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ふふふ、この時間がついに来た! 

 今、時間は昼休みあれから全員でダッシュして遅刻は免れた。

 そんなことより大事なのはスマホの中身だ。


 そう向うで魔王を討伐したことで女神様からもらったご褒美、その名もスマホアプリ魔力課金!

 これは俺の体内の魔力(マナ)を消費――課金する事によって、この世界に様々な影響を与える超絶スキル。


 なんでも女神様がこちらの神様と仲がいいらしくそれで実現したらしい。

 それが今朝からずっと気になっていたのだ。

 しかし、二日も休むとアイツらが見舞いと称し五月蠅いのは分かっているので、今日は休まなかった。

 魔王討伐のテンプレハードプレイ後、即日常生活に戻るなんて実に日本人気質だ。


 さて、そんなわけでこのご褒美を確認するのは最高の頃合いといった所、アイツら3人はトイレに今さっき行ったし、俺には斎藤以外の男友達はいない。

 その斎藤の姿もない。


 スマホで魔力課金アプリを起動しスマホを覗き込むと剣と盾と星と太陽マークが目に飛び込んでいる。

 下方にスマホ画面をタップしても見たがこれ以外にアイコンはない。

 とりあえず太陽マークを押してみると天候メニューと出る。


 なるほど太陽マークは天候変化か、とりあえず雨雲マークを押した。

 すると明るかった外がいきなり暗くなりザーと雨音が。



 「いきなり大雨が降り出した俺傘持ってきてねーぞ……」


 「ふむそうかじゃ解除っと」


 誰かが言った言葉に雨状態を解除する。

 流石に天候変化の持続時間に制限があるようだが切り替えは一瞬か。

 アプリの説明にあった通りだ。


 「よかった晴れてきた」


 「ふむ、天候操作一回30マナか、俺の最大マナは確か千程だったけえーと残り魔力残高は981か天候操作だけで一日33回可能か、魔力は一日寝ればほぼ全快するしスゲーな。もう少し下をタップ、おっこれは説明っとなるほどスマホなしでハンドレス化か、これはもちろんゲット!」



 どうやら剣のアイコンが肉体関係と攻撃系、盾が防御系と結界系、雲が天候自然現象、星がその他に分類される運やらなにやららしい、ここでハンドレス化をゲットしたわけだ。


 そして細かい説明付きで実に分かりやすい親切設定である。

 その説明によると他人にも効果があるらしい、あらやだ超有能。

 無敵じゃん。

 


 「200マナは痛いが当然でしょでもハンドレス効果が出るの一時間後か残念。あとこれは聞き耳ハート? 500マナ購入後2日間のマナ9割……なんだこりゃ滅茶苦茶高い説明はえーと――」


 ハートマークの中心に耳のアイコン。

 聞き耳ハートとかいうその項目の説明を読もうとするとその時だった。


 「ゲロ何見てるのよ!」


 「げっ提灯お前らトイレにいったんじゃ……」


 「だから戻ってきたんじゃない! 見せなさい糞虫! どんなエロエロサイトを覗いていたの?」


 「そういうのじゃないってやめろ提灯!」


 俺の手のスマホを奪い取ろうとする提灯に、取られまいと腕を上に動かす。


 「ダーリンと萌ちゃんずるい僕も混ぜて!」


 黒木まで参戦してきた。


 「私……も……参戦……です」


 「だーもうやめろって」


 3人の手を伸ばされ、くんずぼくれつもみくちゃになるなか、あっ指が滑って――。

 まさかと思わずスマホの画面を覗きこむ。


 「あっやべ購入しちまった……」


 「どうしたの糞虫! エロ画像でも購入しちゃった!」


 『どうしたの轟君? でも悪いのは轟君だからね! 私たちがいるのに浮気は駄目駄目だよ!』


 あれ声が二重に聞こえる気がするんだが……


 「ダーリンスマホ見せて!」


 『ダーリン駄目だよ! 僕たち以外見ちゃそうじゃないと、君を監禁してみっちりねっとりギチギチハードに拘束調教する必要がでてくるから』


 何それ怖いんだが……これどうなってんだ?


 「スマホ……ゲット……です」


 そのすきをついて天上院が俺の手のスマホを奪う。


 「あっこら」


 「ただ……の……待ち……受け……ですね」


 『なんだよ! つまらねーな! ただの待ち受けかよ! これで轟の興奮するエロエロポイントが分かるとおもったによう! 俺の体の何が不満だ!』


 天上院がスマホを奪い取りそう聞こえてきた。

 魔力課金自体のアプリは安全上、俺以外には見えない。

 それよりもしかして……これってこいつらの心の声が聞こえているのか?


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