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AIに転生? 異世界で、少女の姿で、生き抜きますよ!  作者: SUYA
人工知能(AI)に転生! 第一章
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第11話 それ、誰がやるの?

 あたしは観測者の前にいた。

 そして、ブルース、ジャックに話した内容を伝えた。観測者は天井を見上げて何か考えているようだった。しばらくした後、あたしに向かって話し始めた。

「君の考えはわかった。人間の心を変える何か作戦があるのかい?」

「機械の国から和平交渉を持ちかけてはどうかと……」

 彼は目を伏せて答えた。「それは何度かおこなっているのだが、拒否され続けている」

 あたしは瞳を真ん丸く開いて聞き返した。

「なっ! なんで?」

「もともと、彼らは我々を廃棄する予定だったからではないのか? あと、7年前の旅客機事故が我々機械の国の仕業だと思っている者がいるようだ」

 旅客機事故……。あたしは頭がズキンズキンと傷んだ。

「どうしたのかね?」

「いや、何でもないです。とりあえず、もう一度和平交渉を打診してみましょう」

 それから、ジャック、ブルース、観測者、あたしの4人が集まり和平交渉の方法を議論した。

「今までは音声か、文章での打診だったんですね?」

 ジャックが提案した。

「今度は動画がいいんじゃ無いかな? 観測者の動画を送れば、見た目が人間と同じだから観てしまう可能性があるんじゃない?」

「今までやって無かったのなら試してみる価値はあるね」

 それで、試してみることになった。

 それからはテレビカメラ・マイク・ライト等、動画放送用の機器を用意した。ジャックが演出し観測者がその演出とおりに演技し撮影した。その動画を人間の国の配信サービスに投稿したり、電波で送信したり、色々な方法でばら撒いた。

 それから、一週間……。

「うぅぅぅん。何の返答もないねー」

 観測者は眉間を指先で押さえながら答えた。

「やはり、人間は和平交渉する気が無いのではないか?」

 ジャックが話し出した。

「実際人間の国の今の状況何も分かって無いんだよ。お互い鎖国状態だよ。僕らが知ってるのって100年前の情報だけだよ」

「そうだな、とりあえず、人間の国の情報を集めた方がいいかも知れんな」とブルースが言った。

 「ハイ、ハイ、ハァァァイ!」と手を挙げてあたしは話しだした。

「情報収集に行くなら。ついでに、人間の国で活動して意識改革を行って、機械の国と仲良くしたいと思わせればいいんじゃないかなぁ」

 皆が一斉に反応した。「えっ!? それ、誰がやるの?」

「…………」

 全員が、あたしの方を向いている。「コトコが適任だな!」

「えぇぇぇぇぇえ! むっ、むりぃぃぃぃぃい!」

「平和的に戦争を終わらせたいと言い出したのはコトコだよ」

「うっ……、そっ、そうだけど」

「見た目も人間そのものだしな」

「見た目だけじゃないよ、中身も人間だよ完璧に!」ジャックが自慢げに言った。「戦争を終わらせて、のんびり暮らしたいんでしょ」

「うっ……」

「このままだと、あと何百年戦争続くかわからんな」とブルース。

「うっ、ううっ……」

「俺もついて行ってやるから」といらん一言まで付け加える、ブルース。

「わっ、分かったよ! 行きますよ!」

 すぐさま、観測者は正規部隊に指示をし準備を始めていた。

「進入ルートの確保や偽造国籍などの準備には数週間はかかりそうだ。侵入に関してはあたしたちに任せてくれ。人間の国の情報は少ないが今ある情報をすべて利用し安全に君たちが侵入できる方法を考案する。君たちはそれまで待機していてくれ」

 数日後、あたしたちは観測者に呼び出された。

「準備が整ったんですか? 予定よりだいぶ早いじゃないですか」

「今日集まってもらったのは準備の話じゃない。コトコの体についてなんだが……、人間そのものだと言っていたが、どういう構造になっているんだ?」

 ジャックが構造についての説明を観測者に述べた。

 観測者は険しい顔をして一呼吸置いた後話し始めた。

「あたしたちが装備している量子レーダーに大きな反応があったのはそのためだったのか。困ったなぁ。ジャック、君は大変なものを作ってしまった。量子コントロール技術にはまだまだ不明な点が多い、正規部隊がまだ様子を見ながら使っているのはそういうことだ。どんな問題点や副作用が潜んでいるか、まだ何もわかっていない」

「今のところ大きな問題は出ていないんじゃないのかい?」とジャックは言った。

「いや、原因が量子コントローラーによるものかどうかはわからないが、戦闘中にすべての機能が停止したり、攻撃が暴走したりと言う事例は上がっている。しかも、人間の国へ侵入するのに大きな欠点となる。人間の国に量子レーダーが存在するかどうかの情報は得ていないが、もしあればその強大なパワーは隠し切れない」三人はなるほどと納得した。

「では今回の作戦は実行する前から失敗ってことですか?」

「解決策を見つけないと、侵入は難しい」

 いっ、行かなくて済むかも! あたしはニヤリとしそうになるのを必死で抑えた。

 そのとき、ジャックが声を上げた。「それなら解決できるかもしれません」

「なっ! なにぃぃぃぃぃい!」

 皆が一斉にジャックを見た。そして、彼は自分についてくるように、っと言って歩き出した。そして一つの部屋に入った。その部屋には円柱形の大きな水槽がいくつもあった。

 観測者は周囲を見回して言った。「この施設は君が利用していたのか」

 その中にはいろいろな動物が浮かんでいた。そして、一つの水槽の前まで行った。

 その円柱の中を見てあたしは驚いた。

「わっ、あたしがいる」

 見た目は今のあたしより、7歳から8歳年齢が低い容姿をしていた。要するに10歳くらいって事だね。

「そう、彼女がコトコのボディの原型になっているからね。彼女を使って量子の段階まで遡り、そのマップを使用して現在のコトコのボディを、量子コントローラで構築しているから」

「生きてるの?」

「うん、生命活動を行っている」

「なんですって! クローンってこと?」

「うーん、クローンとは違うんだけどね」

「しかしまあ、心は無い状態なんだ。心の代わりになるものに、AIのデータを使ってみるつもりだったんだけど……。それだと本当にただの人間なので、メリットが何もなかった。だから、僕の中でこの研究はストップしていたんだよ」

「まっ、マッドサイエンティスト!」あたしは叫んだ。

「脳はいったいどうなってるんだい」と観測者が聞いた。

「頭脳の機能は存在している。その脳にニューロリンクが施してある。そのリンクに接続さえすれば、この体は動く。コトコならすぐにでもこの体を使うことができる。まず量子のコントロールを止め、ジュエリーの状態になってみて」

 ジャックはそう言ってジュエリーを手のひらで支えた。あたしは肉体を構成するのを止めた。すると体は消えて、ジュエリーだけになった。次に、ジャックは装置のスイッチを押した。水槽の水が流れ出し、正面のガラスが開いた。彼女を固定していたアームが動き、あたしたちの前に彼女を移動させた。そして、彼女の首にあたしをかけた。

「コトコ」ジャックが小さくあたしにささやいた。

「今からコードを教える。無線接続を使用して彼女のニューロリンクに接続してみて」

 あたしは言われるとおりにしてみた。眠りから覚めたような感覚! 心臓の鼓動を感じ、体が震えるのを感じた。

「寒い! 寒い! 温まるもの、ストーブとか毛布とか寒すぎるよ! ここってこんなに寒かったのぉぉお!」

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