OKTOBRO 2017
草葉の露吸ふ蟲となりたし
味のせぬ
恋を遊びし
月夜かな
* * *
肉體てふ
棺揺らせよ
荻の風
くちびるを
花によせゆき
闇香る
星が吠ゆ
ひろすぎる夜の
孤独かな
たれもをらぬ間に
狗尾草が星をよぶ
ふるへをる
魂のある
月夜かな
* * *
我いまだ
在りとしらせよ
荻の風
柿熟す夕べ
母のむかしの便り見ぬ
月照らす
森山のなかの
佛かな
花の名を問ふて
吾が父眠りゆき
雨過ぎて
星いづる濱の
独歩かな
* * *
あの園に
居たときもあり
溝に蛇
呼び声の
何処からくる
秋夜かな
すべて脱ぐ
粗皮も脱ぐ
華のなか
思ひ出の
遠ざかりゆく
熟柿かな
夢ひとつ
またも弾けて
星まばら
* * *
秋空や
衢八衢
白昼夢
おだやかな秋の日
狗の舌ながし
にくいひとの萎んだ手
秋の影法師
向かうの園へ行けぬ
私にも風
隧道へ入れば
出口は生のあと
* * *
ささやけき
思ひ沈けよ
秋の湖
ひと雫
流星垂るる
夢の果て
思ひ出せぬ
夢のやうなる
魚影かな
曙のなかに
空木なほも立ち
何者の群れの踊りし
海辺かな
* * *
名を知らぬ
蟲の骸や
秋の風
うごかざる
蛇くろぐろと
秋月夜
渦を巻き
一点に消えし
眠りかな
満ち足りぬ
日日また耐へん
秋の月
空無なる
秋水の面に
星落つる
* * *
琥珀色の夢に包まれゆく
いのちかな
( つづく )
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