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別の世界ではただの日常です

上書き保存

作者: 茅野榛人

 今私は、ノートPCのメモ帳に、小説のネタを書いている。

 思いついたネタは直ぐにメモをしている。

 しかし最近メモ帳の調子が悪い。

 何故か私の意思に反して、上書きボタンが押されてしまうのである。

 色々調べはしたが、コンピューターウイルス一つ出て来なかった。

 しかし上書きボタンが勝手に押されたとしても、現時点で困る事は起きていない為、使い続けている。

 うわ! ああ……やばいな……かなりの眠気だ……最近小説の方に集中をし過ぎて……生活が疎かになっているからであろう……。

 やばい……タイプミスが凄い……消さないと……。


 あ! やばい寝ていた……って……押しっぱなしになってる!? ああ! ネタが全部消えてる! それに上書きもされてる……ふざけんなよ私何寝てるんだよもう! まあでも良い……また思い出しながら復元すれば良い……うう……次はもうこんな馬鹿ミスしないぞ! もう!


 あれから私は、出来る限りの復元をした。

 しかし完璧な復元は出来ず、消してしまったネタは全て完璧に思い出す事が出来なかった。

 仕方なく頭の中に残っているほんの僅かな記憶を頼りに、小説を書いた。

 しかしその小説は決して評価される事は無かった。

 あんなミスさえしなければ……もしかしたら評価は悪くなかったかもしれない……。

 上書き保存は……本当に恐ろしい……。

 上書き保存をした瞬間……上書き前の情報は全て消滅する……。

 しかし消滅するのは情報だけではない……人間の記憶までもが消滅してしまう……。

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