小日向綺麗の独白【三】
あたしは、昔からみんなと遊ぶのも、逆に一人遊びをするのも好きな方だった。
だから、友達と遊べない日があったとしても、全然苦に感じたことはなかった。
むしろ、ここぞとばかりにアニメやゲームに没頭していた子供だったと思う。
今でもそれは変わらないし、特に不満はなかった。
小学生の時までは、ではあるけれど。
たぶん、これまでの生活と一変するようになったのは、中学生になったあたりだと思う。
自慢じゃないけれど、あたしは小さい頃から容姿が良いせいもあってか、よく周りの人の注目を浴びていた。
実際、キッズモデルとしてスカウトされたこともある。
それでいて、人とのコミュニケーションも得意な方だったので、基本的に周りから人が堪えることはなかった。
でも、中学生になってから、あたしみたいなニチアサ枠のアニメを楽しみにしている重度のオタクはほとんどいないと知って、オタクに見られないようにギャルの格好をするようになったんだけど、そのせいか、いわゆる陽キャって言われる類の人達の交流が軒並み増えるようになった。
小学生の時は、陽キャとか陰キャとか関係なく、色んな子と遊んでいたのに。
今では、陽キャの人達とばかり遊ぶようになってしまった。
別段、そういった人達と絡むのが嫌いってわけじゃない。
でも、小学生の時と違って、アニメやゲームの話があまりできなくなってしまったのが、けっこう辛かった。
それから、昔ほど時間が取れなくなったことも。
オタクの子達と遊んでいた時は、ほとんどアニメやマンガ、もしくはゲームばかりだったので、退屈に感じたことはないけれど、陽キャの子達の場合は食べ歩きだったりファッション系のショッピングだったりと家の中よりも外に出ることの方が圧倒的に多かったので、別に嫌というわけじゃないけれど、本心ではさほ楽しめたことはないように思う。
というより、どれもお喋りが主体というか、基本的には恋バナだったり知っている人の陰口ばかりなので、どっちも苦手なあたしにとっては、息苦しい時間でしかなかった。
だからかもしれない──だれにも縛られてないで独り気ままに生きている望月くんを見て、つい「ぼっちになってみたい」って本心を吐露してしまったのも。
正直、あんなことを言うつもりなんてなかった。
だって、自分でも無理だってことはわかっていたから。
ひとりの時間を欲しながらも、それでもみんなの輪から離れるのは怖いと思っている弱虫なあたしでは。
でも望月くんに「俺がぼっちにさせてやろうか?」と言われた時は、胸に空いた寒々しい隙間にぽっと温かいが灯ったような気がした。
だから、あたしは──……。




