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第七話 裁縫

さて早速毛皮で布団を作ろう。


まずは皮を剥ぎ取りまして、それから・・・・それから・・・・


やっべ・・・・俺裁縫とか小学生レベルだわ・・・生産スキルとか持ってねーよやっべーわ・・・


そもそもこの皮を繋ぎ止める目立たなく強い金色の糸も入手してなかったわ。


まあ糸は最悪スキルで何とかなるだろう。問題は裁縫だな。


やむを得ないか・・・・近所の婆さんに頭下げて教えてもらうしかない。


2軒隣の婆さんが確か裁縫LV7とかふざけた数値を誇っていたはずだ。何とかして弟子入りしよう。


「こんにちは~。ジェシカさんいらっしゃいますか~?」


「あら。いらっしゃい。シュウさん。母さんなら奥で編み物してますよ。」


「そうですか。少しジェシカさんに教わりたい事がありまして、お邪魔させていただいてもよろしいでしょうか?」


「あらまぁ。母さんも喜ぶわ。さぁ中へどうぞ。」


そう言い俺の腕を取り引きずり込むファイナさん。俺は引きずられるままにお邪魔させてもらった。


「お母さん、シュウさんがお母さんに用があるんですって。」


「おや、珍しい。こんな婆さんに用があるなんて。」


「お邪魔してます。実は今日はジェシカさんに裁縫を教わりたいな、と思いまして。」


「まあ。フフフ。村長さんのソファーね。」


ファイナさんに笑われてしまった。いや違うんだけど・・・違わないか。


確かに俺が作ってるのは布団だが間違いなく、村長のソファーが事の発端だ。


「ええ。まあ・・・・自分もああいった物を作れないかなと思いまして。」


「教えてやっても良いが、教えるほどの事もないよ。それでも良いかい?」


「はい!是非お願いします!!」


あっさり弟子入りする事が出来た。


「何を編みたいんだい?」


「編むというより、毛皮を縫いたいんです。」


「なるほどねぇ・・・それじゃあこれを縫ってみなさい。」


そう言って渡されたのは2枚の布と針と糸だった。


「そいつを縫ってバラして、縫ってバラしてを繰り返し練習するんだよ。」


「分かりました。ですが自信がないので一度お手本を見せて頂けませんか?」


「しょうがないねぇ。」


そう言って、布をあっという間に縫い合わせてしまうジェシカさん。


早速俺も真似して縫ってみる。  だが同じようには当然縫えない。縫い目が荒くて汚い。


言われた通りバラして、また縫う。本当にその繰り返しだ。


ひたすらその作業を繰り返した。


気が付けば日が落ちていた。


「済みません。長居をしてしまって。」


「少しは縫えるようになったようだね。コツコツ頑張んなさい。」


「はい。有難うございました。」


随分長居をしてしまった。


「あら。もう帰るの?夕食も食べていてば良いのに。」


「いえ、すっかりお邪魔してしまいまして。」


「もっとゆっくりして行っても良いのよ?」


「家の仕事も有りますので、嬉しいお誘いですが、お邪魔しました。」


社交辞令の挨拶をして、家に帰る。流石にこれ以上の迷惑はかけられない。


家に帰り、簡単な夕飯を食べてまた布を縫ってはバラす。


もはや裁縫マシーンだ。結局日付が変わるまで俺は布を縫い続けた。


ようやく集中力が切れて、布を縫うのをやめた。気付けば裁縫スキルを入手しており、LVが2になっていた。


まだ裁縫を頑張りたいが明日も木こりの仕事がある。今日はここまでで寝るべきだろう。


俺は逸る気持ちを抑えて、布団へと潜った。


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