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3話




○チュートリアルルーム 草原


そんなディルクの声を合図に俺も動き出す。


動き出してすぐに最初の敵とエンカウントする。


エンカウントするとともにスキル【識別】を使用する。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

スライム LV.?

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


うん…やつだ。


先まで聞いていた這いずる音が聞こえてきたのでまさかと思ったが、スライムだった。


そんなことを考えながら、次こそは自滅されないように確実に仕留める。


俺は腰の短剣を抜きそのままスライムに向けて斬りつける。


スパッといい音が聞こえるとスライムが真っ二つになりポリゴン状の粒子になって消えていく。


そして、脳内にアナウスが流れる。


《対象の討伐を確認しました》

《ユニーククエスト:【導き手の試練】が進行します。進行度10% 討伐数1/10》


さっき始まったクエストの進行を知らせるものだった。


このクエストの詳細は、このような感じだ。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

・ユニーククエスト

【導き手の試練】

難易度:☆☆☆☆☆☆☆


・クエスト内容

チュートリアルルーム内の全モンスターの討伐

1/10

プレイヤーの死亡により失敗


※注意:このクエストは一度失敗すると二度と受けられません。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


まさかの初クエストが難易度7ってやばいな、だが受けた手前失敗はしたくないし…


そんな葛藤を頭の中でしながら草原を進んでいく【歩行術】による補正かはわからないがスムーズに動くことができる。


ちなみに、難易度は全部で10段階ありそれぞれ適正レベルに合わせた難易度になっている。


進んでいくと次の敵を発見する。


ガサゴソと音のする方向を見る、するとそこからのそりのそりと1匹の生物が出てくる。


純白の体毛に身を包み、その中で光り輝く黒い目が一際目立ち、丸い胴体を起こし仁王立ちし、鼻をひくつかせていて、その特徴的な長い耳からは、どくどくと脈打つ血管がうっすらと見え、こちらに気づいたのかその耳をピンと立てて警戒していることがうかがえる。




……うん、兎だ。


なんかそれっぽい感じで説明してみたのだが、兎だ。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

兎 LV.?

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


念のため【識別】をかけてみたが、兎だ。


普通に、敵ともなんとも思えないがここにいる限り敵と言うことなんだろう。


俺はそこから息を殺して少しずつ近づき、バッと一気に飛び出して兎の首を狩る。


今回もスパッといい音がして兎の首が飛ぶと、すぐにポリゴン状の粒子になり流石にスプラッタな状態にはならなかった。


《対象の討伐を確認しました》

《ユニーククエスト:【導き手の試練】が進行します。進行度20% 討伐数2/10》


「結構楽だな」


難易度7と聞いたからどんな無理難題を出してくるかと思ったが、この感じなら大丈夫なんじゃないのだろうか?


消えゆく兎を見ながらそんなことを考える。


次の敵を倒すためにも俺はその場から動き出そうとすると、茂みの中から「グギャギャッ!」と声がし2匹の生物が出てくる。


小学生の子供くらいの大きさで緑色の体をした人型のモンスター、ゴブリンが出てきた。


「ギャッギャギャ!」

「グギャッグギャギャギャギャッ!」

「ギャギャッ!」

「グギャギャギャッ!ギャギャッ!」


こちらに気づいてないのだろうか結構な声で言い争っている?のが分かる。


棍棒を地面に叩きつけている姿を見ると、相当怒り狂っているのが分かる。


俺は2匹のうちひときわ怒り狂っている方の後ろに回り込み、後ろから一気に首を刈り取る。


スパッと二つの首が飛ぶ。


さっきから思っていたがこうも簡単に切れるのは、スキルのおかげなのだろう、思い通りに動きすぎて驚いてしまう。


そしてアナウスが流れる。


《対象の討伐を確認しました》

《ユニーククエスト:【導き手の試練】が進行します。進行度30% 討伐数3/10》

《対象の討伐を確認しました》

《ユニーククエスト:【導き手の試練】が進行します。進行度40% 討伐数4/10》


クエストの進行を確認しつつも今までのドロップ品も確認する。


・スライムジェル

・兎の肉

・粗悪な棍棒

・汚れた布


一つ一つに【識別】をかけていく。


・素材

・肉

・棒

・布


期待していたわけでわないが、確認すると少し切なくなる。


まさかの識別にかけた方がわからなくなるとは思わなかった。


スライムジェルに関しては、スライムのスの字もなかったぞ!


そんなことを心の中で叫びながら、粗悪な棍棒を取り出し装備すると先程までゴブリンが叩きつけていた棍棒が出てくる。


右手に短剣、左手に棍棒を持って振ってみると、やはり短剣の方はスキルによって補正があるのかスムーズに動くが棍棒はあまり思うように動かせない。


「これがスキルの差か、結構違うもんだな」


スキルを持っているかいないかで、相当な差が出ることがわかった。


確認が一通り終わり、次の敵を探すために動き出す。


探してる間にも、【識別】のレベルを一つでも上げたいものだ。


そう考え、識別を移動中も発動し続ける。


・草

・草

・草

・草

・草

・草

・石

・石

・草

・石

・草

・草

・草

・草

・草

・石

・石

:

:

:

:

:





・草

・草

・草

・石

・草

・草

・草

・石


かれこれ30分くらい経つが、一向に敵が見つかる気配がないんだが。


ちなみにスキルのレベルも一つも上がっていないもう草と石という文字をみすぎて、もはやゲシュタルト崩壊を起こし始めている。


「あー、まさかこんな事でつまづくとは…」


こういう意味で難易度7じゃないだろうな。


識別を続けながらそんなことを考える。


・草

・石

・石

・石

・石

・草

・草

・?

・草

・石

・草

・草

・草


…ん?

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― 新着の感想 ―
[一言] ( ̄□ ̄;)!!薬草発見?
[気になる点] 今回の話でアナウンスがアナウスになっています [一言] お疲れ様です これからも頑張ってください
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