6話 洗濯
パーティーメンバーが増えて書く量が格段に増えてつらいです…
【前回までのあらすじ】
「泊めてくれ」と言ってきた青年、カルマをパーティーメンバーに引き入れることに成功したリュウトは、水魔法を習得して…?
「もう一回聞くよ?水魔法は何に使うの?」
「洗濯。」
「ふざけてるの?」
俺は真剣に言っているのに、失礼な奴だ。
「大体ね、水だけで衣類の汚れは落ちないの。わかる?」
「誰が水だけって言った?」
「え?」
「まあ見てろよ。」
俺はおもむろに服を脱ぎ、水を張った桶に入れると、
『サウンド』
前回の反省をうまく活かし、汚れを水で浮かせることに成功。
これで掃除しなくて済む!
「こんな音撃魔法の使い方、初めて見た…」
これが正規じゃないのか。
「音撃魔法は基本的に弱くてあまり使われないことが多いから僕が知らないだけかもしれないけど、少なくとも経験上そんな使い方をする人は初めてだよ。」
やっぱりこの魔法弱いんだな。
「普通はどんな使い方するんだ?」
「対人戦で相手に不快な音を飛ばすくらいだね。」
「ゴミ魔法じゃねえか。」
「洗濯がそんな簡単にできるなら僕のも洗濯してよ。」
「いいぞ。ちょっと服貸せ。」
俺はそう言いながら桶の水を捨て、新しい水に張り替える。
そうして手渡された服を先ほど同様、水につける。
『サウンド』
あとはこれの繰り返しだ。
「よし、これで全部洗えたね。あとは干すだけだ。」
俺たちは自分たちの衣服を片っ端から洗っていた。
そういえば俺の適正は風もあるから乾燥もできるのでは?
やってみよう。
「カルマ、そこのハンガーに服かけてくれ。」
「おっけー。」
俺はカルマがハンガーにかけた服に手をかざし、
『ベンタスブレス』
「なにしてんの!?」
驚いたのかカルマが持っていた洗濯籠を取り落とす。
「いや、これで早く乾かないかなって思って。」
「そんな簡単に言ったら苦労しないでしょっ…て、乾いてる!?」
カルマが洗濯物を触りながら言う。
「まあ俺にかかればこんなもんよ。」
「謙遜を覚えようね。」
しつこいなこいつ。
「というかこのスピードでこの精度の洗濯ができる人はなかなかいないよ。お店の人くらいじゃないかな。」
やっぱりこの世界じゃ洗濯はそう容易くできるものじゃないらしい。
「お店の人も特殊な魔道具を使ってるみたいだし。」
「魔道具なるものがあるんだな。」
「え?知らなかったの?」
やばい、これ一般常識か!
どうごまかそう。
「いや、洗濯屋って魔道具使ってるんだなって思って。」
「ああ、そういうことね。なんかそういう話を聞いたことがあるんだよね。」
あぶねええええ!!!
「ほーん。」
俺はできるだけ動揺がばれないようにそっけなく返した。
俺はまだこの世界に来て間もないから常識はなにもわかっていない。
言動には気を付けなければ。
前書きでは一応作家の端くれとしてどうなんだっていう発言をしてしまいましたが、二人分のセリフを書くのはなかなかに楽しいので結果オーライです。




