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「今だけは対等なお言葉お許しください。同胞よ、確かに受け取りました。私が魔王様を復活させます。貴方の魂に安らぎがあらんことを」
3角の魔族は片手を固く握る。
こちらの世界にこれた魔族は僅か2人。
持ち込めた魔獣はたった一匹。
他の仲間はライオスを釘付けにするために命を使った。
しかし、まだ計画が破綻したわけではない。
必要な存在は3つの器と感情の揺らぎ。
同胞に託された資格のある器の存在。
ならば行動する時だ。
魔王復活のために。
長い時をかけて幼い日よりたっぷりと刷り込まれた魔王のへの忠誠心それを示す固く握った手に真紅の滴りが伝い落ちる。
居としている人気のない廃ビルには僅かづつではあるが、人が出入りしはじめていた。
理由は魔獣の事であろう。
いくら隠蔽しても隠しきれるものではない。
問題の魔獣を失いすでにここ潜伏には無理が出始めている。
魔族は部屋の隅にいる存在にゆっくり近づいた。
すでに意識は奪ってある後は――。
「さあ始めよう魔王様の復活の最終シナリオを――」