第四十五話 お店の様子
アンネ視点
シュウさんと皆がワープで家へと帰っていった。
私に店を完全に任せてくれている。信頼に応える働きをしなければ・・・!
だけど少しもやっとする・・・。これは何故なんでしょうか?
「おい!絨毯と手提げ袋を1つずつくれ!」
「はい。有難うございます。絨毯と手提げ袋で金貨30枚になります。」
「これに入っている。確認してくれ。」
そう言って男は金貨の入っている袋を渡してきた。
私は目の前で金貨を数え枚数を確認して絨毯と手提げ袋を渡した。
「有難うございました。またのご来店をお待ちしております。」
それからも引切り無しに訪れる貴族やその使いにお金持ちのお客さんを相手に私は絨毯と手提げ袋を
売り続けました。
そういえば一昨日の夜には何かあったのでしょうか?
スーリャとシュウさんの様子がややおかしかった気がしたのですが・・・。
「絨毯と手提げ袋を1つずつ貰えるかな?」
いけない。いけない。余計な事を考えずに仕事をしなくては。
「はい。有難うございました!」
その後は仕事に集中し、お昼頃には全ての商品を売り切ることが出来ました。
ですが事件が起こったのは、店仕舞いをしようとした時の事でした。
「おう。この店だな。」
「へい。間違いないです。」
ガラの悪いお客様たちが店にやってきたのです。
「申し訳ありません。本日は売り切れで閉店になります。」
「あ?ああ、そんなのは関係ないぜ。ほらよ。」
そう言って男は私に1枚の紙を渡してきたのです。
その紙にはこの紙を持ってくれば優先的に絨毯と手提げ袋を売るとシュウさんの字で書いてありました。
そういえば予約票をキュベール男爵に渡したと聞いてました。
という事は・・・この人たちは男爵の使いという事・・・。
「ん?お前どこかで会ったことないか?」
「いえ・・・その・・・。」
「あ!こいつ男爵様の奴隷だった奴ですぜ。確かアンネとか言ったはずでさぁ!」
「ああ!確かにそんな名前だったな。それで男爵様の絨毯と手提げ袋はどうした?早く出せ!!」
早く出せと言われても無い物は出せません。
「まさか男爵様の絨毯と手提げ袋が無いだなんて言わないよな?アンネ!」
売り切れてしまったのは事実で無い物は無いのです。
私が覚悟を決めて無い事を告げようとした時後ろから声がかかりました。
「失礼しました。キュベール男爵の使いの方ですね?」
「シュウさん!」
地獄で神様に会った気分でした。
「こちらが男爵様の絨毯と手提げ袋になります。ご確認下さい。」
「おう。って俺らに本物か分かるかよ!本物だって証拠を出せ!」
無茶苦茶です。そんな事出来るはずがありません。
私がそう思ってたらシュウさんは簡単そうにこう言いました。
「分かりました。少々お待ちください。」
店の奥に一度戻ったかと思うと毛皮を剥いでいない首のないグリズリーを引きずってきたのです。
「これでいかがでしょうか?毛皮を比べれば確認出来ると思います。」
「お・・・おう。この首の無いグリズリーはどうしたんだ?」
「私が倒しましたよ?これでも元勇者ですからね。」
「そ・・・そうか。どうやら本物のようだな。良し帰るぞ!」
「へ・・・へい。」
そう言って2人は絨毯と手提げ袋を持って帰りました。
「大丈夫だったか?アンネ。」
「は・・・はい。」
今頃になって身体が震えてきました。
「キャッ!」
「危ない!」
震えが止まらずよろけてしまいました。シュウさんが抱きとめてくれなければ思いっきり転んでました。
「だ、大丈夫か?」
シュウさんの腕の中は凄く落ち着きます。
「しばらくこのままで良いですか?」
「え。あ・・・ああ。構わない。」
さっきまでの震えが嘘のように収まってます。
「まだ絨毯は置いてあるかな?」
お店を閉め忘れていたのでお客さんが入って来てしまい慌てて離れました。
シュウさん達が作った新しい絨毯と手提げ袋をそのお客さんに売って店仕舞いをしました。
「アンネ。これ昼食な。」
「ありがとうございます。」
その後はシュウさんにサンドイッチを貰って食べ終えたら家に帰りました。
シュウさんはやっぱり凄い人です。私の自慢のご主人様です。




