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第ニ話 君の涙の理由は……まさかオレのセンス!?

ゴブリンの村で一大ムーブメントを巻き起こした俺は、

ゴブ民の熱狂の渦の中、液晶テレビを通って再び日常へと戻ってきた。


だが、俺のハートは、まだゴブリンソングの熱狂を忘れちゃいなかった!


「この感動を……この“魂のメロディ”を……現世にも広めるしかない!!」


そう決意した俺は、部屋の片隅でスマホを構え、

自作のメロディを、録音し始めた。

歌詞はもちろん、あの日の伝説のフレーズ、そしてそれを、美声のオレが奏でる!


♪ゴブゴブゴ〜ブリン♩ 本当は〜愛され〜たい〜ゴブ〜♩


その時!ドアが勢いよく開き、妹の瀬名が怒鳴りこんで来た!!


「ちょ、ちょっと!!呪文みたいなのを唱えるの、マジやめて!!」


「グロすぎて吐きそうなんですけど!」


「はっ!? お前には分からんのか!? このゴブ魂ソングの美しさが!!」


「いや知らんし!! 二度とその“ゴブ魂ソング”とか流さないで!!!」


瀬名は耳を塞ぎながら逃げていった。


残された俺は、録音ボタンを止め、

虚しく響く「録音完了」の音に、静かに呟いた。


「……やっぱ、この世界はまだオレのゴブリズムを受け入れるには早すぎるみたいだ……」


「そういえば……ゴブリン村のベイベー(ファン)たちは、今ごろどうしてるんだろうな。」


ふと思い立った俺は、リモコンを手に取り、液晶テレビをつけた。

その瞬間、画面に映し出された光景に息を呑む。


「なっ……!? なにやってんだ、あいつら!!」


ゴブリンたちが村人の女性を捕らえ、今にも短剣を振り下ろそうとしている!


「くそっ!! “自由なゴブリズム”を共感してくれた同志達がとんでもない過ちを犯そうとしている!!!」


胸が熱くなる。あのときの絆に、あのステージの熱狂に、ベイベー達はドロを塗るつもりなのか!

「仕方ない!行くしかない!!!」


俺は、液晶テレビの前に立ち、

プールに飛び込む水泳選手のように、画面の向こう側へとダイブした!


ー再び、ゴブリン村の大地を踏むー


だが、奴らは気づかない。

狩りに夢中で、血走った目をしたまま、獲物に短剣を向け、その距離を徐々に詰めている!


「チッ……またやるしかないか!」


俺はノートパソコンを開き、渾身の神曲を再生した!


スピーカーから、伝説級のイントロが流れ出す!

そして天才のオレの即興ポエムが唇から流れ始める!!


俺「♩やめ!やめやめ、やめてほし〜♩」


ゴブリンたちの動きが止まる。

誰かが耳をぴくりと動かし、振り返った。


「♪ダメ! ダメダメ取っちゃダメ〜!

ダメ! マジダメ刺しちゃダメ〜!」

「♪ボクらは仲間〜 にこやかに〜〜〜♪」


村の空気が、一瞬で変わる。


俺は、状況を見てひらめいた。

そうだ。音楽は独りで奏でるものじゃない。魂を重ねるものだ。


短剣を突きつけられて震える村人の女性に、目で合図を送る。

「……さぁご一緒に!」


女性は戸惑いながらも、こくりと頷いた。


オレは、メロディを先回りして、歌詞の指示を出す!


俺「ダメ! ダメダメ?」

女性        「♩ダメ! ダメダメ〜♩」


そう!それっ!!!!


俺「取っちゃダメ?」

女性      「♩取っちゃダメ〜♩」


完璧だ! この調子だ!


ゴブリンたちは、短剣を下ろし、目を丸くして聴き入っている。

その中の一匹が、ぽつりと呟いた。


「……ゴブ?」


よし、乗ってきたな。


俺は指を鳴らし、さらにテンションを上げた。

「さぁゴブのみなさんも恥ずかしがらない!!

            元気にいくぞ!! さん、ハイ!」


女性「♩ダメ! ダメダメ取っちゃダメ〜♩」

ゴブリンたち「♩ダメ! ダメダメ取っちゃダメ〜♩」


女性「♩ダメ! マジダメ刺しちゃダメ〜♩」

ゴブリンたち「♩ダメ! マジダメ刺しちゃダメ〜♩」


いいぞ……! いい流れだ!!

だが、まだまだ熱量が足りない!!


俺「なんだって!!お前らの元気はそんなものか?村に響きわたるように大きな声で!!!!」


女性・ゴブリンたち「♪!!ボクらは仲間〜 にこやかに〜〜〜!!♪」


俺「もっと!もっと!もっともっと!」


女性・ゴブリンたち「♩♩!!ダメ! ダメダメ殴っちゃダメ〜!!♩♩」


          「♩♩!!ダメ! ガチダメ殺っちゃダメ〜!!♩♩」



俺「いいぞ!!いいぞ!!」


会場(※村)は完全にライブ会場と化していた。

誰もが腕を振り上げ、リズムに乗っている。

涙を流しながら歌うゴブリンもいる。


「お前ら最高だーーーー!!!」



俺・女性・ゴブリンたち「♪!!ボクらは友達〜 ほがらかに〜〜!!♪」


そして、クライマックス!!


俺「♩!!!仲良く歌えば〜 友達ヨロ〜〜!!!♩」

 「♯手を取り合って、生きていこ〜!♭」

 「♪イコール!絶対!絶対!殺っちゃだめ〜!!♪」


リズムが世界を変える!


“生きていこ〜”と“イコール”


やっちまった……!

まただ!! また俺の天才ポエムが暴走した!!


空気が震え、光が村中に広がる。

ゴブリンも人間も、思わず目を細めた。


ー静寂ー


からの!!!


「きゃーーーーーーーっ!!!」

「最高ゴブーーー!!!」

「手を取り合って、生きていくゴブーーー!!!」


歓声が、爆発した!!!!!


ゴブリンたちが、泣いていた。

あの、殺気立っていた奴らが、今は号泣しながら抱き合っている。


「なんだ……お前ら、泣いてんのか?」


俺は、胸の奥が熱くなるのを感じながら、そっと笑った。


「この歌の魂が伝わったんなら、もう二度と、人間を襲っちゃダメだぞ。」


ゴブリンたちは、鼻をすすりながら顔を上げた。


「わかったゴブ〜!!!」

「人間と仲良くするゴブ〜〜〜!!!」


空に響く涙声のハーモニー。

その瞬間、ゴブリン村に、本当の“平和”が訪れた。


俺はマイクを掲げ、静かに呟いた。


「……これが、ゴブリズムの力だ。」

そう思った、そのとき。


「ん?」


ふと見ると、さっきまでゴブリンに襲われていた村人の女性も、

ぽろぽろと涙をこぼしていた。


「あれ?……泣いてる?」


もしかして、感動してる……?

いや、まさか……。


「……これ、もしかして……オレのセンス、イケてるんじゃね?」


一瞬、頭の中に衝撃が走った。

“伝説のゴブリズム”がゴブに通じただけじゃない。

この魂のメロディは、人間にも刺さっている!!


「そうか……こっちの世界は、俺のセンスに追いついてきているのか!!」


俺はドヤ顔で髪をかき上げ、

遠くの空を見上げた。


風が吹く。鳥が鳴く。

……そして俺の中で、何かが始まろうとしていた。

「今後はどうなるの」

と、もし思って頂けたら、


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