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第二十話 勝利のための算段

前回手に入れた箱の中には何が入っているのでしょうか?

有用な道具が入っていればよいのですが……。

「これは――プラスチック爆弾じゃないか!」


 イツハは箱の中に入っていたブロック状の塊を見て思わず叫ぶ。

 とんでもなく物騒だというのに、どうして狂喜してしまうのか。

 彼が混乱していると、マァルナがかぶりを振る。


「イツハ様。これは単なる紙粘土でございます」

「え、紙粘土?」

「そもそも、炎が燃え広がっていた場所に爆薬を放置する訳がございません」

「そ、それもそうか、そうだよな……」


 イツハは乾いた笑いで誤魔化しながらも、改めて粘土に目をやる。

 果たして、今まで手に入れて来た図画工作セットで何をしろというのだろうか。

 ふと、ミュナの呟きが聞こえた。


「マズいわね……」

「え?」


 ジャガーノックの暴走を危惧しているのだろうか。

 イツハはそんなはずはないと思い、もしやと前方を見据えた。


「うっ、道がまた合流している!?」


 かなり前方ではあるが三つの道が合流し、再び一本の大きな道となっている。

 ジャガーノック達に接近されると、またも銃弾が飛び交う事態となるかもしれない。

 それに強化されたジャガーノックに荷台ごと吹き飛ばされてもおかしくはないだろう。


「どうすれば……」

「イツハ様。左の道に誰かおります」

「え、左に?」


 ジャガーノック達がいるはずがない。

 もしやと思いながらも、イツハが氷に覆われた路面を見てみると、そこには見慣れぬ二人組がいた。


「先行していたコンビみたいね」

「低速で道を進んでいるようですね」


 茨か炎に対処する方法を持ち合わせていなかったようだ。

 そして幸いにも、イツハ達には気が付いていないらしい。


「もたもたしてはいられないわね」


 ミュナが静かに告げる中、マァルナは励ますようにこう返す。


「ミュナおばさま。私めも微力ながらお手伝いさせていただきます」

「ルナちゃん……。ところで、何をしているのかしら?」

「先程入手した道具で何か出来ないかと考えております」


 マァルナは針金の束とにらめっこをしている。

 何かを作れそうだが、果たしてどうすれば……。


「そうだ!」


 イツハはパチンと自身の指を鳴らす。

 何故こんな仕草をしたのか分からないが、彼の脳裏に唐突なアイデアが生まれた。

 もしかすると罠知識の技能のおかげか、それとも防衛本能が引き起こした閃きか。


「マァルナ。手伝ってくれないか?」

「私めでよろしければお手伝いさせていただきます」


 イツハは粘土と針金を使い、ある物を作り始める。

 粘土をこねて、ホフリの剣で針金を切っていく――。

 子どもでも作れるような簡単な物だ。


「いっちゃん。何か名案が浮かんだのね?」

「はい。これからやることなんですけれども――」


 イツハは興奮を抑えながらも、彼の考えをミュナとマァルナへ伝える。

 上手くいくかどうかは分からないが、ミュナは快く頷いてくれた。


「ふふ、面白そうな作戦ね」

「そのようなお考えでございましたか」

「それと、ミュナおばさん。もし、またジャガーノックと戦うことになった場合なんですが……」


 イツハはミュナに対し、ある秘策を伝えた。


「うんうん……。なるほどね~。そんな感じの神魂術ならば使えるわよ」

「本当ですか!」

「ふふん、長い間伊達におばさんはやっていないのよ~」

「それと、神には道具での攻撃というのは不可能なのでしょうか?」

「一時的にだけど力を込めれば可能よ? 神魂術と組み合わせれば半永久に神の力を宿すことも出来るけれども……」

「いえ、そこまでしなくても大丈夫ですよ」

「そんなことをすると、ハルモリアがうるさいのよね~。領域の垣根を乱す、とか。刀の一本や二本ぐらい許してあげてもいいと思うのよ」

「え?」


 イツハがキョトンとしていると、ミュナは慌ててこう言った。


「あらあら、ごめんなさいね。お友達の愚痴を思い出しちゃったのよ~」

「そ、そうでしたか。それで自分の作戦で、その大丈夫でしょうか?」

「やってみましょ。でも、もし失敗したら……」

「失敗したら?」

「アドリブで誤魔化す、かしらね?」


 ミュナは微笑みながらも、前へ前へと突き進んでいく。

 相変わらず荷台は揺れに揺れるも、作業に集中していると乗り物酔いも気にならなくなる。

 次は負けないぞ――。

 イツハは針金を剣で切り落とし、マァルナが作業をしている最中、ミュナが準天使を手招きしている。

 仮面を被った彼らの表情は分からないが、やはり反応はしてくれるようだ。

 ミュナはカメラに対して、こう呼びかける。


「皆~。これから始まるおばさん達の活躍をお見逃しなく、ね♪」

いよいよジャガーノック達との直接対決となりそうです!

果たして、イツハはどんな作戦を立てたのでしょうか?

次回、第二十一話「そして逆転劇へ」!

どうか、お見逃しなく!


面白いと思いましたら、いいねやブックマークをしていただければ幸いです。


それでは今後ともミュナおばさんとイツハとマァルナの活躍をお楽しみに。

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