入学式②
読みやすさを考えるとボリューム減るし、でも掘り下げたい部分もあるから難しい
どこかで追記か掘り下げエピソードも検討します
それから暫くして入学式開始の時間となった。
絋人は生徒会役員と並んで壇上に上がり、用意された席に座る。
始めに学園長の話がありその後、梢の挨拶へと移った。
『初めまして。私がこの第三学園生徒会会長の更木梢です。まずはご入学おめでとうございます。皆さんのような未来のある騎士候補がこれほどまで多くこの学園に集まったこと、とても喜ばしく思います。ただ、この学園の門戸を叩いたと言うことはそれ相応の覚悟を持っているのだと思います。一部中等部から学園に在籍している方もいますが改めてお伝えします。我々騎士は【霊禍】及び騎士の力を悪用するものから人々や国を守る責務があります。もしも今、まだその覚悟がない、足りないと言う方はその事実を理解し、確かな覚悟を抱いてください。そして共に強くなり誇り高き騎士として羽ばたいていきましょう』
スピーチを終えると一礼して席に下がる。
一瞬シーンとするが一拍置いて大きな拍手がわき起こる。
『会長ありがとうございました。続きまして高等部1年首席の月島絋人くんの代表挨拶に移ります。月島くん宜しくお願いします』
正直順番は逆が良かったなと内心思った。
しかしこれもまた運命であり試練。
一度深呼吸をし立ち上がる。
『えー只今ご紹介に預かりました、月島絋人です。学年首席ということで挨拶をさせていただく機会を頂けありがとうございます。自分は高等部からの編入生です。その為まだこの学園、及び学園都市というものをあまり理解しているとは言えません。しかし、首席である以上、誰よりも強く誇りある騎士になることを目指しています。ここにいる全員と切磋琢磨しながら成長する機会が多くあると確信しており、期待をしています。共に頂を目指しましょう』
一礼して席に下がる。
流石に先ほどまでと比べると拍手はまばらと言わざるを得ない。しかし一角だけ━━クラスメイト達だけはしっかりと拍手をしてくれていた。
その後は学園の紹介時間など設けられ、式自体は30分程度で終了した。
舞台袖に捌けると僚祐は労いの言葉をかける。
「お疲れ様絋人くん。会長の後ってプレッシャー凄いだろうに良くやったね。僕なら無理だったな」
「ありがとうございます。正直順番逆にして欲しかったですよ」
「まぁある種の通過儀礼だよ。所で、学年首席のもう一つの仕事は聞いているかい?」
「いえ、特段は」
「実は━━━」
「━━その説明は私から」
「「会長」」
「お疲れ様月島くん。それで今話してたもう一つの仕事って言うのは、キミ生徒会には入らない?」
解散し教室への帰路を歩く。ただ頭の中には先ほどの提案が残っている。
(━━━返事は急がないから、また教えて頂戴ね)
梢はそう言っていたが、恐らく通例として学年首席にはそういうポストが用意されている可能性が高い。特に実力が求められる騎士を養成する機関であればなおのこと。ただ、一人で悩んでいても分からないことが多すぎる。後で東か凛に聞けばいい。
結論をつけていると教室に戻るクラスメイトを見つけた。後方にいた凛はすぐに絋人に気が付いて声をかける。
「お疲れ様月島くん。結構いいスピーチだったよ」
「ありがとう水戸部。まぁ拍手はまばらだったけどな」
「まぁ騎士を目指す人ばっかりだから良くも悪くも尖っている人が多いのよ」
「正直、個人的にはバチバチやり合える相手がいる方が嬉しいから何でもいいんだけど」
「月島くんも尖っているね~。でもいいと思うよ、副会長もそういうタイプだし」
「なあ水戸部。この学園で生徒会とかってどういう基準で選ばれるんだ?」
「生徒会?………あぁ、そう言うことね。
普通に選挙もあるけど、まずは学園推薦枠として高等部各学年の首席に生徒会入りの打診があるの。そこで承諾すれば晴れて生徒会に入れるのよ。中等部も首席か次席なら3年時だけは生徒会入り出来るの。将来的に入る可能性が高いからって」
「水戸部は去年とかはどうしたんだ?」
「私も去年は入ってたよ。でも高等部への進級にともない一度生徒会役員からは外されるの」
「ちなみに首席・次席の生徒会入りはほぼ強制的だったりするか?」
「そんなことないけど、今の生徒会は3年首席の更木会長と2年次席の小金井さんはすぐに入ることを決めたみたいよ。その他のメンバーは選挙で選ばれた面々よ」
「なるほどな。ちなみに2年首席ってどんな人なんだ?」
「あぁ~何というか掴み所の無い人って感じかな。会長と同じ【天下五剣】らしいから殆どの授業免除であんまり学園にいないから出会うことは少ないと思うよ」
「ふーん?そう言えば水戸部は高等部に上がって生徒会入りは考えないのか?」
「興味はある。でも月島くんが入るなら枠がないし一旦諦めるかな?そうなったら去年から風紀委員も誘われてるからそっちに入ると思う。だからそういう気は使わないで興味があるなら参加したらいいと思うよ」
そう微笑みながら凛は告げるのだった。




