FEBRUARO 2017, Ⅲ
雑句拾遺
Diversajxoj
花ひらくまでは
異国の歌に
酔ふ
母やどる
佛壇世界に
春浅し
旅立ちて
たよりこぬひと
春の雲
たよりかく
手も つめたくて
春早し
すくへざるひとも
ゑみたり
春催ひ
おとろへしひとの
歴史や
春大樹
春一番
わらひじやうごが
口結ぶ
春の風あびて
はじめの父を
訪ふ
et cetra
ほどけば 恋も
死もありて
薄氷や
ひとをにくみし
こともあり
みあかしの光
やはらぎ
冬終はる
友チョコをかじる
春夜の
苦味かな
早春の海を
またいで
あひにゆく
ひとを待つ
ときのうすさや
春早し
たわみぐせ
悔いる
アンドロメダ忌かな
春雨や
故郷わすれて
生きぬけり
いさかひの
声とほざかり
春朧
三十番神
どなたが護る
けふの春
しやぼん玉
ちひさな秘密
もつやうに
人形の家も
ぬくみて
春の夜
ぶらんこの
ゆれてしづまり
春すすむ
( つづく )
・催ひ=きざし、準備。
・アンドロメダ忌=作家 埴谷雄高の命日、2月19日。
・三十番神=毎日交代して国を守護する、三十の神々。
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