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0015

轟空が提灯萌、黒木光。天上院果実と別れた少し後。



 「そこのお嬢さん何か買っていかないかい?」


 布の上に様々な品をならベた。

 露天商風の男が提灯に声をかける。

 先ほどまで、二人とともに帰宅していたはずだが、頭がぼんやりしてしていて深くは考えられずそのボロボロのローブのフードで顔を隠した男を見た

 その表情が見えるのは口元だけで、頭には奇妙な膨らみがある。

 まるで、三又のとんがり帽子でも被っているかのように見える。



 「ゲロ! 怪しさ満点ね!」


 「それは手厳しいでもどうだい効果は保証するよ? 特に鈍感な男の子には効果絶大だよ」


 「ゲロ! 本当見せなさい」


 「この三つの指輪がそうさ」


 「ゲロ」


 露天商は三つの指輪を提灯の手に乗せる。

 すると提灯の視界は指輪たちを中心回り出す。

 次に奇妙な露天商は口元をゆるめ、提灯に言い聞かせるように言葉を続ける。


 「いいかい、これをお友達二人にもあげるんだいいね? この事は忘れなさいこれは君が買ったモノ。もう一度言うよこの指輪は二人に上げるのさ、いいね? そして時が来たら指にはめなさい、それまで肌身離さず持っているんだ。その時まで指につけては駄目だよ」


 「分かったわ」


 提灯は意識に光のない目で答える。


 「ふふふ、期待しているよ君たち」



 「あれ私この指輪は」


 提灯が気づくといつもの帰り道、隣には友達の黒木光と天上院果実の姿が見える。

 頭には何故か霧が立ち込めるようにぼんやりしている。

 右手に握った手に異物感がある手を開くと見れないものが。

 提灯は掌の三つの指輪を見つめたが、どうやって手にれたか思い出せない。


 「萌ちゃんどうしたんだその指輪」



 「萌ちゃん……どうか……しました?」


 「ゲロ! これの事よ」


 「萌ちゃん……どう……したの……ですか……その……綺麗な……指輪」


 「ゲロ! いつの間にか買ってたみたいで、よかったら二人に上げるわ!」


 何故かわからないが提灯はそうすべきと思えた。


 「ほんと! ありがとう萌ちゃん!」


 「ありが……とう……ござい……ます……萌ちゃん」


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