表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

5/26

小日向綺麗の独白【一】



 望月くんを初めて見た時、最初に抱いた印象はなんだっただろう。

 などと考えてしまうくらいには、望月くんに対する印象は、はっきり言って薄い。

 というより、いっそ「無」って感じ。

 むしろ無味無臭?

 いや、こんなこと言ったら失礼かもしれないし、本人に言うつもりもないけれど、それくらいなんにもないのだ。

 でも、こればっかりは仕方ないと思う。



 だって望月くんは、あたしを含め、だれとも交流しないタイプの男の子だったから──。



 一応言っておくと、別にイジメられているわけじゃなく、ましてハブられているわけでもなくて、望月くん自身が独りでいたがるのだ。

 なんて知った風に言っているけど、望月くんにオタバレするまでは、正直なんとも思っていなかった。

 それこそ、名前すらろくに知らなかったくらいに。

 だから、あたしが隠れオタクだって事を秘密にしてくれると言った時、自分の耳を疑った。

 だって、自分でも言うのなんだけど、あたしみたいなギャルがニチアサ枠の幼女向けアニメに夢中になっているなんて、どう考えても話のネタにされそうなのに。

 それはまあ、望月くんがあまり友達を必要しないタイプだったから、わざわざだれかに言いふらす気もなかっただけかもしれないけれども。

 だからこそ、望月くんから「友達になってほしい」と頼まれた時はすごく驚いた。

 なにか事情があるみたいだったけれど、それでもあたしみたいなタイプに頼み事するなんて──いくらあたしがオタクだって言うことを秘密にしてくれる代わりになんでもすると言ったとはいえ──望月くんが友達を欲するとしたら、もっと大人しいタイプの子を選ぶとばかり思っていたから。



 そしてこの日から、あたしは望月くんに興味を抱くようになった──。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ