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第五十二話 終わらぬ宴会

あれから数日・・・工事と宴会は連日続いていた。


「この宴会っていつまで続くんですかね?」


「ん~普通は初日だけ盛り上がってそれ以降はまばらになるんだがな・・・。お前さん初日に大分奮発した上にその後もそれなりに差し入れしてるだろ?」


「ええ。」


「だから村の連中も集まっちまうって訳さ。今更やめにくいだろうし難しいところだな。」


そういう事か・・・もっと詳しく聞いておくんだった。


だがさすがに連日宴会ばかりしている訳にもいくまい。冗談ではなく破産してしまう。


「あ、これ今日の分です。」


「しかしお前は本当にどうなってんだ?言った翌日から毎日しっかり40本持ってきやがるしよ。」


「まあそこは企業秘密って事で。別に秘密にする必用は一切無いんですがね。」


「まあ良いさ。じゃあまた後でな。」


「はい。ってまた飲みに来るつもりですか!?」


「そりゃ当然だろうが。がはは。」


はぁ・・・この宴会ループもどうにかしないとな。


「それじゃまた後で・・・。」


俺は倉庫を出て家に戻った。


「おう!シュウさんおかえり~。」


「おかえり~。まあ飲んで飲んで。」


相も変わらず宴会は盛り上がっているようだ。楽しんでくれているのは良いのだがどうしたのもかな。


「シュウよ。お前が来てから村が活気づいておる。感謝するぞ。」


「有難うございます。」


村長もここ3日は毎日来ているしな。


「ところでその絨毯は素晴らしいの。譲っては貰えんか?」


む・・・節穴村長の癖に目ざといじゃないか・・・。どうしたものか。


「アンネ!ちょっと!」


迷った時はアンネに頼ろう。


「はい!なんでしょう?」


『村長が絨毯を譲って欲しいって言うんだけど、どう思う?』


『別に譲られても構わないのでは?』


『村の中で売るのって許可とか問題とかそういうの平気か?』


『特には無いでしょう。問題は金貨20枚支払えるのかという点ですが村長さんなら平気でしょうし。』


そうか。許可もへったくれも相手は村長だしな。価格は村内価格で半額で売ろうかな。


「えーと・・・村長。売るのは構わないのですがこれは商品でしてね・・・。」


「ほう・・・。」


「街の方で売っているのですが、金貨20枚で売っているんですよ。」


「なんと・・・!この絨毯なら納得じゃがそれにしても高いの」


「ええ、一応グリズリーの絨毯ですし、そのお値段になっています。」


「なんじゃとおおおおお!?」


「あなた、五月蝿いわよ。」


「おお・・・すまんすまん。」


村長が驚きのあまり奇声をあげて奥さんに怒られてしまった。


「それならば納得じゃが・・・ちと手が出んの。」


「いえ、村長には半額の金貨10枚でお譲りしようと思います。いかがでしょうか?」


「買った!!」


即決か・・・。やはりこの絨毯は良い物なんだな。いや村長を信じるのはやめておこう。


「これはもうワシのじゃな!?持って帰るぞ!」


「いえ。それはここで使う物ですし中古品扱いになってしまうでしょう。」


「ん?どういう事じゃ?」


俺はアイテムボックスから絨毯を取り出して村長に渡した。


「こちらでよろしいでしょうか?」


「おお・・・新品の絨毯じゃな。今は持っておらんが・・・いや絨毯を家に持って帰るついでに取ってくるからちと待っておれ!」


村長は絨毯を抱えてそのまま走っていってしまった。元気だな。


本当はあげても良かったんだけどそうすると収集がつかなくなりそうだからな・・・。


「見てたわよ~。」


「うわっ!」


いきなり後ろからファイナさんに声をかけられた。


「村長に絨毯をあげたわね~。私にもちょうだい!」


目ざとすぎる・・・やはり販売にして良かった・・・。


「いえ、あげたんじゃなくて売ったんですよ。」


「そうなのね・・・ちなみにおいくら?」


「金貨10枚ですね。」


「たかっ!高いわよ!」


まあ普通はこういう反応だよな。俺も絨毯1枚に100万円とか正気を疑うしな。


「グリズリーの毛皮を使っているのでこの値段になってしまうんですよ。」


「グリズリーの毛皮!?」


「ファイナ。五月蝿いよ。」


「ごめんなさい、お母さん・・・。」


ファイナさんもジェシカさんに叱られてしまった。


「そうなのね・・・凄い物を持ってるわね。良い物使わせてもらって有難うね。」


そう言ってファイナさんは宴会に戻っていった。


だが、ファイナさんは完全に諦めてはいなかった。それを俺は後で思い知ることになってしまう。


「スーリャ。」


「シュウか。なんだい?」


「流石に宴会ばかりしているわけにもいかないからな。そろそろ俺たちは家で作業するぞ。」


「え~・・・もっと飲みたい。」


「え~・・・じゃない!アンネとレオンはずっと働いているんだぞ。ほら、さっさと来い。」


俺はスーリャを引きずって家に製作をしに戻った。


「とりあえず手提げ袋と絨毯を10個ずつ作ろうか。」


「は~い・・・。」


「あんまりだれてると・・・禁酒させるぞ。」


「手提げ袋と絨毯を10個ずつだね!すぐに作り終わらせるよ!」


まったく・・・。


それから俺たちは作業を進めていった。


「終わった!」


「終わったな・・・。」


スーリャが非常に頑張ったおかげで随分早く終わってしまった。


追加でもう5とかやりたいところだが・・・この様子じゃ流石に可哀相か。


「良いよね?飲んできても。」


「ああ。良いぞ。」


聞くなり家を飛び出す勢いで出ていこうとした。


「シュウさん。」


だが家に入って来たアンネに止められる。


「どうした?アンネ。」


「それが・・・村長さんとファイナさんが絨毯の事を広めてしまって・・・。」


何だその厄介事の予感しかしない前置きは。


「それでその・・・。」


「何だ?言ってみろ。」


「どうにかして手に入れられないか?と皆さんに詰め寄られて・・・。」


それは災難だったな・・・。アンネに悪いことをした。


「それで?」


「でしたら絨毯ではなく毛皮の状態で売っていただいで自分で縫えば安くなるかもしれませんと・・・。」


また面倒な・・・。いや、待てよ・・・?


確かに毛皮を安く売るのは面倒だが一番面倒なのは縫う作業だ。


なんなら皮剥ぎから手伝わせて作らせるなら銀貨5枚で売っても良いくらいじゃないか?


まあ流石に金貨5枚より安く売ると村長の顔に泥を塗る事になるから値下げに限界はあるだろうが

それでも大分楽に稼げるのではないか?


問題は・・・裁縫スキルと針か。まあ針くらいスーリャにすぐ作られば良いしなんとかなるかな。


場所が問題か・・・各家庭でやって貰っても良いんだが質問やその他色々起こる度に家に来られても困る。

店に出ていて居ない事が多いからな。


「分かった。倉庫兼作業場が完成したらそこで村の皆に手伝って貰って作ってもらうから、そう伝えてくれ。」


「分かりました。すみませんでした。面倒を増やしてしまって。」


「いや、むしろ助かったかもしれないから気にするな。」


「すみません。では行ってきますね。」


そう言ってアンネはまた出て行ってしまった。


「面倒なことになったねえ・・・。」


「まあそうだな。今宴会に行ったら間違いなく質問攻めだな。」


「だよねぇ・・・。仕方ない今日は諦めるかねぇ・・・。」


「まあ酒とツマミなら俺が出せるからここで2人でなら宴会出来るぞ。」


「さすがシュウ!格好良い!愛してる!」


言うなり酒とツマミをかっぱらって宴会を始める。


「セリフと行動があってないぞ。スーリャ。」


「あはは。まあ固い事言いなさんなって。ほらシュウも飲んで飲んで。」


結局スーリャに飲まされ今日も宴会をしてしまった。


その後アンネにレオンまで加わって結局寝るまで宴会は続いた。


この世界では未成年の飲酒は良いのだろうか?そんな事を考えながら俺は眠りに落ちていった。

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