ムシャクシャしてやった。今は反省していない。
少しずつ更新頑張っていきます
正直なところ、イラッとした。
まず第一、入ってきた瞬間から「あ、こいつとは相容れないな」とは思っていた。
そりゃまあ、人それぞれ性格は違うしこんなこと言ったら人付き合いなんて無できないとか言われそうだけど、要は相性の問題だ。
嫌いなのだ、肩書きを使って選ぶっているやつが。
自分が高い実力を持っていることをいいことに、弱いものをいじめ、脅し、都合のいいように使う。
人として恥ずかしくないのだろうか。
こんなクズ野郎に比べたら今までに出会ったあいつらがまだ可愛く見える。
喧嘩したり言い合いばかりだったけど競い合ってた分まだ充実してた。
あいつらは元気でやってるだろうか。
そんなことを思いながら、俺は目の前のクズ野郎を転ばせて笑っていた。
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「ぷっ、あっははははははは!いきなり転ばされてどんな気分?ねえ、どんな気分?」
場が静まり返っている。
そんな中爆笑する俺ってもしかして異端者なのではないだろうか。
やばい、ちょっと自重しないと。
「や、ヤマトさん…」
「な、なんだてめえ!何しやがった!?」
おおっと、怖い怖い。
ちょっと転ばせただけなのに嫌に怒るねえ。
まあ転ばされたら誰でも怒るか。
「何しやがったと言われても、今あんたが身をもって体験しただろうに。まさか何されたかなんてこともわかんなくなっちゃったかあ、ははは」
「っ!、ぶち殺す!!」
ロックが怒りをあらわにした途端、闘気みたいなのを纏いはじめた。
見た感じ、無属性の中でも最もポピュラーな身体強化魔法といったところか。
これは…少しまずいかな。
ロックは闘気を纏ってから深呼吸をし、襲いかかってくる。
まずは牽制のつもりでジャブをいくつか、時折ストレートやキックを混じえながら連撃をくりだす。
痛いのは嫌だし当たったらひとたまりもないだろうから、ひとまず回避に専念することにした。
攻撃が当たる寸前に回避を重ね、難しい場合には手や足で受け流すようにいなす。
回避され続けることに苛立ちを感じているのか、顔をしかめているのがよくわかる。
「ちょこまかと逃げやがって、いい加減死にやがれってんだ!」
「嫌に決まってんだろバカめ。誰だって痛いのは極力避けたいだろうに」
「そんじゃ、こいつはどうだ!」
「!?」
ロックが一歩下がり、型を構える。
右手に力を溜めているようで、少ししてから全力で拳を打ちはなつ。
そうすると拳から闘気が飛び出し、そのままこっちに向かってくる。
ある程度の予測はしていたものの、これは受け止めきれないと思い、急いで躱す。
その冬期はそのまま壁をブチ破り、大穴を開けることになった。
「おいおい、こんなに大きな穴を開けてちゃ修理代がバカにならねえよ…」
「知ったことか!そらもう一発!」
ロックはそのまま何発も闘気を打ち出してくる。
躱し続けるけどこのままじゃギルドが倒壊してしまう。
仕方ない、少しだけ本気を出すか。
俺は攻撃を避けながら距離を詰めていくことにする。
一歩、二歩、三歩と少しずつ詰めていき、やがて相手の間合いに入る。
「へっ、俺の間合いに入ってくるなんざ、とうとう観念したか!」
「観念はしないけどまあ、そろそろ終わらせようかなっと!」
近づいてきたからもう意味はないと思ったのか、闘気を打ち出すことをやめた。
これで隙ができる。
相手の攻撃を躱しながら懐に潜り込み、腕を伸ばした瞬間を見計らってそのまま腕と胸ぐらを掴む。
そしてそのまま後方に向けて、背負い投げに入る。
「どおおおうりゃああああああ!」
「うおおおおおおおおおおおお!?」
ロックをそのまま力一杯ぶん投げる。
もちろん、ギルドが壊れるのを防ぐため、先ほどこいつが空けた大穴に向けて。
投げられたロックはそのまま狙い通り大穴に吸い込まれていった。
「よし!ナイッシュ!!」
「「………は?」」
一同騒然とする中、やはり俺は一人で謎の達成感を感じていた。
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