第四十九話 整地
「という感じで家を建てることになった。」
「2階建てですか。凄いです。」
「僕も参加できるんですよね?ありがとうございます!」
「作業場に倉庫まで建てるなんてね・・・。」
皆も住む家だからな。楽しみにしていてくれ。
「倉庫と家は分かりましたけど家の部屋割りとかはどういう風になっているんです?」
あ・・・全く話してなかった。
いや、まさかゼハードさんが忘れるはずがない。明日に皆と話す予定なんだろう。
「それは明日にでも皆でゼハードさんと話して決めようと思う。」
「僕たちの意見も聞いてくれるんですか?」
「ああ。その予定だ。」
忘れてましたなんて言えん・・・。
「そういえば今日の売上は?」
「絨毯と手提げ袋が7個ずつです。」
「そうか。」
相変わらず好調だな。
「それでもう昼食は食べたのか?」
「いえ、これからです。」 「まだです!」 「そういえばレオンのお腹が鳴らなかったね。」
「もう!スーリャさん!」
レオンがスーリャに抗議している。だがレオンが食いしん坊キャラなのは既に確定しているしな。
「ははは。それじゃあレオンのお腹が鳴る前にどこか食べに行こう。」
「ああ!シュウ様まで酷いです!」
「ふふふ。それじゃあレオンが満足出来るようにこの前のお店へ行きましょう。」
「この前のって言うとあの肉料理屋か?」
「はい!」
「肉料理屋!?僕行ったことないです!良いんですか?」
「豪勢だねぇ。本当に良いのかい?」
アンネが食べたかっただけだろうが新人2名の食いつきが凄い。
某社の新入社員に焼肉を奢ると言うのは大正解なんだな。
「分かった。この前の肉料理屋へ行こう。」
「ありがとうございます!」「やったー!」「楽しみだねぇ。」
こうして昼は少し遅い肉料理を食べることになった。
「やっぱり美味しいですね!モグモグ。」
「はい!ガツガツ。」
「これは確かに美味しいね。モグモグ。」
皆、良く食べるな。まあ確かにこんな美味しい肉は滅多に食べられないけどな。
そのまま3人はひたすら肉を食い続けた。
「食べ過ぎました・・・。」
「もう食べられません・・・。」
「レオンとアンネに釣られてつい・・・。」
その結果・・・・3人仲良く食い倒れた。
「金貨2枚と銀貨2枚になります。」
随分食ったな・・・いや食い倒れてるんだから限界まで食ったんだろうが。
俺は勘定を済ませ3人をワープできる場所まで運んで家へと帰った。
「まあ昼からは俺はちょっと家の周りの木を切ってるから皆は寝てて良いよ。」
3人は仲良く絨毯の上で呻いている。
「すみません。シュウさん・・・。」
「ごめんなさい・・・。」
「すまないね・・・。」
俺は食い倒れ3人組を寝かせておいて家を建てる為の土地の確保に木を切りに向かった。
「奥義!疾風カマイタチ!」
サクサク木を切りまくる。あっという間に仕事完了だ。
と思ったのだが・・・切り株も除去する必要があることに気付いてしまった。
切り株もどかさないと家が建てられない。
試しに1つやってみたが恐ろしく面倒くさい。
土を掘り引っこ抜くしかなく、手間と時間が予想の10倍ほどかかってしまった。
だが明日の朝までには終わらせると約束してしまった以上終わらせねばなるまい。
俺は黙々と切り株の周りを掘り切り株を引っこ抜き続けた。
「手伝おうかい?」
食い過ぎから復活したスーリャが手伝ってくれた。
それから2人で黙々と掘っては引っこ抜いていった。
だが、まだ4分の3以上残っている。このままでは本当に朝方までかかってしまう。
「手伝います!」
レオンも復活して手伝ってくれた。
だがそれでもこの面倒くさすぎる作業の前にはそこまで劇的な改善が見込めない。
どうする・・・今からゼハードさんに言ってもう1日待ってもらうか?
「シュウさん。」
お。アンネも復活したか。
「アンネも手伝ってくれるのか?」
「ええ。ですが切り株をアイテムボックスにしまって移す事は出来ないのですか?」
な・・・に・・・?持たないと収納出来ないと思っていたが確かに俺の所有が認められれば収納出来るのではないか?何故試さなかった・・・。
「試してみる。」
俺は切り株に手を当ててアイテムボックスに切り株を収納した。収納出来てしまった・・・。
俺はやるせない気持ちで切り株を全て収納して回った。それをスーリャとレオンがやるせなさそうに見ていた・・・。すまんよ、俺もこんな手があったなんて思わなかったんだ。
「終わった・・・。スーリャ、レオン有難う。アンネも本当に助かった。」
「うん・・・。」「はい・・・。」「いえいえ。」
何はともあれ建設予定地の確保を終えた俺たちは家に帰った。
「夕食はどうする?」
「私はまだお腹が重いので軽い物にしたいですね。」
「僕はなんでも食べられます!」
「あたしも少し動いて普通には食べられそうかね。」
見事に分かれたな。どうした物か・・・。
「それでは私が適当な物を作りますからレオンは野菜炒めのような軽い物をお願いします。」
うむ。見事だ。
アンネが作ったのはポトフのような料理でレオンが作ったのは簡単な野菜炒めにフルーツを添えた物だ。
アンネはレオンが作ったものを食べてスーリャがアンネが作った物を食べていた。
俺とレオンは両方食べた。両方中々美味しかった。
「「「「御馳走様でした。」」」」
さて、寝ますかね。
もはや当然となった絨毯での雑魚寝である。
レオンは相変わらずの健康優良児だな。良く食べてすぐに寝てしまう。
俺も早く寝よう。
「新しい家が出来たらこうして皆で寝る事も無くなるんだね・・・。」
何かスーリャがキャラに合わないしんみりした事を言い出した。
「気が早いな。まだ建て始めてもいないのに。」
「煩いよ!ヘタレ!」
そう言ってスーリャは俺に体を押し付けて俺の腕を枕にし始めた。
ヘタレは関係ないだろう・・・。いやそもそもヘタレじゃないぞ。
「む・・・。」
ん?まだアンネも起きて居たのか?
「むぎゅ。」
レオンの何かに潰されたような声まで聞こえた。と思ったらアンネが俺の腕を枕にし始めた。
どうやらレオンの上を転がってきたようだ。寝ているフリしてるけど明らかに起きてるよな?
「むむ・・・。」
今度はスーリャが俺の上に足を乗せてきた。これ以上くっつくなドキドキするヘタレな俺にはきつい。
「むむぅ・・・!」
アンネも俺の上に足を乗せだした。何をしてるんだ2人は・・・。
「「むう!」」
と思ったら今度は2人が足で俺の上の場所取り合戦を始めた。
俺は2人が疲れて眠るまで付き合う羽目になった・・・。




