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第五十七話 勧誘活動

今日の俺は『ただ』の石川周ではない。そう・・・『交渉人』石川周だ。


宴会で忘れていたがスーリャはしっかりと皮剥ぎと裁縫の上手な人を見つけておいてくれていた。


『裁縫はダントツでジェシカ婆さんだね。続いてファイナ。』


これはまあ予想通りといったとこだ。


『皮剥ぎなんだけど上手かったのはザック、ゼハード、ベルーナ。』


ゼハードさんは分かるけど、おっちゃん有能だったんだな・・・。それとシューゲルって誰だ?


『シューゲルはゼハードの息子だね。でも遊んでばかりいるようだよ。』


ドラ息子って奴か・・・でも能力はあると。


『まあ他にも何人か居たけど目に付いたのはこの辺だね。』


との話を受けてまずは一番簡単そうなファイナさんとジェシカさんを勧誘に来ている。


「という訳でグリズリーやキラーコブラの裁縫を手伝って欲しいんですよ。」


「う~ん・・・お母さんどうする?」


「あたしはやっても良いけど家から出たくはないねぇ・・・。」


それは厳しいな・・・ここにグリズリーやコブラの皮は置いていけないぞ・・・ってそれなら鞄を作ってもらったりすれば良いんじゃないか?難易度が高い物を作ってもらってそれを皆で真似すれば良い。


「そうですか。ファイナさんはどうです?」


「あたしもやっても良いんだけど・・・。」


「何か不満なことでも?給料は結構出せると思いますよ。」


「そこなのよ!金貨10枚とか貰っても使えないなら意味ないでしょ?」


なるほど・・・確かに盲点だった。村長に似たような話されてたのに・・・


「で、シュウは何故かお酒やおツマミとか色々買ってるわよね?」


むむ・・・


「あたしもその方法で買いたいな~。って!お給料はお手伝い程度で良いからさ。」


むむう・・・街へ連れて行ってアンネと店番でもしながら縫ってもらうか。


「分かりました。ですが少し忙しくなりますよ?」


「ほんと!?言ってみるものね!」


こうして俺は2人の針子を確保に成功(?)した。


続いてのターゲットは倉庫の管理人ザックおっちゃんだ。


「おはようございます。」


「おう。今日も早いな。」


「はい。今日の分です。」


「おう。昨日は大変だったな。」


「ええ・・・大変でしたよ。」


「おかげで俺もグリズリーの絨毯を使えてるんだけどな。やっぱりありゃあ良いな。」


「それは良かったです。ところでザックさん少しアルバイトをしてみませんか?」


「あん?どういう事だ?」


「いえ、ザックさんは皮を剥ぐのがとても上手かったので手伝って貰えないかなと。」


「おいおい。俺は倉庫の管理人だぞ。そう何日も倉庫を空けて手伝いになんていけるかよ。」


「ここで作業は出来ませんかね?」


「そりゃー出来ねえ事はねえがあんなでけえの運べるわけねえだろう。」


「いえ、運ぶのはこちらでやりますから。」


「そういう事なら暇な時はやってやっても良いけどなあ・・・。」


「バイト代ならしっかり弾みますよ?」


「そこなんだよ!俺は別に金にはさほど困っちゃいねえんだ。」


「管理人って儲かるんですか?」


「まあそこそこにな。それにほとんど使わねえからな。」


うーむ・・・ファイナさんで予想は出来てたが金で釣れないとは手強い。


「そこでだ!シュウ、お前は何故か色々と酒やらツマミやら大量に持ってるよな?」


あれ・・・この展開さっきもあったような・・・。


「金はいらねーから酒とツマミの現物支給でなら引き受けるぜ!」


まあ安くあがったと考えれば悪くはないか・・・


「分かりました。欲しい種類のお酒とかツマミの種類で注文があったら言ってください。無ければ適当に 

 良さそうなのを見繕ってきますけど。」


「ああ、それで良い。いやー暇な仕事の合間に働いて酒とツマミが手に入るなんて最高だな!」


やっぱり管理人って暇なんじゃねーか!


こうして俺はどうにか交渉を成功(?)させた。


ってあれ・・・?ファイナさんは街へのご招待、おっちゃんは酒とツマミの代理購入。


仕事減ったけどまた増えた!?


いや、難しく面倒な仕事が簡単な仕事になったんだ。確実に前進しているはずだ。そうだよな・・・?


「ところで皮を剥ぐのは俺以外にも声かけるのか?」


「ゼハードさんも上手いんですが流石に大工の仕事が忙しくて無理でしょう。」


「ああ、あいつは無理だな。」


「それで次に上手かったベルーナさんに声を掛けようと思いまして。」


「ベルーナに・・・?」


「ええ。何か問題でも?」


「いや、あいつは相当の変わり者でな。ゼハードも手を焼いているんだ。」


変わり者ねえ・・・。


「まあ会ってみれば分かるさ。シュウならいけるかもしれん。頑張ってくれ。」


「まあ頑張ってみます?」


俺は一抹の不安を覚えつつベルーナさんの勧誘へと向かった。


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