表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
42/79

core10:オレンジ色は伝えたい色

 ベルリンの隔離壁での黒い翼騒動は暫く収まらなかった。なぜならドイツのエース姉妹とブレアエンフィールドの妹である紅音の3人同時攻撃でやっと撃破したからだ。参考シーンは瞬く間に恐怖と同時に広がっていった。


 僕はポツダムの古いホテルに泊まることになった・・・・・・。なんとそれも紅音と二人きり。マイクさんとアイヴィーは装甲車の中で寝泊りだしそれに黒い翼を撃破してから2時間も経っていない。ワンルームでベットは2つ。とりあえず買ってきたインスタントソーセージと水を冷蔵庫に入れる。今日は疲れたから晩御飯はコレでいいな。もう夕方で薄暗いし紅音は何時来るんだろうか。


 お腹空いたなぁと思っていると端末からリナさんからの通話メッセージが入った。


「お、ユッキー!?すっごいの撃破したんだって!?いきなり実戦投入とは流石ね!それに紅音ちゃんとお泊りなんてやっるぅう!」


「ちょっと何を言っているんですか。それにユッキーって」


「まーまー。新ローマンが明日には到着するから宜しくね!なんせエイブラムス大統領のご依頼だから」


「また戦闘ですか!?ちゃんと説明ください!」


「うーん」


「うぅうーん!?」


「うーん」


・・・・・・。


「ユッキーのせいなのよ?黒い翼の出現ポイントが監視映像の結果だとベルリンの隔離壁内。それになんと第七地区、超危険!ドイツの第一世代部隊が調査に向かうから壁の上からの援護って事よ。アギルギアは大気汚染は防げるけど電子汚染に弱いから壁の内側は電子汚染が酷くて地上での戦闘は出来ないの」


「僕のせいなんですか」


「だってアレ倒しちゃったし。それに紅音ちゃんがお姉様と同じ機体を使うって意味凄い事なのよランスポーツ覚えてない?」


「うーん」


「うぅううーん!?」


「すみません、分かりません」


「もう、竜騎士の翼マーガレットって言えば思い出すでしょう。あの子も同じ機体なんだけどブレアエンフィールドの妹候補だったの。だけど紅音が妹となりイギリス皇族に仕える。だから所属がニューアメリカ艦隊からイギリス王室に変わったっのよ。そして正式にブレアエンフィールドの妹になったのよ」


「そ、そうなんですか」


「アギルギア、いえ、ロストチルドレンにとって最強&憧れがブレアエンフィールド、その正式な妹になるって事は紅音もまた皆の憧れでもあるのよ」


「そ、そうなんですか・・・・・・」


なんか凄い事になっているな少し紅音が離れていく気がして・・・・・・。


「あとロストチルドレンにランク制度が出来たから後で端末で確認しなさい、じゃあ良い夜を!」


「あ、おやすみなさい?」


 日本っていま夜なんだっけ。そう思いつつ端末を通話から(エックス)-ウィンドウ社のページに切り替える。もうyukihitoでログイン出来るからだ。


-黒い翼、特殊人型コアについて-


アギルギアに容姿が似ているが、武装、戦術は以前と変わらず。アギルギアを倒すには、十分なコア兵器を持っていない為、進化とは認めない。今まで進化とは人間の兵器に対しての進化といえる。人型→クモ型→飛行型→巨人型(タイタン)→超大型となり黒い翼を人型特殊コアと飛行型の中間に位置づける事にした。


-ロストチルドレンのランク制度について-


黒い翼(人型特殊コア)の出現により、ランクA~B、3機でのフォーメーションを組む事にした。よってランク制度を設ける事にした。(戦闘データ及びランスポーツの結果を参考)


 なんだか騒々しいな。調べると全員のデータが載っていて今は250機も居るのか。知っている人を検索すると・・・・・・。


A++ ブレアエンフィールド:3.5世代(皇族機)

A+  ファウスト:4世代後期

A+  シュツカート:4世代後期

A+  雷花:4世代改良型(地上格闘機)

A   ライラ:4世代後期

A   ディオーネ:4世代後期

A   マーガレット:3.5世代(皇族機)

A   輪花::4世代改良型(海上格闘機)

B+  ローマン:4世代初期量産型※現在機体改良あり

B   紅音:3世代試作機※現在機体変更あり

C++ メセル:4世代後期


 あら紅音のランクが思ったより低いな。ローマンは機体が改良!?それにしてもランクとか嫌だな。誰かに評価される為に戦っているじゃないし。そういえばジュリア、ユリアを検索しても出てこない。旧フランスのログを始めて辿ったけどやっぱり出てこない。一体何処に居るんだろうか。超大型の下で別れた後から情報貰ってないし。後でリナさんに聞いてみよう。


すると端末にメッセージが。


『迎えに来い』


 そう紅音だった。何処にかと思うと端末にルートが表示されている。仕方なくいつもの半そでパーカーに着替えてホテルを出ることにした。ポツダムの周りは湖と川になっており木道を散歩する。薄暗い夕方、街頭があまり無く川の反対側、大通りの車の明かりがまぶしく感じた。


ルート通りの古いバス停まで着き紅音の到着を待つ。


 すると背中に柔らかい小さな一突き。振り返ると赤と金色でオレンジのグラデーションに光る髪の少女が立っていた。何かの制服のようでキッチリしており長袖のジャケットにスカートだった。身長は僕よりも低く目を合わせると、うっすらと赤く光っている。ああアンドロイドか。


 少女は呆れた顔で仁王立ちになる。もう一度目を合わせたけど今度は向こうから目を逸らす。そして再び目が合った。沈黙する。


すると少女は川の方へ歩いて行く。そう、右足から。


僕は後を追いかけ手を握る。そして後ろからそっと抱きしめた。そっか待っててくれたんだ。


「・・・・・・」


「今さら奴隷にして下さいって言ったって遠くにいっちゃうんだから」


 紅音はブレアエンフィールドの妹になったんだ。この小さな騎士は柔らかく温かくまるでか弱いお姫様のようだ。くっ付きすぎたせいか鼓動まで聞こえる気がする。張り裂けそうになるまでに強い鼓動。


これは・・・・・・。僕のだった。


「ランク制度のせいでアンタが弱いとパイロット変更だってある。うまくアタシをエスコートしてみろってーの」


 紅音は色々言われているのだろう。僕以外に紅音と一つになれるパイロットなんているわけがない。僕じゃなきゃ駄目なんだ。今の気持ちと一緒に紅音の正面に立つ。


「約束は守る。紅音と世界中の空を一緒に見たいんだ」


「またそんな事言っている。本当に雪人はバカなんだから。ふん!」


 紅音はまだ納得してない顔だけど一緒に湖をデートする。髪の大きな赤いリボンは装飾が入っていて銀色のラインがありとても綺麗だった。お姉様から貰ったのだろうか。癖のように触っていた。


 それはとても可愛くオレンジ色に反射する髪はFLDのオレンジとは違う本物の色だった。


 橋を渡り木道を歩く。それは綺麗な音を立て二人だけの足跡を残した。紅音は湖の縁に立ち下を向き何かを覗いていた。魚でも居るのだろうか暗くて僕には見えないや。


 一緒に覗き込むと綺麗に反射する月明かり。幾度と無く光に導かれていっただろうか。紅音の手を強く握り締めてホテルへと戻った。


 狭く古いワンルームに、ベットが2つ。紅音はベットに座る。

足と腕を組む。僕は反対のベットに座った。すると紅音が僕の足を蹴ってきた。


「で、私に何をしようってーの?」


「な、何もしないよ!」


「ふん。後ろ向いてて」


紅音は徐に上着を脱ぎ始め、髪を止めていたリボンを解き始めた。


目が合う。


「・・・・・・」


 心臓が張り裂けそうだ。直ぐに後ろを向く。っあ!忘れてた!端末から興奮状態のアラートがなる。こんな時に!なんて邪魔な端末なんだ。遊び心で平常心に戻るように猫の鳴き声を入れていたから最悪だった。


『落ち着いてくださいニャー!落ち着いてくださいニャー!』


 思いっきり背中を蹴られ凄く痛い。けど尖ってはいなかった。慌てて端末の電源をOFFにした。


「何、想像してんのよ。こっち向きなさいよ」


すると紅音は上半身は下着で頭を下げていた。僕の両手を取る。


「ここを押して」


こめかみの辺りを強く押すと頭が二つに割れて中には・・・・・・。


これが紅音自身。ロストチルドレンと呼ばれる機械の脳があった。


「下手に触ると感電して私も消えちゃうんだから。注意してコレにつないで」


 紅音は生体デバイスを渡してきた。もともと医療用の物だけど軍事利用とかされているとかあまり詳しいことは知らない。小さなシールで電気信号でお互いの脳で直接会話等が出来る物だ。端末の説明を見ながら僕のおでこに貼る。紅音の脳の正面から短いケーブルと一緒に対向の生体デバイスが出てきた。


「ちょっとまって、届かなくって」


「何よ、嫌ってーの?もう、とろいんだから」


 紅音は両手で僕を強く抱きしめてお互いを小さな生体デバイスという暑さ1ミリも無いシールで繋いだ。何十分立っただろうか。それとも何時間だろうか、暫く繋がったまま、遠い意識の中で重なり合った。



 もう朝でそれにいい香りがする。これはお肉が焼ける匂い、ジューシーでお腹いっぱいにさせてくれる食べ物のはずだ。期待して起き上がるとそれはすさまじい光景だった。


「アンタ何様のつもりよ行き成り入ってきたと思ったら。フライパン持ちながらとか!リナの仕業!?」


「雪人さんはアメリカンジャンクフードでは無くロシア料理が好きなんです。これはシャシリクです」


 ローマンがコンロ不要の電熱フライパンを立ったまま持ってお肉を焼いていた。この狭いワンルームの中で・・・・・・。暫く紅音とにらみ合いが続く。


「あ、わぁ凄いな、ローマン。久しぶりだね」


「さあ、雪人さん朝食ですよ」


 ワザとらしいけど場を和ませようとしたけど逆効果だった。当然紅音のイライラはMAX。突然、僕の端末を奪い取って電源をONした。そうだ切っていたんだ。どうやら大量のメッセージがリナさんからあり、最後には『ローマンが朝食持っていくから!早く済ませちゃなさい!きゃあ!修羅場よ!』って余計な事しか書いてなかった。


 紅音様はニコっと笑顔になった後、強烈な朝のご挨拶で目が完全に覚めた。顎が多少ずれたせいで串にささったお肉が食べづらいけど美味しくて印象に残った。


 ホテルの外には装甲車、整備車両と迎えのリムジンが待っていた。そう紅音の迎えだった。


「アタシはニューアメリカ艦隊でナイト叙任の儀式があるから一旦ドイツを離れるから

。だから暇なんだから練習しとけっつーの」


そう言い残してリムジンに行ってしまう。


「まって紅音。まだ言ってなかった。そのリボンと制服とても似合っているよ。可愛いよ」


「バカ!今それを言うかってーの!」


行ってしまった。他にも言葉で伝えたい事があったけど。でもそれは次でも大丈夫だと思った。車の中でもオレンジ色の髪は輝いていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ