第1話 私たちが見たかったもの。
風の旅。サンとワールドの世界一周旅行日記。
私たちが見たかったもの。
竜の群れの大陸渡り 遭遇確率および観測危険度Sクラス(もしも奇跡的に遭遇してしまったらすぐに逃げることをおすすめします)
「見えるー!! サンーー!! すごいよーー!!」
「うん! 見えるよ! ワールド! 本当にすごい!! こんな景色見たことないよ!」
青色の空と青色の海の見渡す限り全部が青い色に染まっている世界の中を数百、あるいは数千という数の伝説の生きものである『竜』たちが群れをなして空を飛びながら移動をしている。(若い竜。年老いた古竜。そしてお母さん竜と一緒に頑張って空を飛んでいる小さな子供の竜もたくさんいた)
「もっと高度をあげようよ! もう少し高いところから竜の群れを見たい!」
「わかった! いいよ!」
操縦席に乗っているサンがペダルを(立ち上がるようにして)踏みながら操縦桿を思いっきり引くと、二機のプロペラエンジンが火を吹いて二人乗りの飛行機は加速して、そのままゆっくりとその飛んでいる高度を上げていった。
後部座席に乗っているワールドは観測記録用のカメラを持って、ずっと竜たちの大陸渡りの風景を映像で撮り続けている。
とっても強い(嵐みたいな)向かい風が吹いている。飛行機の翼が吹き飛ばされてしまいそうになった。
サンはなんとか強い(暴れん坊みたいな)風の中を飛行機を安定させながら飛ばし続ける。(風を読むのがとっても楽しかった)
「竜の群れの大陸渡りに出会うことができるなんてさ! 私たち本当に幸運だよね!」
「本当! すっごくラッキーだよね!」
サンとワールドはお互いの顔を見るようにしてそう言ってから、大きな声で楽しそうに子供らしく笑い合った。
二人は天才飛行機乗りだったけど、まだ十二歳の女の子だった。(だから世界のことをもっともっと知りたいって思ったのだ)




