【01-08】異世界通販サイト:ISEZON(その1)
「それじゃあ早速だけど、アプリ『異世界通販サイト:ISEZON』について説明するね。
ゲームを数時間堪能した翌日、朝食後にアプリ『異世界通販サイト:ISEZON』の使い方をレクチャーする私。このアプリを使いこなせば、いろいろな乙女の音大や、異世界を堪能するあれこれについて、そのすべてを片付ける事ができる。
ちなみに、今朝早くに生理になったヒナタちゃんには、私がナプキン数十枚と整理用ショーツ数枚を用意してあげている。ヒナタちゃんが使用している奴は、いろいろとあって私は把握済みなのだ。まさか、『異世界通販サイト:ISEZON』に売られているとは思わなかったが・・・・・。
「まずこの『異世界通販サイト:ISEZON』でできる事は次の2つ。
1つ目は、ポイント交換。
このサイトでは、この世界で流通しているおカネではなくて、『ISEZONポイント』という謎ポイントを使用してお買い物をする事になっている。まずここから始まるといっても過言ではないけど、この『ISEZONポイント』については後で説明するね。」
1つ目に説明するのはもちろんすべての始まりであり、もっとの重要な事柄である『ポイント交換』だ。
このサイトでいうポイントとは、このサイトでしか使用できない『ISEZONポイント』という謎ポイントである。
このポイントに交換できるモノは、次の4つ。
1つ目は、当然ながらおカネだ。
ここでいうおカネとは、この世界で流通しているお金はもちろんの事、地球で流通していたお金も、この『ISEZONポイント』に変換可能だという事実。
で、おカネをポイント変換する際には、当然ながら換金率というのが存在している。所謂『1ポイント=1円』とかいうあれだね。
なお、おカネからポイントに変換するための換金率は、使用される金属の種類とその量によって、換金率が大きく異なっている。つまり、(この世界においての)金属素材の価値によって換金率に差があり、地球では廉価で手に入る金属が、この世界では高価な金属だったという事もしばしばあるのだ。
一番安い金属は錫で、この世界においてももっとも価値の低いお金に使われている金属素材である。
ちなみにこの世界で主に流通しているおカネは次の5種類。おカネ自体は共通通貨制を導入しているが、その価値は国や地域によって異なっている。そのため、同じ物を購入する場合でも、(国家単位・地域単位問わず)場所によっては100倍近くの差がある場合もある。
そういった理由から、この共通通貨のほかに、国家単位でのみ流通しているおカネも存在している。そういったおカネは、基本的にインフレやデフレなどでおカネの価値が激変している場合、共通通貨の価値をある程度揃えるために発行されている。(スキル【世界樹の知識〔E〕】より抜粋)
共通通貨として流通しているおカネ。下の価値のおカネが10枚で、1つ上の価値のおカネになる。
青銅貨・・・・もっとも価値の低いおカネで、青銅貨1枚で、この世界で一番安い黒パン1個と交換できる。なお、浮浪児の報酬が青銅貨5枚程度である。
銅貨・・・・一番多く流通しているおカネの1つであり、屋台の串焼きの値段が1本当たり銅貨1~5枚程度になる。
銀貨・・・・一番多く流通しているおカネの1つであり、プレート物の定食1食の値段が銀貨1~5枚程度の値段になる。
金貨・・・・一番多く流通しているおカネの1つであり、一番安い宿屋の部屋代が、1泊2食付きで金貨1~5枚程度の値段(なお食事なしの安部屋は、銀貨5枚程度)になる。また、4人1家族が、1ヶ月間普通に暮らしていけるおカネが、金貨1~5枚と言われている。
王金貨・・・・商店間の大口取引くらいしかお目にかかる事ができないおカネ。なおこの硬貨のみ、金貨100枚で1枚の交換レートとなる。
なおこの世界には、異世界のテンプレ通りに、オリハルコンやミスリルといった魔法金属が存在している。そして実のところを言えば、ミスリルは地球でいうところのアルミニウムであり、その価値は1gあたり金貨50枚(混ざり物が少なければ少ないほど価値が上昇)の価値があったりする。そして、純アルミニウム純度の高いアルミである1円玉の場合、1円玉1つで王金貨1枚以上の価値になるのだ。
これを、スキル【世界樹の知識〔E〕】で知った時、私たちは1円玉の数をいきなり数えだしたほどである。で、数えた結果、私達の手元には、1円玉が50枚くらいあったのには驚いた。つまり、王金貨50枚以上という、いきなりの大金持ちになったのだ。
で、10円玉に至っては、全部で100枚を超えていた。当然混ざり物が少なければその価値は上がっていくので、純度の高い銅でできている10円玉の価値は、1枚あたり銀貨1枚以上の価値となる。
なぜこんなにあったのかは知らない。
・・・・・まあ、このままでは使えないが、どうにか換金して当座の生活資金にしたいと思っている。
換金・・・・・・、でいるのかな?
それだけが心配の種であるが、金属素材として売っぱれば何とかなるだろう・・・・・、と思っている。
閑話休題。
2つ目のポイント交換品は、現生活において不用品となったモノ。
その名も通り、私達が不要と思っているモノならば、この世界で習得した不要物でも、地球から持ち込んだモノでも。そして、私たち自身が、この世界に来て作り出したモノも、すべて買い取ってくれるサービスなの。そして、その買い取った代金は、この世界で流通しているお金か、このサイトで使用する『ISEZONポイント』のどちらかで支払ってくれる。
つまりこのサイトでは、この世界で流通している、所謂『共通通貨』ですら購入する事が可能なのだ。購入という言葉が、この場合正しいかどうかは置いておいて、だ。
という事で、現在私たちが持っている地球産の小物類やら衣類やらはこちら。
ちなみに、ポイントの交換方法は、サイト内の『ポイント交換』という項目をクリックすると、目の前に大きな穴が開く。その穴の中に交換したいものを突っ込んでいくのだ。なお、この穴を交換したいモノの近くにもっていっても、ポイントを交換する事ができる。その場合は、自ら作り出したモノか、討伐・採取済みのアイテムに限るが。
また、共有化をしていれば、自動で交換したポイントを振り分けてくれるスサービスもある。
1つ。当然ながら今現在着用している下着1式と半袖体操服にブルマ。そしてセーラー服のセット。そしてそれらの予備として持ち歩いている数セット。
これについては、1セットはすでに私たち個人の使用者権限がかかっているので、当然ながら売買対象ではない。しかし、予備として持っているモノに関しては、別にここで売り払てしまっても構わないだろう。
理由としては、昨日やっていたゲーム内で、こんな話があったからだ。
(1)私達のパーティメンバーは、基本的にはこれ以上増やさない。理由は、それぞれのメンバーのポディションがバラバラでバランスが良く、連携も悪くないから。
ちなみに、ゲーム内で確認をし、連携訓練を行った際に決まったポディションは次の通りだ。
・前衛の攻撃職であり、物理(刀剣武器)攻撃専門であるユウト君
・前衛の楯職であり、物理(徒手空拳)攻撃専門であるナツキ君
・前衛の盗賊職であり、物理(短剣武器)攻撃専門。で、何故か後衛の魔法攻撃職でもある、私事アリサ。
・前衛の盗賊職であり、中衛の物理(弓矢武器)攻撃専門であるヒナタちゃん。実は私と同自魔法攻撃にも長けている。
・後衛専属で、回復・支援職であるレイナさん。
詳しい事は割愛するが、前衛に大きく偏っているが、魔法も使える人材もいるので問題はあまりない。
(2)新しく増やすメンバーには、私たち5人の趣味を認め、尚且つ協力して楽しんでくれる人でないと駄目であるから。つまり、性別や容姿、さらに言えば元いた学校は関係なく、所謂腐った趣味に全開な方でないと、パーティ内の雰囲気が悪くなるから・・・・という、自分勝手な理由があるのだ。
そういった理由もあり、さらに専用となったセーラー服や体操服・ブルマに至っては、『破壊不能であり、汚れた際も勝手に切りにしてくれる』ので、予備はいらないだろうという話になったため、潔く予備として持っていたモノはすべて『ISEZONポイント』に変換してしまった。
1つ。財布とその中身。
1円玉と10円玉については、換金素材としての価値があるためそのまま保有する事になっているが、それ以外の硬貨や紙幣については、使い道がないため潔く『ISEZONポイント』に変換である。どうもこの世界では、合金にすると価値が目減りするばかりか、強度自体も合金にする前よりも弱体化するみたいだ。(【世界樹の知識〔E〕】から抜粋)
もちろん財布に入っていたカード類もすべて使用できないので、『ISEZONポイント』に変換してしまった。
1つ。ボールペンなどの筆記用具。
この世界では、どんな筆記用具が流通しているのか解らないので、地球から持ってきたこれらは潔く『ISEZONポイント』に変換である。特に紙製品は危険がいっぱいである。製紙方法は知っているし、作った事もあるので、材料さえあれば何時でも製紙可能であるとの理由もある。
1つ。腕時計。
時計自体は使用可能だけど、なんせ時間が1日で狂ってしまうため、あまり意味がなさないだろう。狂いを治すためには、中で動いている歯車などの機構を変更してやればどうにかできるのは理解できてはいるが、そんな高度な知識はたかが一般高校生だった私たちにはない。そして何よりも、『時計は高級品であり、その所持は王侯貴族たちの特権』である以上、そんなものを持っていればいらないトラブルに巻き込まれるのは火を見るよりも明らかだ。私たち5人は、平民として自由気ままに暮らす事を目標にしているので、トラブルしか生まない無用の長物は『百害あって一利なし』である。
暦自体はスマホで確認できるので、トラブルの元である時計はいらないだろうという事で、『ISEZONポイント』に変換である。
1つ。先ほど話題に出てきたスマートフォン。
現状の私たちにとっては、最も必要なアイテムでもあるスマホ。当然ながら今後もいっぱい活用してくれるアイテムでもある。スマホ自体は何でもできる『万能魔導具』として言い張れるし、何よりも使用者登録で私たちが持っているモノに関しては、それぞれ各個人以外使用不能なため、売り払う事もできないモノだ。
なお、今後人里もしくは街道発見までの道中で、スマホを発見した場合はすべて回収して保管していく予定である。その際、発見した学園都市関係者がいた場合、すでに死亡している場合はその持ち物(着用している衣服も含めてね)をすべて剥ぎ取った後に埋葬する予定である。
持ち物は死者の遺品だから一緒に埋葬・・・・などという考えは一切ない。
そんなきれいごとを言っていては、この世界ではたぶん生きてはいけないだろう。それならば、『死者の遺品は生者の生きる糧』として、有意義に使っていった方がいいに決まっている。
1つ。髪ゴムやリボンなどのヘアーアイテム。
日々の生活で使用するアイテムに関しては、すべて保有対象であり、足りないモノは購入対象となる。
もちろん、リップクリームなどのスキンケアアイテムも同様だ。
1つ。家やロッカーなどの鍵。
シリンダー錠の鍵については、『どんな鍵穴でも、この鍵で開閉可能になる』という、泥棒さんにとっては喉から手が出るほど欲しいの魔導具になっていたため、保持対象となっている。当然ながらそんな事に利用する予定はなく、またそんな錬りな魔導具を持っている事を吹聴する気もない。絶対に無用なトラブルが、次から次へと向こうから寄ってくるからね。最悪投獄されて、冤罪を擦り付けられて処刑コース・・・・・だけは勘弁願いたい事である。
また、1本あれば事足りるみたいなので、各自1つ筒所持している以外は、『ISEZONポイント』に潔く変換である。なおカードキーについてはゴミ同然なので、当然『ISEZONポイント』に変換である。
ここまでは、地球から持ち込んだアイテムであり、ここからは私達がこの世界で、この数日間に作ってきたモノや、私がこの家を新築際に出た廃材などだ。
とはいっても、あまりその量はない。
1つ。このに家に引っ越すまでの棲み処だったあのカマクラ、『ISEZONポイント』に変換したら、なんと1500ポイントもあった。なお、このポイントは、あのカマクラを作っていたヒナタちゃんとユウト君がその貢献度に応じて自動分配されていた。どうも、直接その物体を作った者や採取した者に、ポイントの所有権があるようだ。
1つ。この家を新築している際に出てきた、あの不思議な木の切り株やその他諸々。当然すべて私が取り分となっており、そのポイント数は驚愕の10万ポイント。そのうち、この家を建てる際に使用した(住宅設備などを購入するための)諸々のポイントは、6万ポイント。
なお、いったんそれぞれのマイページにポイントは振り込まれているが、その後誰かに壌渡しても構わないみたいなので、残りの4万ポイントは仲良く折半をしている。
この、異世界通販サイト:ISEZONのサイトを利用するための『ISEZONポイント』の変換方法は、これで終了である。それぞれのマイページに、たくさんポイントを突っ込んでいるので、これからはいいよお買い物である。