから、筋力が低下しているのかもしれないね。ちょっと、現状はそれも、量子コントロールでなんとかしといて」

 あたしは自分の筋力を補助するように量子をコントロールした。

「これじゃあ、この体にした意味ないよ!」

「いや、今だけだから。一時的だから」

 観測者が冷たい視線をこちらへ向けて言った。

「コトコ、服を用意しなさい」

「忘れてた」あたしはペロリと舌を出した。服も量子をコントロールして用意する。

「ジャック、これは完璧に人間だよ! 凄いよ!」

「MRIやCTスキャンをしても人間としか思われない自信があるね」とジャックが自慢げに言った。

「でも、ニューロリンクが見られるんじゃないの?」

 ブルースが言葉を挟んだ。「人間の中にもニューロリンクを装着している者は今もいるはずだから、大丈夫じゃないか? 俺の量子コントローラーも何とかする必要があるな」

「ブルースのボディなら大丈夫だ。フレームを人工皮膚で覆えば潜入には問題無いと思う」

「じゃあ、頼んだぞジャック!」

「とりあえずこれで、人間の国に侵入することができるな」と観測者が言った。

 そして、話を続けた。

「あらためて言っておくが、今回の対策は無駄に量子コントローラーを使い過ぎない、目立たないためが目的だ。必要な時には躊躇なく使うように。しかし、私はジャックのことを侮っていたようだ。君は素晴らしい科学者だよ。あとの装備やらその他準備はこちらで用意させる。あたしをチラリと見て服も用意するが、それまでは量子コントロールでなんとかしてくれ」そう言って観測者は部屋を後にした。

 それから数日はトレーニングルームにこもってリハビリだ。かなり低下した筋力を戻すため、ジャックの技術とブルースの運動により、徐々にあたしの新しい体は本来の機能を取り戻していった。

 それがすんだら、次は量子コントロールと格闘技の特訓をおこなった。人間の国に侵入した後何があるかわからない、自分たちの身は自分たちで守るしかないってことだ。

 組み手ではブルースが相手になってくれた。

 あたしとはまた違う構造になっているが、こちらも量子コントロール技術が使われている。ブルースは骨格に特殊な合金が使われていて人型をしている。その表面に量子コントロールで皮膚を再現している。そのため人の形以上のものには形を変えることができない。あたしの場合は実態はアクセサリーなのでどんな形にでも変化できるらしい。もはや異形だね、魔女だね。

 ひと通りの格闘データが入っているので、まるで二人が戦っているとカンフーの達人が戦っているようだった。ブルースのほうが強い、吹っ飛ばされる。

「能力としてはコトコの方が上のはずなんだけど。気持ちで負けてるのかな? あのマッチョなイメージにやられてるのかな?」

「そんなもんですか?」

「超合金のフレームも役に立ってるのかもね」

「あと、コトコは技を真似ているだけなのかもしれない。前にも言ったけど、知っているのとできるのは違う。今のコトコの技は演技みたいなものかも知れない。長年達人が修行して手に入れたものはそう簡単には手に入らないってことだな」

 ブルースが自慢げに腕を振り上げた。

 実はあたし前世で護身術を少しやってたんですけどね。と思ったけども、言うのをやめておいた。

「あと戦ってる時は肉体の事は忘れたほうがいいかもしれない」

「いやいや、体をかばわないと壊れちゃう! ボロボロになっちゃう!」あたしは叫んだ。

「戦うときは肉体はどこかに置いといて、戦ったほうがいいかもね」

 あたしは苦笑いでごまかした。いや、そんな事したら、人間は驚きますよ。

 召集がかかり、ジャックの研究室に作戦の主要メンバーが集められた。ブルースが話し始めた。

「今回の作戦の詳細を伝える!」

 それと同時に、大きな図面を広げた。

「何で、紙なの?」コテっと小首を傾げた。

「気分だよ気分!」

 あたしはブルースをチラリと観た。

「まあ、いいっか。どうぞ進めてください」

「この図をみてくれ! 人間が使用していた、旧エリアの地下2000メートルに、人間の市街とつながる人が通れる程度の通路が存在している。距離は約360キロだ。俺とジャックは施設の見取り図を何度も見ていたので、知っていたことではあるんだがな。しかし、この通路が何のために作られたのかまでは知らない。人が通るためのものか? 人以外のものが通るためのものか? 正規軍もこの通路の存在は知っていたようで、機械の国側に防壁が施してある。この防壁はこちらの管理下にある。俺とコトコが通過するときに解除し、通過後ロックする。問題は人間の国側だが、正規軍が調査したところ放置状態らしい、かなり老築化が進んでいて危険なため慎重に進む必要がある」

 ブルースに代わり、ジャックが話し出した。

「敵に感づかれ無いために、電波を使用した通信は行わない。すなわち、出発後僕たちはほぼ何もしてあげられない」

 あたしとブルースは、こくりとうなずいた。

「あと、距離がある為移動用に乗り物を用意しておいたよ。作戦決行は9時だ。時間になったら降下エレベーター前に集合するように! では9時まで各自待機!」

 時間までどうしようかなぁ。あたしはトレーニングルームに立ち寄った。一人で格闘技の形を一つ一つ確かめるように体を動かした。すると、ジャックがやってきた。

「コトコ、僕はキミに着いて行けないから、代わりにこの子を連れてってくれない」

 ジャックは両手を差し出した。手の中にいたのはハムスターだった。

「か、可愛い。ハムスター? 何処にいたの、こんな子?」

「僕が作ったんだよ」ジャックの手の中でハムハムしていた。

「名前はコトコが付けて」

 あたしは顎に手を添え、少し考えて答えた。「うーん、じゃあ茶々丸」

「名前決めるの早かったね」

「昔あたしが飼ってた猫の名前だよ」

「茶々丸、いいかもね」

「んん? 今喋らなかった? このハムスター」

「そりゃ、僕が作ったハムスターだから話すよ」

 まあ、話すとはいえ、小範囲のデータ通信だから人間には聞こえないけどね。

「そっ、そうなんだ」

「よろしく、コトコ」

「よろしくね、茶々丸」あたしは微笑んだ。

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