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第64話 異変!?

 私は『この世界』でも『前の世界』同様に中一から塾に通っている。


 どうせ『前の世界』と同じ運命なら高校へ進学する事は出来ないし、塾に行っても意味が無いと一瞬思ってしまったけど、塾のお陰で別の小学校で中学から仲良くなる友達が数名出来た事を思い出し、やはり塾に通う事にした。


 それに中二から彼も同じ塾に通う事になるはずだし……


 そう思っていると彼は五月のゴールデンウイーク二日目の夜から塾に通いだしたのだ。


 『前の世界』の時よりも一年も早いじゃない!? な、何で?


 それに私の席の右隣りに座るだなんて……


「石田、よろしくな?」


「え? う、うん……よろしく……」


 順子が言っていた通り、なんだか彼の様子がここ数ヶ月とは違う気がする。

 っていうか去年の夏以前の雰囲気に戻っている様な……


 彼に何かあったのかしら?


「しかし、ここの塾の椅子も机も《《相変わらず》》小さいよな? なんか、腰が痛くなってきたぞ」


「フフフ……それは仕方ないわ。我慢するしかないよぉ……えっ? 相変わらず?」


「い、いや……言い間違えた。凄く小さいよな!?」


「フフフ……変な五十鈴君……」


 やはり彼の雰囲気は前とは違う気がするなぁ……




 私達が通っている塾の名前は『コスモス学習塾』……


 実はここの塾は昼間は保育園で本当の名前は『コスモス保育園』という。


 だから椅子も机も保育園児用の物だから小さくて当たり前なのだ。


 まさか、彼が中一から同じ塾に通う事になるとは思っていなかった私は内心、『前の世界』通りに塾に通って良かったと思った。


 すると私の左隣から小声で、


「ねぇねぇ、浩美ぃぃ?」


「えっ? 何、いなっち?」


「今日からうちの塾に来る様になった……えっとぉぉ、名前は五十鈴君だっけ? その五十鈴君と浩美って凄く仲良しに見えるよね?」


「えっ? そ、そうかなぁ……」


「うん、そうだよぉぉ……もしかして二人は付き合っているのかなぁ?」


「ま、ま、まさか……付き合っている訳無いじゃん!!」


 私に変な質問をしてきた子はいなっちと言って本名は『稲田絵里いなだえり

学校では同じクラスだ。


 身長は小さいけど何故か羨ましいくらいに胸の大きい子で性格はおっとりしているというか、少し天然なところがある。


 いずれにしてもとても可愛らしい子で私が中学生になって初めて友達になった一人で部活はテニス部に所属している。


「ふーん、そうなんだぁ……良かったぁ……」


「えっ? な、何が良かったの!?」


「べ、別にぃぃ……」


 私はいなっちを今後『監視対象』にする事に決めた瞬間だった。


 すると私の席の後ろに座っている子がシャーペンで背中をツンツンしてきた。


「ヒエッ!?」


 私は驚きとくすぐったさで思わず大きな声をだしてしまった。


「石田さん? 今は授業中ですよ。静かにしてくださいね?」


 塾長兼講師の武田先生に注意されてしまった。


「す、すみません……」


 私は恥ずかしさで顔が熱くなってしまう。


 まぁ、本当に恥ずかしかった理由は彼の入塾初日に恥ずかしいところを見られてしまったからだけど……


 そして私は後ろを振り向きツンツンしてきた子を睨んだ。


 しかし、彼女は悪びれる様子も無く笑顔でペロッと舌を出している。


「川ちゃん、後で覚えてなさいよ……?」


「えっ? 私、何かしたかな?」


 川ちゃん……本名は『川田洋子かわたようこ』といって彼女も中学では同じクラスだ。


 いなっちと同じ小学校に通っていて中学から友達になった。


 ちなみに彼女は私と同じ『女子バレーボール部』である。


 川ちゃんは明るい性格で話しやすい子だけど、少しいたずら好きなところがあってたまに私にちょっかいをかけてくる。


 本当の私が年上だとも知らずに平気でちょっかいをかけてきてこの子は!!

 と、たまに心の中で葛藤している自分がいる。


 とはいうものの私は川ちゃんもいなっちも大好きだ。

 あと数ヶ月で親友と呼べるような間柄になる。


 『前の世界』の死ぬ寸前にこの二人の顔も直ぐに出てきて、色々と思いや感謝を伝えたかったと凄く後悔したよなぁ……


 なんとか『この世界』ではそんな後悔をせずに済めばいいのだけれど……



「クスッ」


 私と離れた席に座っている順子が私の方を見て笑っている。


 順子、あなたは私の大親友よ……


 

 こうして私の塾通いは一年生からとても有意義な時間となるはずであった。



 塾が終わり自転車で帰宅途中……


 私は彼が一年も早く入塾して来た事が嬉し過ぎて鼻歌まじりでペダルをこいでいた。


 しかし、そんなご機嫌な私に突然、襲い掛かる。


「うっ!?」


 私は身体に何か違和感を感じ、自転車を止めた。


 何かだるい様な少し痛い様な変な感覚……


 こ、この感覚は……


 はぁ……これは風邪などの症状じゃ無いわ……


 この感覚には覚えがある。


 『前の世界』と同じ症状……


 私は確信した。

 遂に私の身体に異変が起こってしまったと……


 またしても家族たちの悲しい顔を見なくてはいけないのかと思うと一度経験している事だとはいえ、私の胸はとても苦しくなった……


 神様お願い!!


 『前の世界』とは少しだけ違う未来を私にください…… 

お読みいただきありがとうございました。


塾通いも楽しみになった浩美に突然、病が襲い掛かる!?

果たして浩美の運命は!?


どうぞ次回もお楽しみに。


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