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「轟君早く食べないと仕事遅れちゃうよ!」


 「提灯なんだよその恰好は」


 目を開けるとそこにあったのは見慣れた俺の家のリビング。

 俺は座っていて魔の前にはベーコンエッグとコーンスープとトースト、どうやら朝食らしいが提灯が。


 「だって新婚さんと言えば裸エプロンでしょ! 早く食べないと遅れちゃうぞ!」 


 そう言ってクッルっと一回転つけていない、履いてない、本当に裸エプロンのようだ。


 「提灯まておかしいだろ! すんなり受け入れるな!」


 「別に私は気にならないよ! だって大好きな空君に好きって言えるんだもの!」


 「わかったから一端落ち着け」


 「そうねじゃあ! あーん」


 提灯がにこやかな顔でコーンスープをスプーンで掬い俺の口元へ。

 思わず受け入れてしまう所だが、この状況で受け入れたら何が起こるかわからない、意志を強く持って提灯に。


 「止めろって! これはきっとヤバい事に巻き込まれてるから」


 「私が奥さんじゃダメなの?」


 「駄目ってわけじゃない」


 それよりここにいない他の二人心配だ。これに巻き込まれているかもしれん」。


 「そんなことよりラブラブしよ?」


 「落ち着け提灯」


 「むう萌って呼んで! 轟君! さっそく子作りしましょ! 準備は出来てるんだから!」


 「すまん今は無理だ」


 「轟君私の事嫌い?」


 「嫌いじゃない」


 「だったら……」


 「それでもだめだ」


 「そんな……私は轟君が大好きなのに……」


 「むふふふ、次は僕だね」


 泣きそうな顔の提灯が搔き消え黒木が現れる。

 


 「黑木……」


 「駄目だぞダーリン光かハニーって呼んでくれないと!」


 なんでSMプレイの女王様なんだ? ツッコミを入れる前に黒木が口を開いた。


 「さっそくこの首輪を首につけて! 新婚夫婦としての初調教さ!」


 「流石にそんな趣味はない」


 黒木と俺がいる部屋は薄暗い地下室のようで、部屋の真ん中の柱には鎖に繋がれた首輪が置かれていて、エロ漫画でしか見たことのないようなグッズが無造作に詰まれていた。


 「むう、じゃあ僕を代わりに調教して僕は君色に染まりたいんだ! だって僕は君を食べたいぐらい大好きだけど、君が嫌がったり痛がったりするのは嫌だからね!」


 「ねーねー早く、早く、ついでに初夜も済ませてしまおう!」


 「悪いがだめだ今はそんな場合じゃない」


 「そんな僕が嫌いなのダーリン」


 「嫌いじゃない」


 「じゃあどうして……」


 「それは……」


 どうしても言葉が出なかった。

 それを勘違いしたのか黒木は。


 「どうして好きだって言ってくれないの? 僕は君が大好きなのに非道いよ!」


 「最後は俺だぜ」天上院が現れると、先ほどの提灯と同じく黒木の姿が、搔き消えた。


 「最後は天上院か……」


 「果実と呼べなんだ俺じゃ不服か?」


 「別にそういうわけじゃないが」


 「じゃあそういう事で結納金だ! 受け取れ!」


 ドンといった感じに、アタッシュケースを俺の前に、俺が今いるのは和室で俺と天上院の二人だけだ。

 天上院がアタッシュケースを開けると。

 

 「なんだよこの大金」


 アタッシュケースの中身は、綺麗になれべられた万札がぎっちり、億はありそうだ。

 つーか結納金は男が女の人側に送るのものじゃなかったか?


 「言ってなかったか? 俺は極道の家柄の生まれでな所謂組長の娘ってやつだ。兄が組を継ぐから俺は自由にしていいって親父に言われていてな! そんなわけで挙式だ! いい教会押さえといたぜ!」


 「だからそんな服装なのか」


 「イイだろ着物にさらしって、そそるだろ! つーわけで俺と子作りタイムだ!」


 天上院の服装は鮮やかな赤の着物に、胸にはブラジャーの代わりに白いサラシ、いわゆる極道の妻の服装だ。


 「またそれか」


 「なんだ不服か? 俺のエロエロボディ! 男の夢ロリ巨乳だぜ! 柔らかいぜ!」


 「でもだめだ。今はそんなことしてる場合じゃない」


 「何でだよ! お前は男が好きなのか!」


 「違うわ! 生粋のノーマルだ!」


 「俺が嫌いなのか?」


 「嫌いではない」


 「じゃあ好きか?」


 「好きだ」


 「だったら……」


 「だとしてもこの状況では、お前もお前らも受け入れられない」


 「そんな……なんでだよ……俺はこんなにお前が好きなのに……」


 「ふふふふ! 君たち皆振られちゃったね! でも希望はある!」


 イオナの声が響くと、搔き消えた提灯と黒木が現れ3人がそろった。

 すると和室は消え去り元の教室に戻り最後にイオナが現れる。

 3人の指の左手の薬指が指輪が。

 いつの間につけたんだ。


 「イオナ何を言って……」


 「君たち1人の魅力でダメなら3人の魅力を1つに足せばいい。君たちはそのための方法を知っているはずだ!」


 イオナの可愛らしい声は低い男の声に変わった。


 「3人の指の指輪が光って……これは魔王の魔力か? こんな近くで気づかないはずが」


 提灯、黒木、天上院の指の指輪から紫の光が溢れ出す。


 「当たり前だ。今まで魔王様の魂は死んでいたのだ! 死者には魔力はない!」


 「お前は誰だ! イオナじゃないな!」


 「今となれば、こんな女の体必要はない! お目覚めを魔王様!」


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