【02-03】戦闘ポディションはすでに決まっていました
先ほど、大木の生えている丘の麓で合流した6人。全員が元私立鏑木学園高等学校の1年5組で私とヒナタちゃんのクラスメイト達である。こんな偶然ってあるんだね~~~、と再会後にあの町まで続く街道を歩きながら話し込んでいる。
なお既に、道中で全員の自己紹介は終了しており、今後どうするのか、ある程度決めている事も伝えている。
そんな彼ら6人を、ここで軽~~~~く紹介しておこう。ちなみに全員チュートリアルは受けており、自身が得意とsている武器も把握済みで、その武器を現在所持している。武器があるのは、アイテム袋の中なので、現在は手ぶらなんだけどね。
まず1人目は、古松直人君。
テニス部に所属しており、この世界に転移してきた時は全裸だったため少し大変だったらしい。ちなみに転移してきた場所は、常夏の小さな島で、全裸でもなんとか生きていける環境であるとか。なお、島という事は解っているが、霞むほど遠くに陸地(らしきもの)が見えるだけで、何処に浮かんでいる島かまでは解らないそうだ。
なお、現実世界では現在ボッチ満喫中らしい。
2日前までは、学校は違うが10人で生活していたみたいだが、昨日起きた際ボッチになっていたそうだ。どうやって島を脱出していったのかは知らないが、今朝海岸に、いろいろと遺物が散乱していた事から、どうも沖合で何かに襲撃されて全滅したらしい。
どうして、小松君1人だけを残して旅立っていったのかは知らないけど、そんな事をするから天罰が当たって全滅してしまうんだよね。可哀そうだけど、彼らの自業自得という事でこの話は終了である。
さて、そんな彼の容姿は165㎝と平均的な身長をしており、筋肉があまりついていない童顔の顔つきなため、セーラー服がとっても似合う男の子・・・・、いや男の娘である。しかし、現実世界では未だ全裸生活満喫中という事で、今着用している元鏑木学園高等学校のセーラー服が、現実世界でも着用可能という事で喜んでいた。
彼にしてみれば、この世界においてはじめて着用できるまともな服装だからね・・・・。なお、女装趣味と露出趣味は持っていないらしい。すごく惜しい気がする。
なお、戦闘スキルは、何故か弓と投擲がカンストしており、魔法系統はそこそこの腕前らしい。そして、それに合わせたステータス構成をしていたそうだ。つまり、中衛から後衛を担当できる人材なので、是が非でも私たちのパーティに欲しい人材である。
現実世界では、何処かの島にいる古松君とは、どうがんばっても再会できないがね・・・・。頑張ってゲーム世界でその島を見つけれれば、私達の力でなんとかなるんだけどね。
2人目は、片桐醍醐君。
野球部に所属するクラスメイトで。身長165㎝で、少し大柄なぽっちゃり体系。所謂野球漫画のキャッチャー的な体形をしており、ポディションもまんまキャッチャー(某野球漫画の影響を受けている)である。髪の毛は丸坊主。
一緒の場所に転移してきた鞍掛さんに服を借りており、その服装が半袖体操服とブルマ、上着として長袖のジャージを羽織っているらしい。なお、運動用のニーハイとスニーカー装備であるが、どう考えても着用不可能なサイズだったのに、着た途端に彼の体にフィットしたらしい。この装備たちが・・・・・。
なお、現在の装備は素手のこの服装ではなく、世間一般的な男の子が着用している服装であるとか。とっても残念である。なお、ゲーム世界では何故か、元鏑木学園高等学校のセーラー服を着用していたそうだ。
まあ、それはいいとして。
現実世界では鞍掛さんとともに、ニートブルという町に現在滞在中で、すでに冒険者に登録してお仕事もしているとか。お仕事の仲間も、ここにいる5人でパーティを組んで行っており、現在は最低ランクのGランクという事だ。
なお、このニートプルという町は、偶然なのか何のかは知らないけど、このゲームの始まりの町として設定されているリンドバーグという町がある国家・プルトピア王国にあるという事だ。
という事は、私達の持っている転移スキルのレベルを上げて、このゲーム世界においてもリンドバーグまで行く事ができれば、彼らと現実世界で再会できるという事だ。
戦闘スキルは、何故か鈍器系統の武器術や楯術、長尺系統の武器術がカンストし、それに合わせたステータス構成をしている。ちなみに、現実世界の武器は重量武器であり、防具もそれなりに金属を多用している者を着用する。
そのため、パーティでは楯職をする事が。(本人含め)全会一致で決まってしまっている。体系的にも、立派なタンク色を務める事ができそうで、本人も満更ではないらしい。
3人目は、鞍掛美乃梨さん。
料理部に在籍するクラスメイトで、140㎝という小柄な体格の所謂幼児体形をしているクラスメイト。髪は女性組(私たちを含めて)の中で一番長く膝を超えて踝近くまであり、料理をする時以外はそのままストレートに流している。
しかし料理部という、文科系で運動が苦手な人材が集まりそうな部に所属しているかの時だが、実際はとってもすばしっこくて話によると彼らの中で一番足が速いみたいだ。
なお現実世界では、定宿としている場所が低ランクの冒険者用の宿で、風呂は付いているが食事は自炊という場所。そのため、彼女がパーティメンバー全員の食事を作っている。しかし、その食事がおいしい事が宿中に広まってしまった結果、現在では時間があった者たちに限り、有料で食事を提供しているそうだ。
戦闘スキルは、盗賊職系統のスキルが軒並みカンストしており、それに合わせたステータス構成をしてる。聞いた話を統合すれば、私やヒナタちゃんを足して1つにしたようなスキル構成だ。そんなこんなで、パーティでは盗賊職一択だそうで、ほかのポディションは、ほんにっもちょっとできないと諦めているみたい。
なお、現実世界では、普通のシーフっぽい格好(足の速さを生かした戦闘を模索中なため)をしているが、ゲーム世界は、元鏑木学園高等学校のセーラー服を着用する。
4人目は、藍澤朋美さん。
ナツキ君と同じ元私立御託狭間学園高等学校1年A組で、ナツキ君とはそれなりの仲良しさんである。現実世界もゲーム世界も服装は、元私立御託狭間学園高等学校採用の例のピンク色のセーラー服だ。何か、この服装が一番しっくりと来ており、さらに違う服装よりも魔術を使用した際の疲労度が違うらしい。
これはアレだね。噂の創造神様が何かやらかしているね・・・・・、私達の(現実世界での)バトルスーツである、半袖体操服とブルマとセーラー服のように。
まあ、それはいいとして。
彼女の部活は魔術研究会で、本人も魔術オタクらしい。そうした影響なのかどうか知らないが、魔術系統のスキルが充実しているとか。
そのため戦闘スタイルも、後衛の魔術師になっている。なお、私やヒナタちゃんは、魔術を放つ際には何も使わないのだが、彼女の場合は分厚い魔術書を使うそうだ。
5人目は、ミサ=アンダーソンさん。またの名をシスター・ミサ。
元私立修道女学園高等学校の先生でもある、正真正銘の若き修道女様である。ちなみにレイナさんお部活である聖歌隊の顧問でもあり、学校の音楽の先生(聖歌部門)でもある。服装はもちろん、彼女の正装である修道服だ。なお、彼女の場合、ポケットが1つもない修道服だったため、たまたま身につけていた腰にベルトで固定していたミニポーチがアイテム袋になっている。
なお、(当然といえば当然だが)レイナさんと同じで、後衛の支援・回復が彼女の役目で、スキル構成もそうなっている。そして、現在このメンバーのリーダー的なポディションに納まっている。
現実世界でも、ゲーム世界でも・・・・・。なお、皆からミサとだけ呼ばれているので、私達もそれに倣う事にする。
6人目は、梅田左京君。
元私立剛健実業高校に通っていた3年生で、ユウト君とはライバル関係にあった剣術道場の兄弟子の関係を持った男の子だ。なお、ユウト君の女装趣味を理解しており、自身も時折ユウト君と共に女装していたほどの豪傑ぶり。
なお、女装した場合は、本人曰く男の娘ではなく、オネエ様になるらしい。まあ、現在のセーラー服姿を見れば、それは言えている。
ちなみに彼の着用するセーラー服は、元私立剛健実業高校の制服だったワンピース型のセーラー服である。結構似合っているよねって言ったら、オネエ言葉でありがとうって返された。
彼の戦闘スタイルは、ユウト君同様に前衛の攻撃職であり、剣術での物理攻撃である。
あれ?
古松君はソロとしてだ。
ほかの5人を見てみれば、結構バランスが取れているパーティだよね。私達と同じように、・・・・・偶然にも。
なお私たち5人の戦闘スタイルは、これで行こうと皆で相談し既に決定済みである。ちなみにメイン武器については、いろいろと規格外なので内緒の方向で行く。
ユウト君は、前衛の攻撃職であり、物理(刀剣武器)攻撃専門職。
刀剣類の扱いは天才的であり、まさに物理攻撃職として最適である。初期装備の武器は、鋼鉄のロングソード。他の面々もそうだけど、初期装備自体いろいろとツッコミたい。なお、先の6人の初期装備は、「ただの鉄の剣(鋳造品)」とかなっており、『ああ、これは初期装備だな』っと思わせるモノばかりだった。
ナツキ君は、前衛の楯職だけど、移動型で物理(徒手空拳)攻撃専門職。
あらゆる徒手空拳を極め、鈍器から長尺武器、刀剣、そしてタワーシールドと、どんな武器にもある程度対応できるポテンシャルを持っている。初期装備は、魔導具『変幻自在』。この魔導具は、周囲にある者を利用して、あらゆる武器や防具を作り出す魔導具である。なお作り出した武器や防具の強度は、その素材となったモノの強度に比例する。
私事アリサは、前衛の盗賊職であり、後衛の魔法攻撃職でもある。
つまり、変幻自在に戦場を駆け巡る(短剣専門の)魔法剣士といったところか。初期装備は鋼鉄の双剣の見た目のミスリルの双剣。どうもミスリル装備は、この世界では下のランクの武器に偽装できる能力があるらしい。
短距離選手だったすばしっこさを生かし、敵を攪乱しながら薄く広い攻撃を仕掛け、ユウト君たちの攻撃をサポートしていくポディションとなる。また、シーフとして罠の設置・解除・探知能力も持っているのだ。
ヒナタちゃんは、私と同じ前衛の盗賊職だが、弓矢を得意とした中衛よりの攻撃専門職だ。
私と同じで、魔法にも精通するオールラウンダーで、元々長距離の選手だったため、シーフとしての索敵能力に長けている。
レイナさんは、後衛専属で、回復・支援職である。
ステータスにあるスキル的にも、誰かさんから『お前は回復・支援職をやりなさい』と言っているようなレイナさん。称号欄には『治癒神の聖女』が何故かあるほど、治癒神様に溺愛されている。初期装備は、『祈りの錫杖』といって、神器『祈りの錫杖』のレプリカ品である。
こんなメンバーで歩きながら始まりの町『リンドバーグ』を目指す私たち一行。
あの丘からは4㎞以上あるらしく、たっぷりと1時間ほどかけて町の門に到着する。
門前には、入門審査待ちの長蛇の列。列の長さは、200mほどあるだろうか。
まあ、仕方ないよね~~~~という感じで、列の最後尾に並びふと前方を確認する。すると、50mほど前方に、セーラー服を着こんだ軍団がいるのを発見。ちなみに全員男子である。なんだかんだ似合っている我らが男子勢に比べ、後ろ姿だけとはいえ何処となく似合っていない気がする。戦闘中ならともかく、女装しているのだから、せめて仕草くらいは何とかしろと言いたい。
そんな文句が出そうなほどに仕草と服装があってなく、さらに喋り方もあっていない。
「せめて、サキョウ君みたいに、オネエ様になってなりきらないとねぇ~~~~。」
私の視線を追って発見したのか、ここにいる面々がヒナタちゃんと同じ事を口々で囁いていく。その言葉に、思わず吹き出してしまった私たちは、・・・・悪くないと思う。
なお、ここ目で来る道中に、苗字は名乗らず(私達は平民としてこの世界の身分を得ているので、苗字を名乗る事は出来ない)皆名前呼びを徹底していこうと話し合い、すでに了解を得ている。
なお、ここにいる12人に関しては、チュートリアルを受けた特典として、現実世界でも使用できる平民の身分と、冒険者ギルドのギルド証(すでに持っている者はなし)を所持している。なお、ギルドランクは、最低ランクのGランクであるが、ゲーム世界でランク上げをすれば、現実世界でもそのランクになるという特典があったりする。




