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core18:フランス合同投下訓練Ⅰ

>読みやすいようにしました。

 昼間まで寝てしまい端末のスケジュールアラームがなった。訓練10分前と表示されておりスケジュール登録者はリナさんの名前だった。


 いつもの半そでパーカーに着替える。テーブルの上には「冷蔵庫に栄養ドリンク飲むべし」と書いてある。そういえばいつの間にか冷蔵庫があったんだな、当たり前のように家具や家電が増えていく。


 栄養ドリンクは意外と美味しくローマンと食べたクレープ、そうベリーミックスのような味だった。今日の訓練は何だろうか。装甲車はいつもと変わらず触れたらやけどしそうなぐらい熱くなってた。エンジン音とは別に聞こえてくる息苦しい排熱の音。これはコクピットの電源が入っている時の動作音だ。中にはリナさんとアイヴィー、運転席にはマイクさんが待っていた。今日は移動しながら訓練だろうか。


「おはよう。とは言ってもお昼だけどね。今日は特別実戦訓練だからよろしく!」


 珍しくリナさんはスーツ姿だった。確か僕のマンションを訪ねてきた時と同じ服装だ。クーラーの冷たい空気が出て行ってしまわないようにすぐに装甲車の扉を閉める。


 リナさんは扇子でパタパタ扇ぎながら新しいデザインというかいつもと雰囲気が違うパイロットスーツを渡してきた。特別実験訓練用なんだろうか。


「今回はローマンよ。フランスでの他社機との連携になるわ。まあ詳しい事はアレね」


 目線は僕の後ろ。そうコクピットだ。もう説明不要だと思う。しかしこのパイロットスーツはどう違うのか、どうしても知りたくなった。とりあえず裏で着替えスーツを見るも少しデザインが違うだけであまり違いが分からなかった。


「このスーツは?何か違うのですか?」


 リナさんは「うーん」と目を上にそらしてはぐらかそうとするが、僕はじっと見つめた。唇に指を当てながら目をこちらに向けてしょうがないから教えてあげるという顔になった。


「あはは、あんまり説明してなかったけど装備によって違うのよ。背骨辺りの接続部は変わらずだけど両腕に模様があるでしょ。左肩にはほらショルダーキャンのアイコンがあるわね」


 結局他にも詳しい話を聞いたが分からなかった。どうやらロストチルドレン、アギルギア、そしてパイロットを完全にリンクする為に、機体=パイロットスーツにする必要があるようだ。


 パイロットスーツ側に機体に存在しない武器があると残弾や制御プログラムがエラーとなり処理遅延やロストチルドレン側での不快感となる。相性も落ちるという事だそうだが。となると両手に武器があるのか。


「期待させちゃったら悪いけど右腕のはバレルバースト、左手のアンカーは標準装備だったのよ。今までは外してたんだけどね。そんなことよりほらほら。開始よ開始」


 強引にシフターシートに座らされてコクピットの自動ドアが閉じていく。そして真っ暗になる。目を閉じ全身の力を抜き、指先つま先から力を抜いていく。身体が完全にシートと一体化していく。雑音や気温というのが無くなり、心の目を開いていくのが分かる。


 小さな光がだんだんと緑の光となり頭の中まで照らし出す、そしてFLDの表示が出てくる。いつもの事だ。自分という肉体を意識すると血液と神経があった事を思い出し、そして遠くへと忘れていく。


「-FLDの目的、作戦ルート、時間を目視してください。現在の相性は41%です-」


 目的は合同投下訓練及び飛行型5mの撃破、制限時間は20分、輸送ポッドからのダイブ、帰還ポイントまでの移動。装備はスマートパルスライフル4発、アンチマテリアルナイフ、ショルダーキャノン、バレルバースト、アンカーと表示されている。これがローマンのフル装備だろう、これは間違いなく実戦だ。緊張してきた。


「-視界が共有されます。現在の相性は60%です-」


 中は非常に暗く目の前には他国製の機体が居た。輸送ポットはとても狭くガタンガタンと揺れている。前に3人並んでいたて、確めると僕達を含めて6人か。すると目の前の人と目があった。その機はとてもローマンに似ている。可愛らしいが自信の無い表情が明るい青い機体を薄暗く染めていく。


「はじめまして。私はメセルです。同じロシア製第四世代ですよ。シリアルナンバーは・・・・・・」


 返事をしようとしたが輸送ポッドから大きなアラート音がなった。全員に緊張が走る。さっきまでの淡い照明が消えて赤い警告ランプの点滅にあわせてアラートが響き渡る。輸送ポッドからアナウンスが繰り返される。


『慣性移動に移ります、投下まであと60秒』


 FLDにも同じ表示が出る。ルートの表示は矢印のようなマークで下を示しており、ラインではなかった。下には合流ポイントがあるがシミュレーターでは経験した事が無いので緊張する。


 ローマンからの冷静なろうと鼓動が徐々に伝わってきた。話している暇はない。背面のエンジンに少しずつ力を入れていく。他国の機体もローマンに続くようにエンジンを動かし始めた。やがて輸送ポットの中は揺れる音よりもアラートよりもエンジン音が大きくなって来た。


 照明が消えて背中の壁が開いていく。一気に風が入り込み目の前のランプが赤から緑に変わった。ビーーーと、アラームとアナウンスが鳴り続ける。


『速やかに降下してください』


 一斉にみんな後ろへジャンプした。夜空を滑空し辺りを見渡し状況を確認する。一面煙と爆発やレーザーによって破壊された廃墟と化した町だった。遠くにはタイタンと戦っている仲間がいる、赤い大量のレーザーが放たれていた。


「-目的が変更されました、作戦ポイントで待機後、飛行型を撃破してください。現在の相性は61%です-」


 ルートが1km先に変更され滑空しながら距離を稼ぐけど、地上に降りたら300m程は町を低空飛行で移動するしかない。同乗した他社の機体はルートが別のようだった。


 いや、右手の方向にに降りているのは先ほどのメセルだろうか、ブーストを小刻みに使いながら距離を稼いでいるようった。


「-作戦ポイントまで、残り2分です。飛行型以外との戦闘は回避してください。現在の相性は62%です-」


 FLDの表示が少し変わり、ソナーだろうか何かを探しているような表示が出ている。


「-雪人さん!作戦ポイント周辺にジャミングワイヤーを検地しました。危険です。地上ルートで一旦停止します-」


「了解!」


 ジャミングワイヤーは初めて聞いた。確か飛行型が通信障害の兵器を持っていると聞いたが恐らくそれだろう。となると近くに飛行型もいるのか。リナさんからの通信が入った。


「-もう手が回っていたのね。いい?雪人君、ジャミングワイヤーは細かい繊維で出来ていて空中に漂っているわ、通信などのソナーを吸収するから中に入ると通信切れちゃうからね。さらに機体の吸気口から吸い込むとショートしてエンジンがもってかれるの。紅音ちゃんなら多少なら焼ききれるけど、ローマンのデュアルデュオエンジンは相性が悪いのよ-」


 となるとこのルートでは作戦ポイントまで行けないな。ルート変更なるのだろうか。低空ジャンプしてギリギリまで近づくことにした。ローマンが少しだけ、ジャミングワイヤーを可視化して黄色とオレンジで大体の位置を見せてくれた。


「-現在ルート修正中です。待機して飛行型を検索します。現在の相性は63%です-」


 辺りをサーチしているとジャミングワイヤーの中に高い建物があった。その上には青い機体がいる。あの感じはメセルだ、ローマンも気づいた。


「-この距離ですとジャミングワイヤーに邪魔されて通信は出来ません。おそらくあの辺りでジャミングワイヤーに囲まれて身動きが取れないのでしょう-」


 助けてあげたいがどうすればいいか分からなかった。するといきなり小さな警告音がなる。しまった!左の方向から飛行型がやってきて、赤い小レーザーがメセルのいる建物を破壊した。メセルの機体が一瞬落下したように見えたが埃と煙でまったく見えなくなってしまった。


「ローマン、助けよう、高い建物へ上ってやつの気を引くんだ」


「-了解です!ですが―-」


しかしすぐにリナさんからの通信が入る。


「-駄目よ助けには行けないわ。やつらはこうやって罠を張って待っているのよ。飛行型は攻めるタイプではなくって。トラップが得意なの-」


 だけどそんなことは言ってられない。僕の意思で近くの少し高い建物までジャンプしようとしたがローマンがマップを表示させて、建物を下から見れる場所までのルートを作成した。


「-雪人さん、高い建物の上は通信が悪いので、囮になるのは危険です。別の角度からメセルを探しましょう-」


 エンジンを最小限に使いながらランスポーツの時のように走る。多少遠回りだが作戦ポイントまでの最短距離に到着するように走った。


「-あなた達、ルート変更までの間だけよ。あの子には手は出さないで-」


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