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異世界を放浪する最強な女の子と男の娘?~溺愛すぎる神様のせいで、異世界で最強になった6人です~  作者: ai-emu
【第3章】人外魔境と人里を・・・・・・いったり来たりしてみたり?
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【03-03】ゲームと現実では、町の形が大きく違っていた

それは・・・・・・・。


冬の間、引き籠っていたあの広場を旅立つ2カ月ほど前の話。


現実世界においても、(ゲームでの始まりの町だった)国家・プルトピア王国のリンドバーグという町へと転移できた日までさかのぼる。この日、リンドバーグへと転移した私たち5人は、ゲームと同様に宿をとってからギルドへと向かう。

ゲームの中ではDランクになっていた私たちだが、本当に現実でもDランクでいけるのかどうかという疑問を解決しようと試みたのだ。

なお、リンドバーグから2日ほど(ゲーム内では半日程度の距離だったが)いった場所には、げ0無での始まりの地であるあの巨木の生えた丘がちゃんと存在していたのには驚いた。町とこの丘までの距離はともかく、地形自体はゲームの中と変わらないらしい。丘と町までの距離がここまで離れているところを見るに、間引かれている場所には何があるのかはわからないが・・・・・。


そんな事も確認しつつ、ゆっくりと町へと向かっていく私たち。ゆっくりといっても、見える範囲限界で転移しまくっていますが。

リンドバーグの城門も問題なく潜る事ができ、町へと入る私たち。町の中は、ゲームの町よりも大きく、だいたい10倍くらいの広さがある。それは、そこに建っている家も路地も、人口も何もかもが10倍の開きがあるという事で、そのため、ゲームの中の地理は全く役に立たないという事を意味しているのだ。現に、門を入って遠くに見えていた神殿の建物も、数百メートル先の路地にさえぎられて先っぽの先頭しか視る事ができなかったりする。

さらに言えば、ゲームの時はなかった、遠くの丘の上に建つ白亜のお城。潮の匂いはかすかにするので、ここが港町なのはゲームとは変わらないとは思うが、ここまで違っていると、もう別の町だと思った方がよさそうだ。


「・・・・これじゃあ、目的地の神殿まで、どういっていいのは判断できないよね。」

「そうだな。一応先っぽは見えているから何とかなるが、この先を遮っているあの通りの先が、いったいどうなっている事やら。」


私の呟くに、ユウト君がこう答えてくれる。確かに、あんな通りはなかったはずなので、あの先の事はどうなっているのかは、私にはわからない。

これはアレだね。

昔の日本の城下町そのままで、まるで迷路のように家が建てられているんだね。今ではほとんどその面影はなくなってしまっているけど、昔の城下町は碁盤の目になっているか、迷路になっているかのどちらかだった。


「というかさ、あたしたちがゲームの中で購入したあの建物。この町の中にもあるはずだけど、いったいどこにあるのかな?」


ヒナタちゃんが、そういえばとこう問いかけてくる。確かに、この町の中で購入したよね・・・・・、庭付き一戸建ての店舗付き住宅を。


「じゃあまずは、その家を探し出すところからか。あとの予定はその後だな。・・・・今日は出来ないかもしれないと、思っておいた方がいいな。」


ユウト君が、何とか方針を決定する。


「それじゃあ、まずは港を探さないといけないね。とりあえず、あそこに止まっている辻馬車の御者さんに聞いてみようか。」


そう言いながら私は、門前の広場に停車している辻馬車に向けて歩き出した。

結果的には、この判断が正解だった事は言うまでもない。門前に止まっていた辻馬車は、町を周回する路線バスのような存在であり、町の要所要所を回っている観光がメインの辻馬車だったからだ。

とりあえずその知事馬車に乗った私たちは、御者さんの案内の下、町の主要施設の場所を頭の中に叩き込んでいくのだった。

叩き込んだといっても、港のある南側までなので、結果的には半分も回っていないのだが。まあ、西門から港のある南部にかけての地理は、ある程度頭に入れる事ができた。


「ここからも、神殿へと行くには、遠くに見える通りが邪魔になるんだよな。」


港から街中へと続く通りを見ながら、私たちは項垂れる。いつまでも項垂れていても仕方がない。とりあえずは・・・・・。


「そろそろお昼だから、あそこの屋台街で昼食でも食べようよ。その後は散歩がてら、(ゲームの中で)この町で購入した家を探すとしよう。基本的には、10~20倍の広さになっているみたいだから、それに合わせて通りを数えていけば、・・・・・・きっと見つかるはず。たぶん、あそこの通りみたいに遮った感じになっている場所は、無視して直進していけばいいとは思うからね。」


当座の方針を私が決め、さっさと昼飯のために屋台街へと足を向ける。屋台街へと到着したら、5人分の席をまず確保する。その後適当に散らばってもらい、屋台街で食料を調達してもらう。

私は席に座ったまま、町の地図を作製するため、スマホに入っているアプリ『異世界通販サイト:ISEZON』でドローンを一機購入し、空から町の様子を撮影していく。

ここまで違っていたら、まず真っ先に地図を作らないとお話にならないからだ。なお、ドローンから送られてくる映像は、スマホと連動・・・・というか、スマホで操縦しているため、自動的にスマホ内に映像が取り込まれている。

なお、『異世界通販サイト:ISEZON』に、画像から地図を起こすアプリが売れれていたのでついでに購入し、スマホにインストールさせてある。このアプリは、取り込まれた映像を参照し、縮尺も自動で調整して正確な地図を作り出すという、地球にあったなら真っ先に取り込んでいたであろう便利アプリだ。

まずは、外壁沿いに周回させていき、町の一番外側の地図を起こしていく。その後、徐々に内側へと周回範囲を狭めていく。そして最後に、町の中心付近を撮影したら、そのまま転移で手元に呼び寄せる計画である。

結構高速(ほぼ通常のヘリが出す速度並み)でドローンを飛ばしているが、取り込まれてくる画像もブレはなく、また同時進行で行っている地図製作も、その速度に合わせて高速で描き出されていく。

こうして皆が、食料調達から帰ってくる30分ほどの時間で、この町の地図を9割がた作る事ができた。皆が席について食料をテーブルに並べ終わった時、町の地図製作も完了してドローンを手元に転移させる。


「何やってたの?アリサちゃん?」


私がやっていた作業が気になったのか、ヒナタちゃんがこう聞いてくる。他の面々を見てみても、私の作業が気になっている様子だ。


「この町の地図を作っていたんだよ。もう完成しているから、皆のスマホにデータを送っておくね。データが届いたら、『自動地図作成オートマッピング』に連動させておくといいよ。私は申し連動させて、現在地もしっかりと把握済みだから。」


そう言いながら、皆に地図データを転送する私。そうそう。もう1つ連動させておくものがあたんだ。


「それともう1つ。次に送るデータは、ゲーム世界でのこの町の地図データと、現実世界での地図データを比較して、実際に存在する建物や道路と、そうでない建物や道路とを色分けした地図ね。これも、『自動地図作成オートマッピング』に連動させておくと便利そうだから送っておくね。」


そう言って、私が同時進行でやっていた、『ゲームと現実の剥離の差を可視化』する作業。これにより、現実とゲーム内でどのように建物の位置が変わっているのかが可視化できたわけだが、地図に起こしてみればすごい事になっている事が理解できる。


「これはまた・・・・・すごいね。」


ただただ、呆れてモノが言えないだけのナツキ君。


「あそこの見える神殿。ゲームの中でもそれなりに大きかったのですが、現実はその倍はありますよね。」


この町で、たぶん一番用がありそうな神殿の建物や敷地の大きさを見て、圧倒されたかのように呟くレイナさん。確かに、ゲームの中よりも大きく、そして立派になっている神殿。


「確かに大きいよね。そういやゲームのあの神殿ってさ、変な位置に回廊があったり、開かずの扉があったししたのって、これが原因じゃないの?」

「・・・・・・ああ、確かに。」


スマホの地図アプリを開きながら、昼食をつつきあう私たち。虫食い状に色分けされている町の地図を見ると、なんだかシュールな感覚に陥ってしまうね。


「でさ、地図の中にある赤いピンが立っている建物。たぶんその建物が、目的地だと思うんだ。大きさが5割増しくらいで大きくなっているから、自信がないんだけどね。それで黄色いピンが、候補にしている建物になるよ。建物の形状と位置関係から絞り込んである。」


現在地から見て、北へ500mほど、神殿と港の中間点あたりに1本のピンが落ちている。ちょうど視界を遮っている通りの裏手あたりにある建物が、たぶん私たちがゲーム内で購入した庭付き一戸建て店舗付き住宅だと思われる。先ほども言ったとおり、5割増しくらいで敷地や建物の大きさが変わっているため、現地に行ってみないと何とも言えないが・・・・。


「そういえばアリサちゃん。ドローンは購入できたけど、GPS衛星って購入できるの?」


そんな事を、ヒナタちゃんが尋ねてくる。


「衛星も購入できるけどね。資金的に無理なんだよ。今いるここプルトピア王国の土地を、すべて買い占める金額の100倍するんだよ?どうも見た感じ、地球にあるハイテク機器や便利な乗り物はとっても高価で、代用品になる馬車とかだととっても安いんだよね。現に、私がさっき購入したドローン。あれ1つで、あそこに見えるお城が購入できるからね。」


とっても高いお買い物だった。ドローン1台で、現在私が手元に持っている自己資金の半分が吹き飛んでいったくらいだ。ゲーム内と現実世界では、おカネの価値も違っていたため、現在の手持ちの自己資産がとんでもない事になっている。


青銅貨・・・・青銅貨10枚で、銅貨1枚

銅貨・・・・銅貨10枚で、銀貨1枚

銀貨・・・・銀貨10枚で、金貨1枚

金貨・・・・金貨100枚で王金貨1枚


これが、現実世界での交換レートだ。で、次がゲーム世界での交換レート。


青銅貨・・・・青銅貨10枚で、銅貨1枚

銅貨・・・・銅貨100枚で、銀貨1枚

銀貨・・・・銀貨1000枚で、金貨1枚

金貨・・・・金貨10000枚で王金貨1枚


もっとも、青銅貨と銅貨の交換レートが同じなんだけど、そこから先になってくると10倍ずつと価値が上がってくる事になる。まあ、ゲームっていうのは、とかくインフレしている事が多いからね。


で、ここで問題になってくるのは、使用されているおカネは同じ物だという事だ。つまり、ゲーム内の通貨と現実での通貨が使用可能で、価値だけ違っているのだ。さらに言えば、魔物の素材引き取り単価はゲームも現実も同じだったわけ(ミノリさんたちに聞いた)事。

何かのレベルが上がった時に、現実で倒したり採集したモノ(ただし、自分自身で討伐・採集などを行ったモノに限る)がゲーム内で売り買いできるようになった事。

で、引き籠っていた森で採集した木の葉を1枚、(ゲーム世界内にある)適当なギルドで売ってみたところ、何かの高級素材だったため金貨10枚で引き取ってもらえた。「もっとないか」とせがまれたため10枚売りに出してそれだけで金貨110枚になる。

ちなみにこの木の葉っぱ。

木自体が生えている場所も問題だが、採集するために必要な手順があり、その手順を1つでも間違えると即座に枯れてしまって使い物にならなくなるのだという。私は何なしに(適当に)採集しただけだけど、たぶんカンストしているシーフ系スキルの何かが作用したんだと思う。


で、ここで先ほどの交換レートの話に戻る。

この報酬としてもらったお金を、金貨ではなく銀貨ですべてもらってのだ。金貨1枚が銀貨1000枚なので、金貨110枚を銀貨に両替すると、銀貨110000枚となる。

現実世界では、金貨1枚が銀貨10枚の換算になるので、銀貨110000枚を両替すると金貨11000枚になったわけだ。

ここまではいい。おカネの価値が違っていれば、当然こうなってくるのは当たり前なのだから。

しかし、レベルが上がった際に、『異世界通販サイト:ISEZON』内の交換レートこれに倣ってしまった。なんと、ゲーム内ではモノを購入する事は出来ないが、ポイントに換金する事は可能なのである。つまり、現実世界で何かを討伐して、それをゲーム何に持ち込んでポイント換算した場合、とんでもなく多くポイントがたまる事になる。でそのまま現実に戻ってくれば、その溜まったポイントがそっくりそのまま使えるわけで・・・・・。


なんだかマネーローダリングしているみたいな気分になるが、気づいた人はみんなやっているし、神様からの天罰もないので、認められているシステムだと割り切っている。

そんなわけで、私を含めたここにいる5人は、現在とってもお金持ちなわけである。引き籠っていた際に、結界の外に積極的に出ていろいろとやっていた私は、その中で頭10個分くらい飛び出ているが・・・・。

ちなみに、私たちの現在の自己資産は、私>ユウト君>ヒナタちゃん>ナツキ君>レイナさんの順である。レイナさんが一番資産が少ないのは、ただ単純に難しい採集ができなかった事、そしてソロ討伐もできない(ソロ討伐したモノでないと、この両替システム?は機能しないため)事が起因しているだけだ。私の場合は、討伐自体はあまりしていないが、採集関連で大きく儲けてしまったのだ。

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