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魔道具と娯楽品の作成に勤しむ転生令嬢は、囲われていることに気がつかない  作者: 成瀬川 透


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65_エリック父母、襲来

「エリック!出てこい!!」


別荘中に響き渡る怒気を含んだ怒鳴り声で目が覚めた。


「……エリックのお父さん?」

私は目を擦りながらベッドから出た。私室の扉を静かに少しだけ開けて、外の様子を伺う。


「エリック!!」


またエリック父の怒鳴り声が響く。

これは私が作った魔道具の一つ、拡声器を使っているに違いなかった。

拡声器はエリック依頼で作成したものだった。学園の催し物で皆の前で話さなければいけないとき、後ろの人にまで声が届かないから何かと不都合があるらしく、声が遠くまで届ける道具を作れないか相談されたのだ。

マイクとスピーカーが最初に思い浮かんだが、スピーカーの設置とか、そのスピーカーとマイクを繋ぐ作業などで私が学園まで行かねばならない。それは面倒臭いと拡声器を作成したのだ。


それがなぜエリック父も持っているかは謎だったが、私は寝巻きから急いで着替え、髪も簡単に整えて音の発生源の元へ向かう。


エリック父は玄関ホールに仁王立ちで拡声器を片手に怒りを露にしていた。

その後ろにはエリック母がニコニコと笑みを浮かべ立っていた。


エリック母が私に気がつき「マリちゃん!」と私に駆け寄ってきて、私の右手をエリック母の両手で捕まれ上下にブンブンと振られた。


「マリちゃん!ようやく私たちの娘になってくれるのね!

淑女教育でここに通っている時に何度私からもお願いしようかと思っていたのよ!でも、エリックの恋を親が面と向かってお世話するのはやめなさいと言われたから我慢していたの!

結婚式はエリックの卒業を待ってから直ぐに挙げましょうね!ドレスは何がいいかエリックとは既に話しているの。色んなパターンを準備しているからマリちゃんの意見も後で聞かせてね!

それともマリちゃんの希望はもうあるのかしら?それなら遠慮しないで話してちょうだい。だって、私たちの娘になるんだもの。遠慮はいらないわ!

私、エリック1人しか産めていないからずっと娘が欲しかったのよ。恋話も憧れていたの。マリちゃんの恋話だと相手が私の息子だからって遠慮とか恥ずかしいとか、思わなくていいからね!

あぁ、あと私とも一緒にお買い物とかしましょうね。

それから、「リリア、一旦落ち着きなさい」むうぅ」


エリック母のマシンガントークをエリック父が口を塞いで黙らせた。

それよりエリックさんよ。他に黙っていることがないか聞いたのに、エリック母と結婚式のドレスを選んでいたとは聞いていないぞ。絶対に他にも私に話していないことがあるだろう。後で問い詰めるとして、今は目の前のエリック父母だ。


「おじ様、おば様、お久しぶりです」


私が挨拶をするとエリック母は自分の口を塞いでいるエリック父の手を掴んで剥がし「もうマリちゃんったら!ママと呼んで!」と言ってはまたエリック父に口を塞がれた。



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