アクエリウスの風
トトの過去作品(あらすじ紹介)第六弾です。
これは、トトが中学生の頃に執筆した作品です。
漫画描きだったトトが、この頃、唯一書いたイラスト&漫画風挿絵付きの小説でした(ひょっとしたら、この頃から今の素養はあったのかもしれません)
その頃、松○零士先生の作品が大好きだったトトが『銀河○道999』に影響されて執筆したものなのですが、トトが書きたかったのは、そのスケールの大きさやロマン溢れるストーリーではなく、鉄○とメー○ルのような“少年と大人の女性の恋”だったんですけどね。
《懐かしのまりちゃんとのコラボに少し手を加えてみました》
『アクエリウスの風』
☆キャラクター紹介
【ペレセフォーネ】年齢不詳(見た目での推定年齢は25〜6歳?)
プラチナブロンドの髪、セピア色の瞳
年齢も出自も全てが謎に包まれた美女
【紫城 建】15歳
一見、黒髪・黒い瞳に見えるが、実は蒼い髪・翠の瞳(色素が濃いので光に透かして初めて分かる)
宇宙船カイザァ号で旅する少年
カイザァ号ではVIP待遇
☆ストーリー
地球の巨体都市ステーションから三年に一度旅立つ超大型宇宙船カイザァ号
その最上階の客室に一人の少年が居た
少年の名は紫城 建
建はVIP待遇だった
けれど、彼の乗船券は片道切符
それは二度と戻れぬ旅――故郷を捨てる旅
その旅の途中、建は一人の女性と出逢う
長いプラチナブロンドの髪を持つ美しい女性、ペレセフォーネ
孤独な魂が寄り添うように
やがて二人は共に旅するようになる――
そして何時しか、二人の旅の目的が決まる
――何処か二人で静かに暮らせる惑星を見つけること――
それは細やかな……
けれど二人にとって、唯一の生きる目的となった
しかし、ある一つの惑星をめぐり宇宙の情勢は一変する!
建は故郷を捨てる代償に自由を得た筈だった
けれど強大な勢力を持つ星々の思惑がそれを許さない
建を得ようとする勢力と、彼を抹殺しようとする勢力……
それによって彼は全宇宙から追われる身となる
その忌まわしい出生ゆえに
その身体に流れる血ゆえに!
"紫城"の名を持つがゆえに!!
そして建を護る為、ペレセフォーネは秘めし能力を開放する――
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
ある日……建は、とある辺境の惑星に降り立った
そこは既に滅びた星
廃墟と化した星
その星の崩れかけた遺跡の壁画の中に、建はペレセフォーネの姿を見る
何千年もの刻を、変わらぬ姿で生きるペレセフォーネの秘密
けれど建はペレセフォーネに何も訊かない
そんな建の想いに……ペレセフォーネは自らの秘密を語り始める
建もまた、頑なに隠していた出生の秘密をペレセフォーネに語るのだった
より深まる二人の絆
だが二人に悲劇は訪れる
ペレセフォーネを狙った弾丸は、身を挺して彼女を庇った建の左胸を貫いた
――泣かないで、ペレセ
貴女に逢えて僕は幸せだったよ
生まれてきて良かったと初めて思えたんだ
どうか、貴女だけは幸せに――
その想いをペレセフォーネに伝えることは出来なかった
建はペレセフォーネの胸の中で、その短い生涯を閉じる……
願ったものは唯一つ
二人で静かに暮らすこと
ただ、それだけだった筈なのに……
そんな細やかな願いさえも叶えることは出来ないのか!?
建の亡骸を抱いたペレセフォーネの身体が白金の光に包まれる
そして、その光が消えた後二人の姿は何処にもなかった
それ以来、二人の姿を見た者は誰も居ない
建の運命を脅かし続けた惑星――その星の名は“アクエリウス”
惑星アクエリウスが地球総合政府から正式に独立を果たしたのは、その翌日の事だった――