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俳句集:手毬座生誕 Ⅱ
(手毬座生誕 承前)
谷風に蛇の尾が退く真昼かな
ながむしや主のごとく門を入る
とつくにの旅人とあり梅雨の寺
あたらしき冷蔵庫くる晴間かな
ことのはの棘むずがゆし新茶喫む
責められて責めてみに行く梅雨の湖
頼りなき傘にかくれて六月尽
街道を疾く飛びゆきぬ夏燕
雨蛙ひと来ぬ坂の主なり
雨蛙機をまつ皃で庭の隅
油蟲おもはぬ場所にすでにあり
今朝までの夢おもひつつ行く梅雨の原
夏蝶やたれか我よぶ青き空
梅雨雲をくぐりとつくにびときたる
梅雨海の音とどくへや父眠る
蝸牛とびかたおもふこともなし
かたつむり海近き街で歌をきく
かたつむり名知らぬ神と同居せり
つづく




