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ほろほろ鳥も夢をみる  作者: Miki Kukiri
27/68

NOVEMBRO 2017



    秋の気に似合ふ髪形さまざまに 








 須彌山の

 (ふもと)ただよふ

 秋の(とき) 





 * * * 





 無縁墓の

 安堵せる雨

 吾亦紅 





 悲しみの泡

 ひとつまた

 虚空へと 





 かたわれと話す

 秋の通り雨 





 サフランや

 病すすめど

 (さち)もあり 





 野良狗のごとき憎悪と

 夢うつつ 





 * * * 





 曖昧な笑顔つくりぬ

 霧のなか 





 知らぬまに

 咲いて枯れたる

 いのちかな 





 荻風や

 おほきな(とき)

 過ぎゆけり 





 (たは)れ歌

 きこゆる夜や

 金木犀 





 遠回りして出会ひたる

 日なたかな 





 * * * 





 瑞歯(みづは)ぐみ

 ただ観音(くわんおん)と話す

 坂のうへ 





 遡上する恋心

 しづかに月のした 





 紅葉燃ゆると

 (めしひ)たれど知らる 





 かたわれ星降る

 たひらかな野に眠る 





 冷たい真夜中に

 橋がのびてゐる 





 * * * 





 紅葉(もみぢ)の燃ゆる池も

 思ひ出 





 川音つづく旅の夜

 ひとり 





 柿熟す

 喪家の庭に

 豊かにて 





 霧のなか

 また柳の葉ひとつ落ち 





 思ひ出を

 もう捨ててよい秋となり 





 * * * 





 秋運河

 たれも知らざる

 星映す 





 束縛を

 間間(まま)されてみたし

 秋の風 





 心臓の孤独さのごと

 菊一輪 





 柿実る

 午後のぬくさや

 便りよむ 





 ささやかな

 日溜まりで足る

 秋の薔薇 





 * * * 





 やはらぎし

 顔を見おくり

 秋時雨

 




 去勢せし

 傷を舐めたる

 十月尽 





 生きてゐることにおびえし

 木の実かな 





 泣くひとの

 遠くにあらむ

 月夜かな 





 迷宮の跡なる町や

 秋時雨 





 * * * 





 ひとかけら

 欠けたままなる

 秋夜かな 





 吃音を気にしつつ止まぬ

 海の秋 





 ほどけゆく

 さだめとからだ

 秋の(しほ) 





 川音のむかうで

 星が安らぐ 





 噴く水も

 冷たし

 異国の秋の街 





 * * * 





 人工の星すべる空に

 冬立ちぬ 







       ( つづく ) 












Mi rifuzas kopiadon kaj utiligon

sen mia permeso.





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