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第23話 薬

~~ブラックサイド~~


早朝。



 ……早く起きちゃった。アニキはまだ寝てるわね。後2時間くらいしたら起きるかしら? その間に何しようかな?


「そうだわ、病気を治す特効薬でも作ってみようかしら」


 この町の流行り病、町の人たちでは治す方法がないみたいね。ルルちゃんが病気になる可能性があるから薬を作って備えてあげましょう。特効薬を作るには病気の情報が必要になるけど……


「私はすでに、魔法で二人も診ているから、病気の情報は大体そろってるわね」


 ギルドマスターとルルちゃんのお母さん。この二人から得た病気の情報をもとにすれば、ある程度効く薬ができるはず、私はそういう魔法にも長けている。


「じゃあ、静かに製作するとしますか」



騎士から1時間後。


 ……眠くなってきた。でも……


「ふぅ~、出来上がったわ……」


1時間で成功した。ついでに、薬の制作方法まで書き記したレシピまで出来上がった。我ながら細かい。これは町を出る前にルルちゃんやギルドマスターにでも渡そう


「さてと、眠くなったしもうひと眠りしよっと、ふわぁ~あ……」


 そして、私は服を脱いでベッドに潜り込む。アニキのベッドにね。



~~ホワイトサイド~~


「……ということなの」

「…………」


 俺はミエダから発せられた突然の事実に驚きを隠せなかった。そんなことまでできるという事実に声も出ない。というか、この場にいる全員が俺と同じように驚いている。


「え~と、マジで」

「うん」


 何とか声を絞り出して確認すると、嘘じゃないようだ。こんな局面でそんな嘘をつく必要もないしな。俺に嘘は通用もしないし。


 ていうか、俺が寝ている間にそんなことを!? たった1時間で!?


「……そ、それが本当なら……!」


 ギルマスも驚きながらもミエダを指さして声を絞り出す。今、彼女がすべきことは……。


「必要でしょ、これ」


ポンッ


「「「「「え?」」」」」


 ……その薬とレシピを受け取ること……って、ミエダが何気もなくギルマスに手渡しした! ええ? ちょっと待って? そんなに簡単に渡しちゃっていいの?


「……あ? え、ええと……?」


 流石のギルマスも戸惑っている。どう反応すればいいか分からないんだ。


「受け取ったわね? つまりこれで私達がいなくても病気を治す手段が手に入ったことになる。私達を引き留める理由はなくなったわね?」


「!? そ、それは……」


 ああ、そういうことか。


「そういうことで!」


 ミエダはくるっと回ってこっちに振り向いた。やることは分かっている。


「アニキ!」

「ああ、分かっている!」


 これで町の病魔のことは安心していい。俺達が向こうに行っていい理由になる!


「行くぜ相棒!」

「ええ!」


「なっ!? ちょっと待って! まだ話がお……」


 悪いが、急ぐから聞く必要ない!


「「ハンタージャンプ!」」


ドドンッ!


 俺たち二人は魔法で跳躍し、その場から離れた。魔獣の元に行くためだ。この後なら、ギルマスも俺達の作戦でいくしかないだろう。もっとも、俺達は囮どころか魔獣を倒すつもりだけどな。


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