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夢を見た。


夢の中ではわたしは白銀の立派な鎧に青紫のこれまた立派で銀糸の豪華な刺繍のされたマントを羽織り歩いていた。

大きな噴水の周りには様々な人が楽しげに会話をしているようだった。どこかの公園なのだろう。語らう人々を傍目にわたしは歩き続けていた。

ここが目的地だろうか?わたしが足を止めた先には宮殿のような立派な建物があった。

荘厳な扉は開け放たれ、来るものを全て受け入れるかのようだった。扉を行き来する人々の手には様々な本があた。ここは図書館のようだ。

図書館に向かう老人ゴブリンと少年ゴブリンの姿が目に入った。老人はそのまま扉の奥に消え、少年は老人の後姿に手を振ると入り口から伸びる階段を降りわたしとすれ違うと後ろからパンと軽く叩いてきた。


『!?』


驚いて振り返ると薄い灰紫の身体にくすんだクリーム色の髪を鶏冠のように伸ばした少年ゴ


ブリンがにかっと笑みを浮かべていた。わたしの知る世界でこんなことをするのは1人しかいない。


『…アネモスなのか?』


恐る恐る問いかけると


「よう!久しぶり」


わたしの記憶と同じ笑顔が返ってくる。思わず屈んでアネモスを抱きしめていた。つい力が入っていたのか「ぐえ、苦しい。死ぬ死ぬ」と腕の中でアネモスがじたばたともがいていた。


『あ、悪い』


慌てて抱きしめるのを止めわたしは少し離れた。


「あはは。そういうとこ変わらないな」


『そうか?』


楽しそうに笑うアネモスに気恥ずかしくてわたしは指で頬を掻いていた。


「変わってなくて安心した。そういうアステルのままでいてくれよな」


最後に見た笑顔と同じ笑顔。


ここで夢は覚めた。


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