0013
あれから俺はスベテがとめた時間の中で提灯と黒木、天上院を保健室へ運び。
スベテに礼をいって時を戻してもらい通信を切った。
スベテの言葉に熱が入っていて、少しの心は痛むんだがそれ以外に問題はない。
保健室は保険の先生の姿はなく。
夢だったと3人を納得させるのはいい環境だ。
暫くすると黒木が目を覚ました。
「あれダーリン?」
「よう起きたか黒木」
「ゲロ……」
「ここ……は……」
提灯も天上院も目を覚ましたようだ。
「お前ら、俺を追いかけてくる途中で3人ともすっころんで気絶してたぞ。少しは気をつけろよ」
我ながら白々しい。
「そっか確かにね! ダーリンはカッコいいけど超人じゃないもんね!」
「ゲロ! 夢か……」
「それ……に……しては……リアル……でした……が……明晰夢……って……やつ……で……しょう……か」
「そいうわけだからダーリン! 目覚めのキスをお願いするよ!」
「起きてるじゃねーかよ!」
「わかったよ、ぐうぐう」
「果てしなくわざとらしいわ!」
急にベットに横たわりぐうぐうとわざとらしく黑木は寝息を立てた。
それに続く2人。
「私……も……です……スヤァ……スヤア」
「私もゲロ! ゲロ! ゲロ! ゲロゲロゲロ! ゲロ!」
「提灯お前は鬼次郎のOP曲か! 天上院もわざとらしすぎるわ! 先生呼んでくるからおとなしく待ってろ!」
そう背中を向けようとすると。
「だめ逃がさないよ! ダーリン! キッス! キス!」
『キース! キッス! キス! だよ!』
「そう……です……キス……です」
『俺とキッスだおらぁ!』
「糞虫! 逃亡は許さないわよ!」
『そうだよ! キス! キス!』
3人ががばっと起き上がり俺の腰に抱き付いてきた。
「やめろ放せって! これ見られたら先生に見られたら勘違い――」
ガラガラと扉が開かれて――結果誤解を解くのにそれなりに時間がかかった。