5話 寝癖
現在非常に不味い事態になっている。咲が何か怒っている。
今日もいつも通り一緒に登校するため、家の門の前で合流した。咲は俺と合流するなり俺をジーッと見て、それから黙り込んでしまった。そこからずっと話かけずらい状況にある。どうしよう、何か機嫌を直す言葉をかけないと。
「咲、今度の休日に映画でも行かないか?奢るからさ!」
やっちまったー。
思考がぐちゃぐちゃだったため、変なことを口走ってしまった。これじゃ俺が休日も会いたいと思ってることがバレてしまう。咲も俺の誘いを聞いてから微動だにしない。これは不味い。
「あ、ごめんな、気にしないでいい…」
「…行く!絶対行く!」
俺が取り消そうとした瞬間、咲が行くと言い始めた。気を使ったのかもしれないが、それでも嬉しさのあまり顔がニヤけてしまう。
今日も旬くんと登校。旬くんの家の門の前で待ってると旬くん出てきた。
「おはよう旬くん」
「おはよー咲」
いつも通りの挨拶を交わしたところで旬くんの髪の毛に少し異変を感じた。
あ、旬くん寝癖がついてる。うそ可愛い。でも教えてあげないと、でもこんな事この先ないかも知れないし、それにもう少しだけ見てたいし。んーでも寝癖がついてる旬くんを誰か他の女子に見られたら旬くんのギャップに惚れちゃうかもしれないし。やっぱり教えるべきか。
旬くんの髪の毛を見ながら葛藤しているといきなり旬くんが話しかけてきた。
「咲、今度の休日に映画でも行かないか?奢るからさ!」
いきなり映画に誘われて動揺してしまう。
どうしよう心臓がバクバクしてる。行きたいめっちゃ行きたい。でも急にどうしたんだろ、と考えていると旬くんが少し落ち込んだような顔をした。それを見て私はとっさに心の声を出してしまった。
「あ、ごめんな、気にしないでいい…」
「…行く!絶対行く!」
どうしよう、がっつき過ぎたかな?休日も会いたいと思ってることバレちゃってないかな?でも休日に旬くんと映画に行けるなんて夢みたいだ。




