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やあ、君たち来たのかい。では、そこに、座って。ゆったりしてくれ。寝そべっていてもいい。
さて、君たちは、知っているかい?異世界には、大きな大きな、森があることを。
それは、君たちの住む世界にある海のように、それは、それは、巨大な森さ。
そんな森の中に、3つ、人が住んでいる国が、馬車が通るくらいのそれぞれをつなぐ道こそあれど、森に囲まれ、隔てられ、1つ1つ離れて、ぽつりぽつりとある。
君なら、どこに住みたい?
どの国も特徴があるんだ。
1つ目は、雷土国、古い言い伝えによると、とても大きな雷が落ちて森の木々が円形に焼けて、そこに、人が住みつき、できた国とされている。今はその名に、ふさわしく。電線がいたる所にあってコンクリートのビルが並び、アスファルトのかたーい地面のある、君たちが住んでいる世界に似た電気のない生活などありえない国さ。
2つ目は、刀土国、その昔、1人の男が刀を一振り(ひとふり)して、森の木々をなぎ払い、そこに、人が住むことで出来上がった国とされている。瓦屋根の木製の家が並び、人々は、着物を着て歩き、刀を帯刀している人が権力を握るそんな国さ。
3つ目は、剣土国、君たちの住む世界の中世ヨーロッパ風の国と言うとわかるかも知れない。レンガ造りの家がたくさんあって城が中央にある。立派な国。ここも、古い言い伝えによれば、1人の剣士が、剣を振るい、木々を吹き飛ばし、そこに、人が住みつきできた国とされている。
これより始まるは、そんな世界の物語。さてさて、お聞き下され皆々様。おとぎ話の始まりだ。これは、少年の物語。少年少女だったことがあるならわかるだろう。
さて、1人の少年がここにいた。特別でもない。大した価値もない8歳の男の子がここにいた。
そんな、少年は雷土国という、夢のない。
ビルばかりの国から、魔法が存在している。レンガ作りの家々が並ぶ剣土国という、外国に遊びに行った。
バカみたいに彼は、その外国で遊ぶ、親からもらったお金を使って。
町を歩くと、魔法を使う人々がたくさん目に入る。火や水を空に浮かべたり。風を使って掃除をしたり。
とても、目を楽しませた。
少年は、その遊びの途中、なぜだか人が1人通れそうなくらい少し開いた城門にたどりつく。