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第六十一話 アイアラン商会支店

マイクさんの話を確認する為に街へと戻った俺たちはとりあえず街を歩いて回ることにした。


すると居るじゃないか。うちの店に来ても居ないのに絨毯や手提げ袋を持って歩いている連中が。


「これはどういう事でしょうか?わざわざ王都まで行って買ってきたのでしょうかね?」


アンネがそう聞いてくるが俺に分かる訳がない。


「さあなあ・・・。だけどマイクさんがアイアラン商会が街でも何かしていると言っていた。

 ならば恐らくアイアラン商会が何かしたんだろうな。」


「そうですね・・・。それでどうしますか?」


「とりあえずそういう事なら人の集まる市場の方へ行ってみるか。」


そういう事で市場の方へやってきたが、いつもよりやや・・・いや随分と人気がない。


「今日はお休みだったのでしょうか?」


アンネがそう言い出すのも納得出来るほどだ。閉店している店もそれなりの数があった。


今日が休みならうちにもお客さんが来なくても不思議じゃない。だがうちはやっていたし買い物は休日にこそする物だろう。


いつまでもこうしていても仕方がないな。やっている店で事情を聞いてみよう。


「ああ。何か王都から大きな商会の支店が出来たみたいで皆そっちに行ってるよ。」


「そうだったんですか。有難うございました。」


俺は教えてくれた店主に礼を言って俺は店を後にしようとした。


「おい。ちょっと待ちな。」


ん?まだ何かあるのか?


「さっきも言ったように今日はお客が来なくて困ってんだ。何か買ってけ。」


それは酒場でのお約束では?


と思ったが、そう言われて何も買わない訳にもいかないのでハンカチを何枚か買った。


俺たちは今度こそ市場から大通りの方へと向かった。


すると、通りにはいつも通りのいや、それ以上の賑わいがあった。


「大通りは相変わらず人が多いですね。」


「そうだな。」


中には絨毯や手提げ袋を持ってる人がまばらだがそれなりの数がいる。


「やっぱりアイアラン商会が来ているのでしょうか?」


「まあ確実に何らかの行動は起こしたんだろうな。」


俺たちは人混みの中を人の流れに逆らいながら混雑の中心へと向かう。


たどり着いた先は半ば予想したとおり、大きな店の前だった。


「これは・・・。」


「ああ、支店だろうな。」


大通りの一等地にアイアラン商会は支店を出してきたようだ。


「はい!お集まりの皆様。誠にありがとうございます!本日開店致しましたアイアラン商会です。

 開店祝いとして、本日に限り!絨毯と手提げ袋がなんとセットで金貨5枚!金貨5枚でのご提供となってお ります!金貨20枚など馬鹿らしい!是非この機会を逃がさぬようお願い申し上げます!」


確実にこれが原因だろう・・・しかし思った以上に酷かった。


支店を出してきた上に安売りとは・・・ここまでされた以上こちらもかなり強力な切り返しを見せないと

お客さんを全部取られてしまうだろう。


「これは酷いですね・・・。」


「ああ。ここまで露骨にやられるとは思わなかった。」


俺とアンネはしばし呆然とアイアラン商会の行列と呼び込みを眺めていた・・・。


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