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0018

そして次の日いつものメンバーで登校すると案の定、昨日の戦いの後はブルシートが張られ、警察が調べていたが登校には問題ないと判断されたようで、その日は休校にならなかった。


 いまだ調べてはいるが問題はないだろう。

 いざとなれば魔力課金だ。

 そんな感じで教室につくとクラスメイト達は昨日の話で盛り上がっていた。


 「空! 見たか昨日の化け物出てきてすぐ消えちまったけど」


 と斎藤が。


 「見てないな」


 バッチし見たよ戦ったんだら。


 「ほんとか真っ先に教室飛び出したくせに、どうせ,見にいったんだろ?」


 「まあな、現場についたらクレーターができてて、化け物いなかったけどな」


 「そういや化け物消える前に、誰か家の生徒が対峙していたらいうけどお前だったりしてな!」


 「ははは、まさか!」


 見事的中だ斎藤。


 「ゲロ……」


 「あれは夢だったんだよね?」


 「そう……で……しょう……が……うーん」


 微妙な顔を浮かべる3人俺が何か声をかけようとすると。


 「皆さん、少し早いですけど、ホームルームを始めます席について」


 と担任の教師が教室に入ってきた、それに続く人影。

 あと10分以上あるのにホームルームを前倒しか、担任言葉に皆席に着く。

 しかし、その生徒が問題で。

 

 「こちらが今日からクラスに加わる仲間です。自己紹介よろしく」



 「今日このガッコゥに転校してきたイオナ・サーナイトです! 皆さんよろしくお願いします!」


 担任の教師が来たと思ったら見なれた顔の女性が一人。

 サラサラの青髪の長髪に、人形のように整いながら愛嬌のある顔。

 大きめのバスト、家の学校の制服に身につけているが、向うの世界で俺たちのパーティのヒーラー、イオナ・サーナイトだ。


 クラスメイトはスゲー美人だとか、あの青髪本物? などと言っているがイオナ笑顔で自己紹介をすると、俺を見つめ近寄ってきた。


 「勇者さま来ちゃいました! これからよろしくお願いします!」


 「イオナどうしてお前がここに……」


 「こっちの流行りの異世界召喚の逆バージョンです。厳密には違いますけど」


 「違うのかよ!」


 「てめぇ! 空! 提灯さん黒木さん天上院さんの他に、こんな美人と知り合いだと! どこまでモテれば気が済むんだおめぇ~~~~~!?」


 斎藤悪いが胸倉をつかんで揺らしても、それどころじゃない修羅場的な意味で。


 「貴方は黙りなさい! 糞虫だれよ! この人は!」


 提灯の言葉に斎藤は余りの剣幕に「はい!」と口を閉じた。

 相変わらず空気の読める男である。

 次に黒木が怒気を込めた言葉を俺に向ける。


 「あれあれ僕のダーリンに、虫がついたのかな? ダーリンこの子は誰だい?」


 「そう……です……説明……を……要求……します」


 「こいつは何と言うか仲間の一人だ」


 「なんですか勇者様、恥ずかしがちゃって、いくつのも夜を共に過ごした中じゃないですか、全くもう!」


 「スベテとライオスも一緒に過ごしただろ! 野宿をいかがわしくいうな!」


 「あれ、あれ、おかしいな? ダーリンの行動はスマホのGPSから、確認済みなんだけどな……盗聴器もきちんと作動したし、


 こんな女と共に過ごした事実はないはずだけどな、どうしてかな、どうしてかな、ダーリン?」


 「お前そんなことまで、これはなあなんて説明すればいいか……」


 相変わらず黒木の愛が別のベクトルで重い。


 「じゃあ挨拶が済んだなら、イオナさんの席はえーと、轟君の膝の上ね」


 「先生なんなです! そんなご褒美! 流石にないっすよ! ただでさえモテている空に! 俺もおこぼれいいから可愛い彼女ほしいんだよ~~~~~~!?」


 「落ち着け斎藤」


 「うるさいハレーム王め! なんでお前はこれだけモテてんのに謙虚なんだよ! モテ自慢でもしてくれれば俺だって嫌いなれるのに! 何で気にいい奴なんだよ!」


 斎藤いい奴だな。

 さすが俺の唯一の男友達だ。

 

 「この殿方には魔法の効きが薄いですか、マインドカスタを後でかけましょう」


 イオナが呪文を唱えて魔法を発動した。

 マインドカスタ精神操作魔法だ。

 こりゃ先生にもかけてやがるな。


 「じゃあ私の席は勇者様のお膝の上という事で……」


 「ゲロ! 何言ってるの貴方! そんな美味しい役……ゲロ!」


 『むうううう。そんなご褒美羨ましすぎだよ! 絶対ダメなんだから!』


 「君ふざけないでくれるかな! ダーリンの体の体温の一℃だって僕のモノなんだよ! 僕たちの共有財産なんだよ!」


 『ダーリン僕たちを裏切るの? 嘘だようね? 嘘だよね? 嘘だよね? 嘘ダよネ? ウソダヨネ? ウソダヨネ? ウソダヨネ……』


 「そう……です……轟君……は……私たち……の……モノ……です! ……そんな……こと……許しま……せん!」


 『何だとてめぇ! 俺の轟の膝の上に座るだと! 俺が夢見てる至高のシュチレーションだぞ! ゆるさねえぞ!』


 「でわ失礼します! うんしょと!」


 睨みつける3人を無視してイオナは迷わず俺の膝に座る。

 女の子特有の柔らかい感触に、普通の男ならやらかしてしまうのだろうが。

 こんなすごい目でみられたらそれどころの問題ではない。


 俺が窓際で前方が黒木、隣が提灯、後ろが天上院の席。

 完全にこの嫉妬トライアングルから逃げ出す手段がない。

 背中がべたつくほど冷や汗だらだらな俺に対しイオナは。


 「むふふふふ、これが勇者様の膝ですか暖かいです! 女の子みたいに軟かくはないけど。いい感触です!」


 「さっさと降りなさい!」


 「そうだよ! そこは僕のテリトリーさ!」


 「そう……です……降りて……くだ……さい」


 「駄目です♪ 夫婦の特権です。少し早いですがもう我慢できません! 這いあーん! 勇者様の大好きな漫画肉ですよ!」


 と満面の笑みで鞄から弁当箱を取り出してあけると。

 誰しものが漫画を見て一度は憧れるグルメ漫画肉を取り出す。

 向うに言って食べた時は、感動するほどうまい肉だが、きっと今食べても味がしない。

 それぐらいの修羅場だ。


 「あれ食べないんです? じゃあ口移しで……」


 イオナは不思議そうな顔で漫画肉をちぎり咥えて、俺の口に近づける。


 「やめろイオナ、お前の好意は嬉しいが受けいれる気はない」




 「どういうことよ! 糞虫! この女狐どんな関係なのよ!」


 「そう……です!」


 「全く分からない人たちですね! こういう仲ですよ!」


 イオナは強引に俺の唇に自分の唇を重ねた。

 唇の柔らかい感触に驚いて、動けなかったが、すぐに我に返りイオナを引きはがす。


 「イオナいきなり何するんだよ!」


 「ふふふふ、ついに勇者様の唇を奪いました! これで妊娠は確実ですね!


 「妊娠!? 糞虫! いったいつこの女と、そんないかがわしい事を!」


 「濡れ衣だ! イオナお前の好意を受けいれられないって、きっぱり断ったじゃないか!」


 「そんなこと言われても、私が勇者様を好きって気持ちは、収まりません! 言ったじゃないですか! 私の夢は魔王を倒した勇者のお嫁さんて! それをここで叶えるんです! 確か子供はキスすればできると聞きました! これではれて勇者様のお嫁さん決定です!」


 「ダーリン説明を要求しようか! ねぇねっとりと!」


 「糞虫その通りよ! 説明しなさい!」


 「そう……です……事……と……次第……に……よっては……お仕置き……です!」


 「だもう! イオナお前は間違っている! キスしただけじゃ子供は出来ん! 俺は清廉潔白! 未だ童貞だ!」


 「ダーリンそれだけで僕たちが、納得するとでも思っているのかな? この子は誰で、どこで出会ったんだい?」


 「それは……」


 「私が答えます! 勇者様は私の世界フィリアスに、勇者として召喚されて私達の世界を、魔王の魔の手から救ってくれたんです! 何度も命を助けられて私は、もうメロメロぞっこんラブなんです!」


 

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