0014
あれから何とか説明して先生に納得してもらった。
今日はいろいろあってどっと疲れた。
いくら強化されていても、使ったエネルギーは戻ってこないので。
昼食の弁当一つでは足りず、すきっ腹を抱えて帰宅した。
流石に購買でパンを個人で大量買いをすると顰蹙ものだからな。
今日は流石にアイツらの相手は無理なので家に無理やり帰した。
冷蔵庫には少し前にまとめ買いをした肉があったはず。
さて何を作るか、やっぱり疲れた時は肉だな肉。
そんなことを考えていると。
【勇者聞こえるか勇者よ?】
「この声、女神様ですか?」
【そうじゃお主に伝えるべきことがあるのじゃ】
「これは魔力課金の力なんですか?」
【安心するがよい。これはこちから連絡している、魔力を消費するのは私じゃ】
「ならいいんですが」
【よく聞け勇者よ! お前にはこの世界での使命がある】
使命? なんだそれ初耳だが。
【その使命とは、この世界で復活する魔王を倒す事だ】
「復活は決定事項何ですか?」
【魔王は元をただせば神の一柱、一度倒したところで完全に倒すことは出来ない】
「つまりそのための魔力課金なんですか?」
【そうじゃ、神の命は無限だが一定の条件でのみ倒すことができる。その最たる力が異世界の住人の力じゃ】
なるほどだから勇者は異世界人でないといけなかったわけだ。
【そして今魔王の魂はお主の世界、魔王にとってみれば異世界にきておる。異世界の住人の力で傷つけれた魂を癒す方法は、力と同じ異世界にしか存在せん。だがそれはチャンスじゃ再び異世界の力――お主の力で滅ぼせば魔王は完全に死すだろう】
「そのために泳がせていると?」
【そうなるのう。魔王は唯一神を喰らうことができる神、神界に舞い戻れば、全ての神を喰らい世界を手にれ、いずれお主の世界にも侵攻してくるだろう。時を待てば全ての異世界は魔王の手に落ちるじゃろうな】
「異世界含めた全世界なんて、ハードルが上がりすぎているんですが……」
【そういうな、魔王が復活するために必要な1年の時は、お主の世界での1日今に至るまでの数日じゃ。まだ、感覚が衰えてわおらぬだろう】
「最初から、計画されていたんですか?」
【そうとも言えるがそうでないとも言える。本来の計画では召喚した複数の勇者で、こちらの世界フィリアスで魔王を倒す計画だったのじゃが、
お前と仲間達だけで倒してしまったのじゃ。それを踏まえ全ての近隣の神界と会談の結果この計画は作られたのじゃ】
「じゃあ何で今まで教えてくれなかったんですか?」
【本来なら元の世界に戻り次第、伝えるはずだったのじゃが、こちらの一年をそちらの1日になるように、時空を操作し送り届けた事で、時空が予想外に乱れてのう。したくとも出来なかったのじゃ】
「スベテからイオナが勇者の剣と鎧と兜を持ち出したって聞いたんですが……」
【それは本当じゃ、だが自発的にやったことのようじゃ。本来なら少し先の事であったのだが、私の言伝を聞いてから、周りの人間に説明もせず先走ったのじゃ。あやつはお主にベタ惚れだからのう】
アイツ勇者と結婚するのが夢だとか言ってたからな。
【だが一つ問題がある、イオナの所在がつかめない事じゃ。お主の住む近辺にいる事は分かるのだがしらぬか? 勇者よ】
「ちょっと分かんないですね」
【勇者よ。できるだけ早くイオナを探し出すのじゃ、イオナがもつ勇者の装備失くして魔王は滅ぼせん。あ奴は魔法で己の痕跡を消しているようじゃ】
イオナの奴何考えてんだ。
あとで説教でもしてやろう。
つまりまとめると。
「つまり俺まだ勇者を卒業できないと……」
【そういう事じゃ、全ての世界の命運はお主にかかっておる】