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FEBRUARO 2017, Ⅳ
幻想の俳句
Fantaziado
手品師の
たねがにげさる
二月かな
からくりを
覗けば 遠し
春のゆめ
のがれたき
路地 果てもなし
朧月
紅梅を
みあげて泣きぬ
崑崙奴
探偵の
まどひ廻れる
春夜かな
啓蟄もちかくて
時効まで
四日
死の場所を
さがす魂あり
片栗咲く
裏鬼門の
窓より来たる
受胎かな
殺し屋と
春の運河を
のぼりゆく
星ひとつ
消えし夜なり
くしけづる
まぼろしの
沈みゆく夜の
霞かな
鳥占術
ならひにゆかん
梅見月
反魂香
手に入れれば
窓のそばに月
夜想曲
ひいてめぐりし
憂世かな
春の眠り
白蛇に
呑まれゆくがごと
( つづく )
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