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レイチェルの末裔  作者: 柏木 裕
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Memo.006 花見月へと至る道 その1

ここから文章が短くなります。ご了承下さい。


2019年11月21日(18:54) 誤字を修正しました。内容に変更はありません。

 栄一郎の手に触れ、【記憶の渠溝(メモリスロット)】を常用して見ると一目瞭然だった。全ては事前に通達されて居た事だったのだ。

 専用の端末や情報屋の口伝、それらが地上と言った外界の近況や次に戦う事になるだろう対戦相手の情報を得る手掛かりだった。

 雫は【記憶の渠溝(メモリスロット)】を信用して居ない訳では無かったが、頼り過ぎては行けない身の丈に合わない長物であると常々戒めて生活を送って居た。

 絶対に必要な情報を獲得したい時以外は、極力多用する事を禁じてここまで来て居たのだ。無論、戦闘時には出し惜しみしなかったが。

記憶の渠溝(メモリスロット)】は正否判定としても役立つもので、相手の解答と言動を照らし合わせる事が可能だ。解答は記憶より作られ、言動はその時々の考えに基づいて直接的に、或いは歪曲的に出力される。

 どの様にして真実を話そうと考え至ったのか、転じて虚実を話そうと決断した理由さえも浮き彫りになる。これは正解を知る上で非常に強力であり、一歩間違えれば危険だ。

 今の所、その様な特異な人間に出くわした事は無いが、自分の記憶さえ書き換えて捏造(ねつぞう)する様な芸当が可能なら、その真相を検める術が無いからだ。

 もしも、生まれてからの全ての記憶を自由に書き換え、或いは【記憶の渠溝(メモリスロット)】で見える部分を知り尽くし偽装出来る埒外な存在に(まみ)えた時、此方は一方的に誤った記憶に踊らされる事になり兼ねない。

 その懸念が一パーセントでも介在するなら、何かしら対応策を模索して置くべきだと雫は考えて居た。

 だから、信頼でき尚且つ会話の成り立つ相手には、遍く通用する観察法を用いた。

 食べ物なら何が好きか嫌いか。勉学は好きか嫌いか。得意な科目は何か、苦手な科目は何か。運動ではどうか。どの様な仕事をしたいか、またして居たか。必ず対となる何かを尋ねた。

 日毎に質問を変え、一日一人に付き質問を四つして行った。これが自由の交換条件であると定めて欠かさず聴取した。

 奴隷だけだと女性のみなので、幅を広げる為、門番と受付爺にも協力を要請した。門番二人は無償で引き受けてくれたが、受付爺は一日一万円で取り引きに応じた。

 人は真実を話す時も、虚実を語る時も、個々で微妙に異なる癖が生じる。

 普段、眼を合わせない人が、嘘を吐く時は眼を合わせたり、またその逆も然り。

 好きは好きでも、やや好き、好き、凄く好き、至高など、細かな声音の違いや仕草が変わる。よく観察すれば全然違うのだが、意識して居ないと見逃してしまう程の極々小さな変化だ。

 情報(データ)がある程度集まると、無意識でついつい出てしまう仕草から、言葉の真偽を判別する事が可能となった。

 奴隷仲間から門番、受付爺、八百屋のおっちゃん、クリーニング屋の富子さん、本屋の天狗仮面、武器屋のまーくん、ヤクザの抹茶梅侍、他多数様々な人の機微を感じ取れる様になる。

 これは嘘を見抜き真実を知ると言う当初の目的を大きく上回り、戦闘で矢鱈と重宝した。

 初対面でも何と無く解る部分がある。今では罠に嵌めようとして居る時、攻撃の時期(タイミング)が手に取る様に解るくらいだ。

 そして、ここ数日前からこの12番区画の至る所で含みのある言葉の数々や妙な視線を感じる事があった。

 丸で、何かを意図的に隠して居る形相や仕草であり、(おとしい)れたり企てとも又違って居る謎めいた感覚に内心戸惑って居た。

 (まさ)しくそれこそが栄一郎の準備して居たものだった。

『地上に出るか、地下に留まるか。近日、其方に訪れる。それ迄に決断して欲しい』

 地上の大まかな情報は地下でも出回って居るが、地上での生活の過酷な現実と取られて来た対策の詳細。最低限、自己防衛に必要とされる数種類の魔法、食糧調達と調理の方法等々、多岐に渡る。

 どの様な手段を用いて脱出し、居住可能とされる最終的な目的地が何処であるか、その後の処遇についての候補も一人一人に伝播されて居た模倣。

 だが、誠に不思議な事に奴隷仲間から、秘め事の気配を微塵も感じる事は無かった。本当に何時も通りの毎日だったと記憶して居る。彼女等も同様の伝言(メッセージ)を受け取って居たのは、栄一郎に確認済みであり、それ故に仕草に全く表われなかったのが解せない雫だった。

 兎も角、認証ランプの偽装、闘技場の開門、映像配信を思わせる演出、地上への逃走経路の確保と栄一郎の誘導は迅速で卒が無く、隨分前から準備を重ね計画されて居た事が覗い知れる。

 地上へ出る手前、日の射した出口から運ばれる微風(そよかぜ)に乗せられ漂う馥郁(ふくいく)たる草花の香りに始まり、最早、懐古の情すら湧き立つ日没間際の牡丹色の煌めきに暫し眼を奪われた。

 照らされよく見える地上は、情報通り見渡せる限りの建物や道々に苔が生え、蔦が天へと駆け上がる様に生い茂り、辺り一面を緑色の世界へと染め上げて居た。

 所々に混凝土(コンクリート)に亀裂を入れて地中より生えたと思われる木々が屹立して居り、背の高い日陰を伸ばすと、そこには稀に色鮮やかで如何(いか)にも有毒そうな茸を見付けられた。

 百聞は一見に如かずと言うのはどうやら本当の事の様で、【災厄の日】以降、怪物が跋扈する他、著しく未知の緑化現象が拡大し、生態系が変化して居た。

 景色の中に見知らぬ草花が入り混じり、本来蒼生して居た植物は色や形を大きく変え、中には意思を持って動き出す怪物へと変貌し、木々の多くは樹齢何百年と見紛う太さの荘厳な巨木へと急成長を遂げた。

 見た目の変化に伴い、あからさまに増えた花の蜜は飲めば空腹を満たし、傷を癒す効能を持ち、木の実の中には欠損した大怪我を治したり、無くなった身体の一部を復元するもの、身体を強靭なものに作り替えるもの、特に異様な効果として適正の無かった魔法を使える様になる極めて貴重なもの等、様々な恩恵を(もたら)した。

 しかし、環境の変化は(さいわい)だけを良しとせず、更に種々多様な怪物を何処から途もなく産み出す(わざわい)も同時に運んで来た。

 地上に出て順調に歩を進める一行の行く手を阻む様に、日常と化した怪物(モンスター)との遭遇に見舞われる。脱出から僅か三時間が経過した頃だった。

 されど、予想された怪物の初強襲は危なげ無く実に速やかに処理される事となった。

 栄一郎と救出された脱出組を長方形で取り囲み進行して来た陣形が、怪物の接近を察知し瞬く間にそれぞれの持ち場へと動き出した。

 一班の四人の組み合わせで、前衛に剣や鑓などの武器を用いた近距離戦闘が二人、純粋に遠距離から魔法を放つ略固定の魔法使いが一人、主に後衛の魔法使いの守護に付く楯役兼付加魔法使いが一人、大体がこの組み合わせだ。

 この四人組みを部隊(パーティ)と呼称し、四つの部隊で取り囲んだ中央に回復役と覚しき長杖を携えた魔法使いが必ず一人は居て、戦況を見渡し指揮する役割を担って居るそうだ。

 この十七名の編制を一分隊とし、今回は計三十四名の二分隊が護衛として同行して居る。

 それを道すがら聞かされた雫の率直な感想は、当主を護衛するにしては人数が些か少ない様に感じられ、又それだけ腕に覚えのある精鋭揃いなのだとしたら妥当なのかも知れないと反省する。

 12番区画が恐らく特別だったのだろう。地下に居た多くの人が奴隷に対し誠実であり協力的で、常勝を維持して居たとは言え、数え切れないほどの支援をして貰った。それでも、闘技場で実際に戦ったのは雫個人だった為、どの程度の人数で怪物の相手が務まるのか想像出来ないのは無理からぬ事だった。

 地平線まで見渡せる大通りの一本道で歩調は悪く無かったが、それは相手からも発見されやすい場所である裏返しでもある訳で、程無くしてその時は訪れた。

 初遭遇は豚人(オーク)が三十七体。想像して居たより数段速い駿足で腹を揺らしながら差し迫る(おぞ)ましい巨体が視界を埋め尽くし、雫は自身の死を覚悟するも、身体に染み着いた動作に従い黒刀を造り出し構えた。

 顔馴染みである地下組と栄一郎だけは何度殺されようとも守り抜く、その覚悟を決め、間合いに入るまで只管(ひたすら)待機する。

 後出しを決め込んだ臆病者と(そし)られても、生きる為なのだから仕方が無いと腹を括った。

 その決意とは裏腹に、豚人(オーク)が雫の間合いへと辿り着く事は無かった。

 栄一郎を挟む様に前後に展開した分隊は、楯役を前に配置し、後方から一方的に魔法で集中砲火を浴びせた。偶に現れる前衛を飛び越えて来る個体は、剣で切り裂かれ、注意が逸れた隙に鑓で貫かれて身悶えながら崩れ落ちた。

 あの剣と鑓には、各々切断と貫通の付加魔法が掛けられて居た様だが、この二人組は基本防具のみで結構危険な役割だ。その為に回復魔法使いが居るのだろうが、これだけの人数が一斉に重傷を負ったら治癒は相当な負担となる筈で、その窮地に放り込まれても指揮を継続しなければならないのだから、責任が隨分偏って居る気がした。

 このご時世に楽な仕事など早々見付からないだろうが、少なくとも雫はあの重役だけは御免蒙ると、栄一郎に進言する事を心に決めた。

 それにしても凄いものを(しか)と見た。あの無力で逃げるしか無かった日、一般人を易々と嬲り殺して居たあの豚を、こうもあっさりと片付けてしまうとは驚天動地でも足りない程の衝撃だ。逆立ちをした所で全く歯が立たないと諦めて居た事を、あの日と同じ眼と鼻の先で実現して見せた護衛の皆々様が眩しく頼もしく見える。

 世界は大きく変わった。一寸先は闇、それが現実のものとなった。けれど、それは環境や怪物の変化だけに留まる話では無かった。

 人は斯くも強くなれるものなのだ。一人では出来ない事も助け合い補い合う事で達成する。

この任を命ぜられた粒揃いの分隊と言うのも理由の一つなのだろうが、統率が取れて居り、一糸乱れぬ連携は厳しい訓練と死と隣り合わせの実践を、何度となく経験して来た血と涙の結晶に違いない。

 何せ三年前までは、自分と同じ丸切りの武術初心者ばかりの寄せ集めだった筈なのだから。

 安心して観戦出来る見事な戦闘風景とそれを現実のものとする人間本来の持つ強かさに心打たれ、雫は「(みな)、とても強いな」と評し、警戒を解くと黒刀を霧散させた。

 豚人(オーク)を略無傷で退けた皆が、ほっと胸を撫で下ろして居るのが見て取れる。

「そ、それは本当か?」

 すると、どう言う意図があってか栄一郎が耳許で囁く様に尋ねて来たので、雫はこくりと頷いてから方々へと指先を向けた。

「周囲を警戒しつつも談笑出来る、これはとても良い緊張状態。ビル間の脇道、屋上や真上に当たる上空からの奇襲が無いか確認して居る。ここら一帯で出現し易い怪物が過去に隠れて居た場所、突発的な奇襲場所を予め潰して置く事で、危険(リスク)を軽減すると共に心の平穏を保つ意味があると推察出来る。あの日、迅速に逃走する事を選択出来ず逝去してしまった人は、混乱(パニック)に陥って正常な判断を下せなかった事が一番大きいと思う。当たり前だけど、先ずは落ち着く事、その上で弱い警戒を継続する事。周囲を一回りして陣形を戻したと言う事は、ここで正面から追撃に遭う可能性は低いと判断したと言う事。ん、でも、もう日が沈むからそろそろ野営の準備をする頃では?」

 微風の中、顎に手を宛がい次々と推論を話す雫の余りにも様になる風姿に栄一郎は啞然とし、指摘で漸く我に返った。

「……はっ!? そうだな。うむ、分隊長!」

 先ほど前に展開して居た分隊の回復役の人が、駆け足で此方に来る。

「お呼びでしょうか栄一郎様?」

 敬礼したのは、十代と二十代で意見が分かれそうな妙齢の女性だ。装いは様々な魔法陣の施された袴の上に薄く透ける白い羽織を着て居る様にしか見えない。尋常では無い動き難さを想像するも、この女性かなりの駿足で駆け寄って来て居た為、実は軽い装束なのか、或いは筋肉が物凄い事になって居るのか、と怪訝そうに眼を細める雫が居た。

 雫の内心を知らない栄一郎は、気にせず何時も通り分隊長に問い掛けた。

「今日の進捗は予定より五割増しくらいだろうか?」

「は、はい。栄一郎様の見立て通り、いえ、訂正致します。六割半ほども進めて居ります。救出された地下の皆様方、想像以上に基礎体力が確りと付いていらっしゃる様でして、水分補給以外、休息を取る事なく進めて居ります。魔法による健康状態、又口答による自己診断をして戴いて居りますが、共に正常、気分が悪いなどの報告は現在無く順調そのものであると判断します」

 じっと雫が見て居る事実に気付き少々戸惑いは見せたものの、分隊長は栄一郎の問いに冷静に答えた。

「ふむ、上場だ。ボキも体力の無い者が一人くらい居ると踏んで計画を立てたのだが、最年長の爺さんが現役に負けず余裕さを見せて不気味な笑い声で歩いて居た。他の面子も――」

 何秒か経過した後、栄一郎が一瞬、此方を見た。雫は首を傾げた。

「全く問題無さそうだな、うん。でも、一応、雫大丈夫か?」

 雫は口を半開きにして「聞かれるとは思わなかった」と返した。

「う、うむ、しかしな、聞かないのも聞かないでどうかと思うしな。これは平等と言うか、公平と言うか、誰にでも聞く奴だからな。そう言えば一回も聞いて無かったと思い出して、何だか済まんな」

「それはいい――」

「な、栄一郎様っ!! 最年少の子供にそんな酷い事を!?」

 分隊長が信じられないと言った表情を露わにした。

「あ、いや、そのだな。これは違うんだ」

 上手く言葉を形作れず、両掌を見せて微妙な返しをしてしまう栄一郎。

「何が違うって言うんですか?」

 対して今にも栄一郎に食って掛ろうと言う気迫が感じられる分隊長。

 同じ女性故と言う側面もありそうだが、確かに私はまだ八歳だ。誕生日がもう直ぐだが、それを過ぎた所で九歳。子供、幼子、それの持つ一般的な印象は、知識が不足して居り、体力が心許(こころもと)無く、身体が小さい、要するに頼り無い存在と言う事。

 大人と同列に扱い、その上、健康状態の確認を疎かにした栄一郎に腹を立てるのは、至極真っ当だと言える。

 そこに栄一郎の反論が加えられる。

「怠ったのは済まなかった。雫はこう見えて結構強いんだ。体力もある。精神的にも決して脆く無い。逐一、確認しなかったのは雫の自己管理能力を信用して居るからだ」

 ああ、これ駄目な奴。絶対駄目な奴だ。

 雫は面倒事の気配を、逸早く察知した。取り敢えず、謝罪から入ったのは良い。だが、子供が強いを力説するのは戴けない。どう考えても悪手だ。

 今は花見月の屋敷へ向けて進行中、これは必要以上の疲労を蓄えない為にも、無駄無く行わなければならない。そこに子供の力の証明など、莫迦莫迦しい催しを挟む余地は皆無だ。

「まだその様な戯言を宣うのですか!? もう、結構です。この子の健康管理は私がやります!」

「いや、しかし、分隊長は既に四人の精神療法(メンタルケア)も兼任して居るだろう。もう一人増えるとなると余計に大変ではな――」

「彼女らの精神状態は非常に安定して居るので、一人増えた所で問題ありません! (いず)れにせよ本日はここで野営になるのでしょう。さあ、雫ちゃん行きますよ」

 分隊長は栄一郎の主張を突っぱね雫の手を引いたが、巨大な(いわ)と綱引きをするかの如く動く事は無かった。

 分隊長が大人気なく徐々に力を解放し、本気で牽引する様になるのを眺めながら雫は考える。

 客観的に見れば分隊長の言い分は尤もだ。子供に必要以上の身体的負担や精神的緊張を与えるのは、将来的に悪影響を及ぼすだろう。更に私は救出された地下組で、本来なら背負い鞄(ランドセル)を背に歩く年頃。普通に考えれば無理をさせるべきでは無い。彼女は純粋に心配してくれたのだ。

 だが、上司の上の上の更に上の辺りに該当しそうな花見月の当主に口を挟み、(あまつさ)え話して居る最中に遮ったのは流石にやり過ぎでは無いだろうか。

 ちらりと栄一郎の方を覗うと、苦々しい表情でむぅとか唸って居り、心情が何となく推し測れた。素直に分隊長の意見に反省して居る様子だ。こう言うのはきちんと注意した方が良いのでは? 雫はそう思ったが、今当事者の自分が言うと余計に話が(こじ)れそうだ。ここは一旦、人畜無害な子供になって置こうではないか。

「栄一郎」

「ん? どうした?」と呼ばれた栄一郎は思案顔を崩した。

「私は、()()極力戦わない様にする。だから、その積もりで頼みたい」

「……あぁ! うむ、了解した。済まないな、面倒を掛ける」

 眼を合わせた栄一郎は雫の言葉の真意を察すると、申し訳無さを誤魔化す様に頭を撫でた。

「私は子供だから、手を煩わせるのが仕事なんだ」

 雫は頭上にある栄一郎の手を摑むと、幾度か頬を摺り寄せた。

「うむ……(かたじけな)い。此度はその計らいに甘えよう。分隊長、雫を任せるぞ」

 直ぐ側で展開された珍妙な光景に面喰って居た所為もあり、栄一郎がこうも簡単に折れ当初の予定を覆したのが初見だった為、分隊長はつい上の空で返答し、遅れてそれに気付いた。

「ぇ……はっ! はい、承知致しました。私、(たちばな)久瑠実(くるみ)が責任を以て御令嬢の護衛を引き継ぎます!」

 厳格な花見月の当主と救出された少女との距離感に不審感を覚えながら、久瑠実は雫の護衛の任を任される事となった。


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