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魔道具と娯楽品の作成に勤しむ転生令嬢は、囲われていることに気がつかない  作者: 成瀬川 透


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22_鍛冶士

鍛冶屋のおっちゃんはジェットと名乗った。

薬屋から酔い止めを買って、街の入り口付近にとめている厩舎を目指す。道中ジェットさんは「必要最低限の着替えとかを準備したい」と言ってきたので、服屋にも寄った。


厩舎につき、エリックのエスコートで馬車に乗り込む。エリックは私の隣に座り、ジェットさんも一緒に乗り込むかと思ったら「俺は御者の隣に乗るぜ」と、馬車の扉を閉めてきた。


エリックは「さすがに私が貴族とわかってるのだろう。だからあえて御者と一瞬に乗ると言ったのだろう」と私に言った。エリックの合図で馬車は動き出す。


「マリ、本当にジェットと一緒に作業をするつもりか?」


「うん。だって私には案があっても素材を加工する技術はないんだもん。だから元からプロにお願いはするつもりではいたよ。

もし、別荘にジェットさんを住まわせれないなら、エリックと会った森にでも工房作ろうかな?とは思ってる。工房まではエリックに迷惑かけないよ。魔塔の主に建てさせるつもりだから」


「つまりはマリも一緒に出ていくつもりなのか?」


「うん。だって同じ作業場にいた方が作業効率上がるでしょう?」


「……父上に相談はする。だが、マリには出ていってほしくはない」


「私の我が儘でジェットさんを連れてきたんだよ。それなら言い出しっぺの私も別荘を出なきゃ。ジェットさんも一緒だし、心配はいらないよ」


エリックは黙ったまま下を向いた。そこから別荘に到着するまで、エリックとの会話はなかった。せめてもの救いは、買った酔い止めが効いたおかげで、行きよりも馬車に乗っている時間が短くすんだことだった。


別荘に到着し、馬車の中で会話がなくなっても私が降りる時、エリックはエスコートをしてくれた。


セバスチャンさんがお出迎えしてくてたが、行きとは違うメンバーが増えていたのだから驚いただろう。エリックはセバスチャンさんに「鍛冶士のジェットだ。マリのもとで働く予定だ。部屋を準備してほしい」と言って、ジェットさんは「よろしく頼む!」と頭を下げた。

頑固な職人気質のおっちゃんかと思いきや、頭を下げることに抵抗がないと見る。2度目の人生の時の上司とは大違いだ。


エリックは護衛の人たちに「父上に手紙をかくから暫く別荘で休憩がてら、待っていてくれ」と、別荘の中に入っていこうとした。

私はジェットさんをの手を掴み「ジェットさんの案を聞きたいことがたくさんあるんです!私の部屋で聞いてください!」と、私にあてがわれている客室に連れていこうとした。が、エリックに声が届いていたらしい。別荘に入る歩みをクルっと方向転換し私のところまで戻ってきて「部屋に男女一緒になるのはダメだ。私の執務室で話せばいい。私も父上に手紙をかきながら話をきく」と、私の右腕をつかんで別荘に向かって歩きだした。


「エリック、私の部屋にメモ用紙があるから、それを取りに行きたい」

と言えば、私の部屋に寄ってくれた。ジェットさんは黙って後ろからついてきた。


執務室について、エリックは執務机に向かい、私とジェットさんはテーブルをはさんで向かいあってソファーに座った。


私は先人の天才が遺してくれた知識をジェットさんに話した。ジェットさんは驚いていたが鉄にかわる素材に目をキラキラして話を聞いてくれた。鉄は鉄の良さがあるが重いのだ。ジェットさんも興奮して「これをあーして」とか色々言っていたが、専門知識がないから理解できなかったが笑顔で聞いておいた。


タイプライターの話もした。文字盤を押すとテコの原理で連結したタイプバーが持ち上がり、先端にある活字が動き、インクを染み込ませたインクリボンに叩きつけ、そのインクがローラーに巻かれた紙に転写すると私の簡単なイラストつきで説明をすると、ジェットさんは「面白い!」と、興味を持ってくれた。


「私は案があっても加工する技術がないのでジェットさんに協力してもらいたくて」


「嬢ちゃんは凄いな!俺には思い付きもできない案ばかりだ!今から作るのが楽しみだ!」


ジェットさんと会話が弾んでいると、エリックがペンを置いて口を開いた。

「ジェット、今ここで聞いた話も、今後マリから聞かされる道具の案も他言無用だ」


「もちろん、言われなくてもわかってるぜ。嬢ちゃんは理解してるかわからんが、価値あるものってぐらい、流石の俺でもわかるさ」


「それを聞いて安心した。マリも、誰彼かまわず話をしないように」


「はい、わかりました」


そのあと、セバスチャンさんが執務室にきて、エリックは先程書き終えたばかりの手紙を「これを父上に」とセバスチャンさんに渡した。セバスチャンさんから護衛の人たちにその手紙を渡すのだろう。

手紙を受け取ったセバスチャンさんは、ジェットさんに向かって「お部屋の準備が出来たので案内します」といった。

ジェットさんは「申し訳ないな」とソファーから立ち、「嬢ちゃん、また後で話をつめよう」と私の頭を髪型がくしゃくしゃになるほど撫でてからセバスチャンさんについていった。


エリックは無言で椅子から立ち私に近付いたかと思ったら、ジェットさんにくしゃくしゃにされた髪の毛を丁寧に手櫛で直してくれたのだった。


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