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精々、呑気に楽しんでろ

 

「…マリス、これか?」



「あ、それそれ!」



 一度で良いからやってみたかった事がある。



 女の子が図書館で本を読もうとしている。




 しかし、読みたい本がある場所には手が届かない。背伸びしたりして取ろうとする時、後ろからイケメンで背の高い人が……。



 本を優しく取ってくれる、と言うありそうな展開をご存知だろうか?




 現在進行形で、僕はその後ろの高身長イケメン役を担っている。



 残念な事に僕の身長はそう高いとは言えない。


 身長は現在の所167cmと高すぎず低すぎず程度の高さと言った所だ。




 だがマリスの身長は150cm程度と更に低い。




 悲しいなぁ……。




 ヴェイザーは僕よりも少し高いのに…。


 普通、こう言うポジションは雪貞とかに任せるのが適任だろう。




 もしくはメガネイケメンのシュバルツにやらせるのが普通だ。



 ちょっと呼び戻そうかな。



「えぇっと?魔法に関する本か……」



「うん、兄様と同じ様に雷魔法を完璧に習得したいんだ」



「兄様の様に……か。あんたお兄様は完璧超人だからねぇ…」



 普通なら、こう言う事をデリカシーも無しに言ったら兄に対するコンプレックスで悲しい顔すると思ったんだけど。



「でしょでしょ!僕の兄様はスゴイんだぁ!」



 意外な事に、異世界の兄弟又は姉妹にありがちな兄弟姉妹間での「コンプレックス問題」と言うのはこの2人には存在していないらしい。




 異世界に存在する弟や妹キャラと言うのは、高い権力や周りの人間から絶大に認められている兄や姉に対してコンプレックスやら抱いている事が多い傾向にある。




 実に面白いな、人を観察すると言うのは。



「まぁゆっくり読んでくれよ。休み時間はまだあるからさ…(人様の時間奪っておいていいご身分だな)」



「あれ、ショウマは何か読まないの?」



「僕は大丈夫だよ、ゆっくりしておくから…」



 別に僕は本を読みに来た訳では無い。


 


 ただ単に昼休みにやる事が無かった、飯を食った後は適当に昼寝でもしていようかと思っていた。



 だけど机に突っ伏して寝ようとしていた矢先、いきなり誰かに肩を叩かれた。




 ◇◇




「んがっ?」



「ねぇねぇショウマ、今って暇してる?」



「ん?あれ、マリスじゃん……どったの?」



「図書室行こうとしてるんだけど、一緒にどう?」



「え、僕は別に構わないが…」




 と、言う事があり今僕はマリスと共に図書室にいると言う事だ。



 

 ぶっちゃけた話、目を輝かせて本を一生懸命読んでいるマリスを横目に僕はただ頬杖を着いて、静かにマリスの様子を見守るだけだ。





 しかし、そんな事をしていても無駄。



 時間の浪費、極限の時間の無駄遣いに等しい行為である。



(少し連絡入れるか……)



 ショウマはそう心の中で一言呟くと、誰にもバレない様にして脳に意識と魔力を僅かに集中させる。



(ヴェイザー、僕だ)



(ショウマ?どうしたの?)



(いや、あの……物凄くやる事が無いんですが…)



(暇なら、適当に人でも殺しとけばいいんじゃない?王都なら結構人いるでしょ?)



 そうしたいのなら、とっくにもうやってるよ。



 学生と言う身であるから、夜間以外は下手に行動出来ないんだよ。




 普通の学生、と言う身分だからね。



 街中で急にガトリング砲を乱射する訳にもいかないからね。



(そうもいかないんだよ……学生と言う立場ですから…)



(学生ってのも大変だねぇ~………あ、そう言えば朗報があるよ)



(何だ?)



(AvengerとInsurgentが帰還したよ。今夜、招集掛けてあるから、良かったら来な?)



(それは実に面白い……顔を出そう…)



(地下の拠点で会おう…)




 ◇◇




「おーい、ショウマ?起きてる?」



「あぁ、起きてる…」



 魔力通信の方に集中していた為、僅かながらショウマは無表情になってしまっていた。




 まぁ無表情な点に関しては、いつも通りだが上の空の様な感じになってしまっていたので、マリスに気にかけられたと言う事だ。



「ほけー、っとした表情になっちゃってたよ?」



「平和ボケでもしてたのかも…」



「確かに、今の世の中は平和だからね。少しボケちゃうのも分かるかも」



 相変わらず仕草一つ一つが可愛いな、この子は。




 まるで平和ボケしてる呑気な奴みたいな顔だよ。




 平和に長く浸ってる奴って、こうも可愛らしい顔を見せられるんだよ。



 すぐに世界は戦火に包まれると言うのに、まぁいいさ。



 今の内に精々呑気に楽しんでおけばいい。






 我々の様に他者を痛め続けて、常に平和ボケせずに殺しを続ける。




 その様に僕達は生きていた。



 自らに苦行と枷を装備して、極限の状態で戦い続ける。




 それに比べて、この王都の奴らを見てみろよ。




 全員、呑気な存在だ。





 王都は実に平和の一言に尽きる。



 誰も争わず、戦争が起こる事もなく、圧倒的な力を持つ者達が国を守り続けている。




 力無き者、強大な存在に立ち向かえる程の実力が無い者は強き者と高い実力を持った者に守られている。



 表向きでは、僕やこの学校の生徒は主に守られている立場の人間であるだろう。




 だが、残念な事にもうすぐこの王都の平和と平穏は全て壊れる事となる。



 まぁ、手始めに学校を潰すのが吉だろう。


 見せしめに全部ぶち壊すのが丁度良いだろう。




 異世界学園ライフはそろそろ終わりと言う事だ。



 テンプレ方向には突き進まない。




 敢えて、僕は異端と言う道と量産型ではない道を進む。




 もう少し学園ライフを楽しめば、後は全てを破壊して世界掌握への第一歩を歩むのみだ。



(今夜は少しだけ面白くなりそうだ…)



「ショウマ、そろそろ五時間目始まるね。教室戻ろうか?」



「そうだね、戻りましょか…」



 知らないのなら、知らないままで良い。




 マリスもだが、この学校の奴らは完全に平和ボケしてしまっている。



 平和ボケしてる馬鹿な生徒共の命を奪い取るのはかなり面白い事だ。



 数人は捕まえて、拷問に掛けるので余計に楽しみが増える。





 実に楽しみだ、早く早く殺したくなるな。


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