MARTO 2017, Ⅰ
季節の句と無季雑句
◇Marto 2017
Diversajxoj
老いをなく母よ
もうすぐ
桃が咲く
花盛り
よろこぶがごと
老いを生く
彌生月
あふまがときも
やはらげり
なきひとの
写真えらべば
山桜
この坂の
うへに野佛
したに春
うちあける
言葉でてこぬ
桜餅
をちかたの
ひとへ 字をうつ
音の春
春の路
なはとぶ児らの
かるさかな
啓蟄や
東夷のすゑの
ゑがほかな
黄水仙
ひさぐ嫗や
ひとりきり
すみだがは
春がくるたび
悔いを投ぐ
花びらを
つまむつめたさ
春の夜
とりかへせぬ
くさぐさあれど
芽のいづる
ふるさとの
春よみがへる
ゆびのさき
はるひかげ
猫のまぶたの
重きこと
波ひとつ
ひるがへり詰む
春の恋
白木蓮
ほころぶ夜の
寝汗かな
春雨や
わすれさられし
墓もあり
春風の
さわぐ午後なり
茶を焙ず
あらひもの
する気にならぬ
春の雷
朋ならぬ
ひとのたよりと
珍味かな
たまごやきつくる
はるひの
平和かな
( つづく )
Mi rifuzas kopiadon kaj utiligon sen mia permeso.