第四十一話 製作活動
冒頭部分や導入部分のタイトルを毎回考えるのに苦労しますね。
2つ以上の出来事が起こった場合のタイトルも迷いますし。
「おはようございます!」「おはようございます。」「おはようー。」
「おはよう。」
眠い。昨日の夜はスーリャのせいで良く眠れなかった。
絨毯を片付けテーブルとベッドを戻し朝食を食べる。
「今日も昨日と同じ感じで製作をする。皆頑張ってくれ。」
「はい。」「はい!」「分かったよ。」
朝食を終え昨日の続きをしに外へ出る。
「それじゃまずは小刀から作ろうと思う。」
「やっとだね。一体どうやって作るんだい?」
「簡単な話だ。溶かしたミスリルを昨日の木型に流し込むんだ。それからスーリャが形を整えて完成だ。」
「そりゃ簡単だね。ってそんな訳あるかい!ミスリルをそこまで溶かすなんて無理に決まってるだろう!」
「まあまあ。とにかくやってみよう。」
「まあやるだけやってみれば良いさ。無駄だろうけどね。」
これっぽっちも信用してない素振りでそう言うスーリャ。
俺は小刀の木型を地面に置きミスリルの塊を取り出した。
「ちょっと下がってろ。」
そう言ってスーリャを下がらせた。
そうしてから俺はミスリルを空中に投げた。
「ファイアレーザー!」
ミスリルが溶けて木型に降り注ぐ。また大量に溢れてしまったがまあそこは仕方ないだろう。
「一体何をしたんだい!?」
「スキルだ。とてつもない高温の火を圧縮して放つスキルだ。」
「スキル・・・騎士がたまに凄い剣技を見せたりするあれかい?」
「まあそうだ。あれのもっとずっと先にこういうスキルがあるんだ。」
「とんでもないね・・・。シュウは一体何者なんだい?」
「一応元勇者だ。まあ色々失敗して今は木こりをしてるけどな。」
「それでスキルを活かして今は店を始めたってとこかい?」
「まあそんなとこだ。」
スーリャが納得したところでノミの木型とハンマーの木型も作ってしまおう。
「ファイアレーザー!ファイアレーザー!」
大分ミスリルも減ってきたな。今度どこかで拾ってこないとな。
「これで固まったらウチが削って良いんだよね?」
「ああ。まあしばらくは待つ事になるから家の中で待ってようか。」
「そうだね。」
俺たちは一旦家へと戻った。
「おかえりなさい。随分早かったですね。」
「おかえりなさい!」
「いや、ちょっと時間を置かないといけなくてな。またすぐに出ていく。」
「そうですか。」
「そういえばスーリャは裁縫は出来るのか?」
「出来るよ。物を作るのには必要な技術だからね。」
ドワーフ男は鍛冶しか出来ないイメージだがドワーフ女は何でも作るのか・・・?
いや、スーリャだけだろうなきっと。
「でもまだ針が無いから暇潰しと言ったらあれだけどレオンと布でも縫っててくれ。」
「仕方ないね。」
「シュウさんはどうするんですか?」
「いやそれがな・・・。」
そう。俺は今朝久しぶりに寝坊したので木こりの仕事を忘れていたのだ。
「だから仕事を済ませたついでに倉庫によってくるよ。」
そう言って俺は木こりの仕事をしに森へとワープした。
「奥義疾風カマイタチ!」
いつものように仕事を手早く終わらせ倉庫へと向かう。
「おはようございます。」
「おわ!?おいおい・・・いくらなんでも早すぎるだろう。」
俺が倉庫についた時にはまだおっちゃんは倉庫を開ける準備をしていた。
「いや~忙しくなりそうなんで早めに仕事を終わらせようかなって思いまして。」
「それで早く終わらせられるのはお前くらいだよ。」
そんな話をしながらおっちゃんは倉庫を開けた。
「はい。今日の分です。」
「おう。そういえばまた新しい子が増えたんだって?」
「ええ。忙しくなりそうなんで人手を増やしたんですよ。」
「昨日の酒といい相当稼いでるみたいだな。」
「ええ。でも人を増やしたんでほとんど手元には残ってないんですがね。」
今俺の手元にある資金は金貨35枚くらいだ。
十分増えているはずだが少なく感じるんだから確かに稼いでいるんだな。
「そうか。まあ頑張れよ。」
「はい。ではまた明日。」
「おう。また明日な。」
俺は倉庫を出て家へと戻った。
だが、その途中で食材屋のおばちゃんに捕まってしまった。
「聞いたわよ!新しい子が2人も増えたんですって?」
「ええ。」
「シュウさんが来てからこの村が徐々に活気を取り戻すかもしれないわねぇ・・・。」
「いえいえ、私にそんな大したことは出来ませんよ。」
「そんな事ないわよ~この村から若い人が出ていくことはあっても入ってくる何て奇跡よ。奇跡!」
そんな感じでしばらくこの村の未来への期待を語られてしまった。
「若い子には一杯食べさせないといけないからね!」
最後にはきっちり商売されてしまった。まあ銅貨4枚の買い物だから構わないけどね。
だが何だかんだで時間を取られてしまった。
「ただいま~。」
「おかえりなさい。」「おかえりなさい!」「遅いじゃないか!」
やはりスーリャに怒られてしまった。まあ暇潰しさせといて遅れたのだから俺が悪い。
「すまない。ちょっとおばちゃんに捕まっちゃって。」
「おばちゃんか・・・・じゃあ仕方ないね。」
スーリャも昨日は村人に散々歓待されたから分かってくれた。
「もう固まってるだろう?早く続きの作業をしようよ!」
そう言ってさっさと外に出て行ってしまった。
良く考えたら俺は何もしないから勝手にやらせておいても良かったな。
「ってまだ固まってないな。」
「完全に固まったら削りにくいからこれくらいで良いさ。」
「火傷しないか?」
ほとんど冷めているとはいえ、まだ高温だ。
「この程度なら平気だよ。それに一応これもあるしね。」
そう言ってスーリャが取り出したのは分厚い軍手だ。
「準備が良いな?」
「アンネはただの防寒具か手袋とでも思ったんだろうね。ウチもただの服屋にこんなのが置いてるとは思わなかったけどね。」
本当に物を作るためなら一切の遠慮がないな!まあおかげで買いに行く手間は省けたのだが。
「じゃあ始めるよ。」
「ああ。」
スーリャがミスリルの小刀の形をした塊をノミで削り小刀で削りハンマーで整形していく。
俺は特に手伝えることがないので見ているだけだ。
俺はしばらくカカシのようにスーリャの作業を見ていたが、飽きてきた。
「ちょっとまた出かけてくる。」
「ん?どこへ行くんだい?」
「ちょっとグリズリーとキラーコブラを狩りにね。」
「え!?あんた1人で行くってのかい?」
「ああ。」
「大丈夫なのかい?いくらなんでも無茶だと思うよ。」
「いや昨日その毛皮で寝てたろう?」
「それはそうだけどねぇ・・・。」
腑に落ちない様子のスーリャ。仕方ない一度スーリャにも見せておくか。
「じゃあちょっと行こうか。」
そう言って俺はスーリャを連れてグリズリーの生息地へとワープした。




